PERSON

2026.06.09

遠藤航「照準は初戦。オランダ戦で最高のパフォーマンスをするために逆算してきた」

サッカー日本代表キャプテン・遠藤航。6月12日刊行の著書『STEP-夢を叶える33のブースター-』(SYNCHRONOUS BOOKS)より一部抜粋。

遠藤航「照準は初戦。オランダ戦で最高のパフォーマンスをするために逆算してきた」

メンバー選外となっても受け入れる覚悟で、リハビリしてきた

ドクターから「人工靭帯再建手術」について説明を受けると、日本で手術を受ける場所や日時、手術後どのタイミングでリバプールに戻るか、3月にどんな状態であるべきか、4月はどういう動作ができるようになるのか、5月は......と逆算をしながらスケジュールを確認した。

決めなければいけないことがあった。逆算の起点をどこにするかということだ。

何周も頭をぐるぐると回していると「日本代表メンバーに選ばれる」ことから逆算するのは「最適解」ではないように思えた。

「日本代表メンバーに選ばれる」ことを「目標」にする必要は確かにある。選ばれなければ、叶うことはないからだ。だけど、それは「夢」からの逆算として正しいのか? ステップを下りることになっていないか? 最適解なのか──?

当然だけど日本代表の発表はワールドカップより前に行われる。5月のどこか──例えばヨーロッパのリーグ戦が終わった最終週なのか、段階を踏んでもっと前に発表するのか、想像はつかなかったけれど、僕自身が「代表発表」の5月段階にコンディションを合わせるにはかなり急ぐ必要がある。

できなくはないだろうけど、「日本代表でワールドカップ優勝」という「夢」からブレてないだろうか......例えばリハビリを含め無理をしてギアを上げることで「代表に選ばれた」としても、そのしわ寄せが本大会中に来てしまう可能性がある。

それは自分の「夢」ばかりかチームメイトたちの思いである「ワールドカップ優勝」に対してプラスにならない。むしろマイナスになってしまうことではないか。

ギプスで固定された足を放り投げるように、ソファで寝転がりながら考える。次第に判断基準がクリアになっていった。

今、「夢」の実現のために必要な目標設定は「本大会で最高のパフォーマンスを発揮し、チームの勝利に貢献すること」をベースにすべきだ──。

であれば「重要なのは6月14日のワールドカップ初戦、オランダ戦だ」。「そこで最高のパフォーマンスを発揮する準備をしよう」。

気持ちが、スケジュールが、逆算の起点が固まっていった。

覚悟もした。

「この逆算によって代表に選ばれない──発表時のコンディションが選出に値しないと判断されて選外となる──ことがあっても受け入れる」

こうして日本代表にすべてをフォーカスした。

「日本代表でワールドカップ優勝」がすべての判断基準になった瞬間だった。それはつまり、「日本代表でワールドカップ優勝」という「夢」がはっきりと「目標」に変わった瞬間でもあった。

TEXT=遠藤航

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