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2026.06.28

「人は変えられない」「飲みニケーションはNG」元NO.1キャバ嬢・愛沢えみりの人心掌握術

歌舞伎町No.1キャバクラ嬢から、年商約35億円規模の企業を率いる経営者へ——。アパレルやコスメなど5つの事業を展開するVOYAGE代表取締役の愛沢えみりは、「人は変えられない」という考えを大切にしているという。キャバクラ嬢時代から徹底してきた「嘘をつかない」という姿勢。社員一人ひとりの価値観を理解するための対話。そして、自分自身を見つめ直す習慣。数多くの成功者と出会い、組織を率いてきた彼女がたどり着いた、人を動かすためのシンプルな答えとは。

「人は変えられない」「飲みニケーションはNG」元NO.1キャバ嬢・愛沢えみりの人心掌握術

「どんな人にも必ずいいところがある」キャバ嬢時代から貫く“嘘をつかない”哲学

SNS総フォロワー数約180万人のインフルエンサーであり、歌舞伎町No.1キャバ嬢として名を馳せた人物。そして現在は、アパレルやコスメなど5つの事業を展開する経営者でもある。

この異色のキャリアを持つのが、VOYAGE代表取締役の愛沢えみりさんだ。会社は現在、年商約35億。13年をかけて着実に成長を続けてきた。

その歩みを支えてきた、キャバクラ嬢時代から変わらない信条について聞いてみると。

「絶対に嘘をつかないことです。従業員にありのままを伝えるし、本当にいいと思った商品しか扱わない。これは経営者としては当たり前のことかもしれません。

一般的に夜の世界には嘘が蔓延(はびこ)っているイメージがありますよね。でも私はキャバ嬢時代から、嘘は絶対つかないと決めていました。

どんなに太っていてハゲているお客さんでも、絶対にカッコいいところはある。だから『肌が綺麗ですね』とか、本当にいいなと思ったところを見つけて褒めることを意識していましたね。

『旅行に行こう』とお客さんに誘われても『行きたいです』と嘘をつくのではなく、『誘ってくれてうれしいです』と気持ちだけ伝える。嘘をつくと、自分が消耗してしまいますから」

歌舞伎町No.1キャバ嬢から年商35億の経営者になった愛沢えみり
愛沢えみり/Emiri Aizawa
1988年神奈川県生まれ。キャバクラ嬢として働き始めたのち、雑誌『小悪魔ageha』の専属モデルとして注目を集める。新世代“歌舞伎町No. 1キャバクラ嬢”として人気を博し、2013年には自身のECファッションブランド「emiriawiz(エミリアウィズ )」を立ち上げる。2015年には新宿に直営店を出店、月間売上2億5000万円以上を叩き出す。2019年にキャバクラ嬢引退後は、美容クリニック「VClinic 」や飲食事業、化粧品ブランド「norm+」などを展開し、現在は5つの事業を手がける経営者として活動する。

その一方で、経営者として成長するなかで、キャバ嬢時代から変えてきたこともある。

「人は変えられない。でも自分は変われる」経営者になって捨てた感情論

「キャバ嬢時代はずっと『感情型』でした。感情的に、わがままにお客さんを振り回す。そういうほうがキャバクラではうまくいくんです。だけど経営者でそれをやってしまうとダメですよね(笑)。

会社が伸び悩んで人が辞めていった時期もありました。自分の行動を振り返ってみたら、この『感情型』がまだ残っていたんだと気がついたんです。だからそこからは自分の感情は封印して、どうしたら合理的にうまくいくか、それだけを考えるようになりました」

客観的に自分自身とスタッフを見なければ、合理的な判断はできない。そのため愛沢さんは毎晩、自分が嫌だと思ったことや反省すべきこと、そして周囲の人の良かったところをノートに書き出しているという。

「自分はなぜこのとき嫌だと思ったのか。振り返って分析することで、自分の弱さが見えてきます。

逆に、スタッフなど他の人の良かったところを思い出して書き出していくと、『あの人はこう考えていたのかもしれない』と普段なら見過ごしてしまうようなことにも気がつけるんです。自分の悪いところと、人の良いところを言語化しておくのは大事だと思っています」

かつては、自分以外に原因を求めていた時期もあった。

「あのスタッフが悪いとか、世の中が悪いとか、会社が大きくならない理由をいくらでも見つけられます。私もかつてはそうでした。でもよく考えてみれば全部言い訳なんですよね。

自分は変われる。でも人も世の中もそう簡単には変えられない。だったら自分が変わるしかない。嫌だと思うことも、捉え方を変えていけばいいんです」

歌舞伎町No.1キャバ嬢から年商35億の経営者になった愛沢えみり

「飲みニケーションなんてありえない」社員との関係で大切にしていること

人を変えるのではなく、自分の捉え方を変える。

そのために愛沢さんが大切にしているのが、ともに働く従業員のことを深く理解することだ。

「その人が何を大事にしているのかを知ると、『なるほど、あの人はこう考えているからこう動くのか』と見え方が変わります。ちゃんと相手を理解しないままでは同じ方向を向くことはできません。

家庭環境やトラウマ、夢や価値観。なるべくその人のことをたくさん知っておきたいから、とにかく時間をつくってひとりひとりと話すようにしています。

仕事の話だけなら、それこそAIと壁打ちしていればいい。でも熱量を持った人間同士で仕事をするなら、やっぱり人を知らないと」

では、経営者は積極的にスタッフを飲みに誘うべきなのだろうか。そう尋ねると、愛沢さんは首を大きく横に振った。

「飲んだら仲良くなれるような気がするのは、ただ酔っているだけです。結局、相手の心理なんてわからない。飲みニケーションなんてありえない。長く付き合ったからといって結婚できるわけでもないですよね? それと同じです。

お酒を飲んだからといって、その人のことがわかるようになるわけではない。だから一時的な盛り上りではなく、価値観を共有することを目的に、しっかりスタッフと話すようにしています」

相手を知れば、価値観の違いも理解できる。社員と向き合うなかで、自分自身の価値観にも変化があったという。

「私、すごく昭和っぽくて、『根性! 気合い!』みたいなところがあるんですよ。以前はそれを人にも求めていて『あの人は根性ないな。私とは合わないな』と思ったこともありました。でもよく考えてみたら、価値観は人それぞれ。根性は人に求めることじゃないんですよね」

根性がなくてもセンスのある人はいる。技術に秀でた人もいる。だからこそ愛沢さんは、それぞれの違いを理解したうえで、強みを活かせる環境づくりが大切だと考えている。

「それぞれを理解して、そのうえで得意なことをのびのび発揮できる状態をつくればいいんです」

歌舞伎町No.1キャバ嬢から年商35億の経営者になった愛沢えみり

成功する経営者に共通するのは結局“根性と体力”だった

最後に、キャバクラ嬢時代から現在まで、数多くの経営者と接してきたなかで感じる「成功する人の共通点」を聞いた。

「結局、そこは根性と体力なんですよ(笑)。人に求めてはいけない。でも、経営者として成功するためにはやっぱり根性は必要だと思います」

根性は人に押し付けるものではない。しかし、組織を引っ張るうえでは欠かせない資質でもあるという。

「先頭に立ち続けるって、本当にしんどいんです。だから覚悟と根性がないと。もし自分に根性がないと思うなら、経営者には向いていないのかもしれません」

組織のトップの判断は、多くの人の人生に影響を与える。

「責任を負う覚悟がないまま上に立ってしまうと、多くの人を不幸にしてしまいますから気をつけないと。私はこれからも気合いと根性で走り続けたいと思っています!」

歌舞伎町No.1キャバ嬢から年商35億の経営者になった愛沢えみり

TEXT=安井桃子

PHOTOGRAPH=彦坂栄治

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