23万部のロングセラー『夢と金』の著者であり、今、ビジネスパーソンが追うべき人物の筆頭である西野亮廣さんの人気連載。食料も資材も高騰しているなか、ありとあらゆるものの値段が上がっているが、例に漏れず、イベントのチケット代も高騰している。そのせいで、人気バンドでも「チケットが売れなくなっている」という危機を迎えているのが、日本のイベント市場。しかし、こんな時でも、子供たちに優しいチケット代でイベントを展開しているのが「CHIMNEY TOWN」だ。なぜ、CHIMNEY TOWNにはそれが実現できるのか? 今回も、音声メディア「voicy」で配信中の「#西野さんの朝礼」から編集してお届けする。(※今回の記事を音声で楽しみたい方はコチラ)
今日は【「全公演チケット半分余っています…」三浦大知さん、いきものがかりさんが異例の“懇願”】というテーマでお話ししたいと思います。
第198回
資材高騰時代の今、イベント屋に必要なことは、「サービスを売ること」と「同じネタをすること」。VIP戦略と、クラウドファンディングについても、もう一度考えて!
資材高騰時代の今、イベント屋に必要なことは、「サービスを売ること」と「同じネタをすること」。VIP戦略と、クラウドファンディングについても、もう一度考えて!

グッズが売れなかったら、ヤバい…
先日、Yahoo!ニュース(週刊女性PRIME)で『チケットが「売れない」三浦大知、いきものがかりが異例の“懇願”』という記事を読んで思うことがあったので、今日はその話をさせていただきます。
詳しい内容に関しては元記事をご覧いただきたいのですが、端的に言うと「人気アーティストであろうと、公演チケットが売れなくなってきた」という話で、記事には「アーティスト単体の問題というよりも、チケットの高額化、音楽シーンの変化が影響している」とありました。
たとえば最近は資材高騰で、前までなら3000万円で建てられた家が4000万かかるようになったりなんかして、家を建てる人が減ってきていると思うのですが、当然、一本打つのにウン百万、ウン千万、下手すりゃウン億となってくるライブシーンでも資材高騰問題はあって、「チケットの高額化」は避けられなくなってきています。
「そもそも原価が上がってます」という話なので、チケット代をあげても運営側が潤うわけではなくて、だけど、チケット代をあげたことで客足が遠退いてしまっている。
こうなってくると、当然、ライブを下支えしている「グッズ」を購入する人が減るわけですから、運営は追い込まれちゃうんです。
「グッズが売れなかったら、ヤバい…」というのは、演劇の業界もまったく同じ構造です。
実際、今、演劇を観に行くと、結構大きめのカンパニーですら、「美術セットを作るお金がないので、美術セットはスクリーンに出した映像で」というのが増えてきました。
「映像の前で役者さんがお芝居をする」という。
僕は映像も作っている人間なので、余計に「それだったら、もう映画でいいじゃん」と思っちゃったりするのですが、ただ、窮状は理解できます。
サービスを売る
さて。
「この問題に対して、どう手を打っていくか?」という話なのですが、ちなみにCHIMNEY TOWNは、こんな時代でも「子供無料」みたいなトチ狂った料金設定でお届けしていたります。
なぜ、それが可能なのか?
これまで話してきたところでいうと、「『VIP戦略』が功を奏している」というのが一点。
もう一点は、僕らは早くからクラウドファンディングというものに慣れ親しんできたので、「支援文化が熟成されている」というのが大きい。
一つ目は、そもそもVIPの繋がりを作らなきゃいけないし、二つ目は「文化づくり」の話なので、いずれにせよ一朝一夕では形にはできません。
じゃあ、今からできて、思いの外、早くから結果が望めるところでいうと「サービスを売る」というのがあるかなぁと思います。
「ライブをして、その手口でグッズを売る」ということは皆さんやられているのですが、出口で「サービスを売る」ということをやられているプレイヤーは結構少ないです。
たとえばCHIMNEY TOWNでいうと、最近は、クレジットカード(チムニーカード)をスタートさせましたが、あれは、「チムニーカードを使ってお買い物をしていただければ、その利用額の一部がCHIMNEY TOWNに入ります」というモデルなので、年間通じて売上が見込めます。
このあとCHIMNEY TOWNはモバイルサービスとか電気サービスも計画しているのですが、それらの積み上げで、イベントの運営費をまかなって、そしてイベントのチケット代を下げています。
コーヒーや、化粧水や、シャンプーなどもそう。
この「サービスを売る」というところにもっと目を向けないと、今後、イベント業界はさらに苦戦を強いられることになると思います。
同じネタをする
あとは、もう、これは千回でも二千回でも言い続けていきますが、やっぱり「同じネタをする」というのがすっごく大事。
僕らでいうと『ボトルジョージ』や『オセロ』といった新ネタも打つのですが、その裏で、『えんとつ町のプペル』はずっとやっているんです。
ときどき「いつまでプペルこすっとんねん」と言われることもあるのですが、そんなこと言ってるのは日本の爺さん婆さんだけです。
『ウィキッド』は22年、『ライオンキング』はまもなく30年、『CATS』や『スターライト・エクスプレス』に関しては、もう40年以上やっています。
同じネタを続けることに、具体的にどんなプラスがあるかと言うと、グッズ開発のコストを極限まで下げることができるんです。
その作品の中で新しいグッズを作るにしても、もうトンマナが整ってるから(デザイナーさんとの共通認識ができているから)、デザイン会議の時間が極端に短くできる。
ということは、その分、人件費がかからない。
あと、公演を続ければ続けるほど「どのグッズが売れて、どのグッズが売れないか」のデータがとれるから、グッズが「強く」なっていくんです。
なので、大切なのは「どう設計すれば、同じネタを打ち続けられるか?」を考えて考えて考え抜くこと。
今日お話しした「サービスを売る」と「同じネタをする」というのは、資材高騰に苦しめられている時代のイベント屋さんのキーワードになってくると思うので、頭の片隅にでも置いておいてください。
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ミュージカルのお知らせ

■お知らせ! 2025年8月9日〜30日、ファミリーミュージカル「えんとつ町のプペル」が大劇場・オーケストラ版での上映決定!
開催日:2025年8月9日(土)〜 30日(土)
会場:KAAT 神奈川芸術劇場(神奈川県横浜市中区山下町281)
■お知らせ! ミュージカル「えんとつ町のプペル」密着ドキュメンタリー【BackStory】を毎週金曜日に配信!

総再生回数1000万回突破!(YouTubeショート・TikTok含む)
毎週金曜日20時にミュージカル『えんとつ町のプペル』制作の裏側ドキュメンタリーを配信しています!
【これまでのBackStory】
最新回は天国の母へ贈るステージ【ルビッチ役・小野りり子】
■ミュージカル「えんとつ町のプペル 」VIP席 発売中!
■お知らせ! キンコン西野のCHIMNEY TOWN、ブロードウェイで上演される『オセロ』に共同プロデューサーとして参加!

デンゼル・ワシントンやジェイク・ギレンホールといったレジエンド達が出演するブロードウェイ舞台『OTHELLO(オセロ)』。世界中から多くの観客が集まるブロードウェイの大舞台で、シェイクスピアの世界を新しい息吹とともに表現する本作は、その完成度の高さや挑戦的なアプローチで、世界中の演劇ファンからも高い関心を集めています!
上演:2025年2月24日~2025年6月8日(予定)
劇場:Barrymore Theatre(ブロードウェイ/ニューヨーク)
出演:デンゼル・ワシントン、ジェイク・ギレンホール ほか
公式サイト:https://othellobway.com/
■快進撃! ブロードウェイ週間興行収入で史上最高額更新、2週連続1位達成!
詳細はこちら
■舞台『オセロ』オープン初日に、バイデン元大統領やジェニファー・ロペスらが来場!
詳細はこちら
■お知らせ! 米国で最も歴史ある演劇賞である ドラマリーグ・アワード にノミネート
映画のお知らせ
■NEWS! コマ撮り短編映画『ボトルジョージ』が、海外の映画祭で続々受賞!
【 フォトフィルム国際短編映画祭(トルコ)】
・ 最優秀作品賞(Best of Best Festival Film)
・ ストップモーション部門最優秀賞(Best Stop Motion)
【オーフス映画祭(デンマーク)】
・最優秀短編アニメーション賞(Best Animated Short)
【デザートスケープ国際映画祭(アメリカ・ユタ州)】
・最優秀アニメーション短編映画賞(Best Animated Short)
【ハリウッド短編映画祭(HOLLYWOOD SHORTSFEST 2025)】
・最優秀アニメーション短編映画賞(Best Animated Short)
【札幌国際短編映画祭(日本)】
・最優秀作曲賞(Best Original Score)
・アニメーション特別表彰(Special Award for Animation)
【ニューポートビーチ映画祭(アメリカ)】
・ アニメーション短編部門審査員賞(Jury Award for Best Animated Short)
【グローバルステージ・ハリウッド映画祭(アメリカ)】
・最優秀短編映画賞(Best Short 2024)
■NEWS! 第97回アカデミー賞(米)の短編アニメーション部門のショートリストに選出されました!
監督:堤大介(トンコハウス) 脚本:堤大介氏と西野亮廣の共同制作 プロデューサー:松本紀子(ドワーフ)
西野さんの『ボトルジョージ』に対する想いとは? こちらをチェック!

■コマ撮り短編映画『ボトルジョージ』の専用劇場、『ボトルジョージ・シアター』がグランドオープン!

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■12点のイラストすべて西野さんの描き下ろし! 部屋に飾りたい! 「AKIHIRO NISHINO SKETCH BOOK CALENDAR 2025」 カレンダー発売中!
■CHIMNEY TOWNが運営するクラウドファンディング【PICTURE BOOK】

「挑戦する人」と「応援したい人」が集まる オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』を運営しているCHIMNEY TOWNが作った、クラウドファンディングのプラットフォームです!
イベントのお知らせ
『西野亮廣講演会』全国各地で続々開催決定!
『西野亮廣講演会』のお知らせです。
下記の都道府県で開催が決まっています。
- 6月17日(火)に東京
- 7月1日(火)に山口
- 7月7日(月)に静岡
- 7月10日(木)に愛知
- 7月15日(火)に宮崎
- 7月17日(木)に茨城
- 7月22日(火)に群馬
- 7月30日(水)に愛知
- 8月12日(火)に神奈川
私、西野亮廣がマイク一本で1時間半ほど喋る変なイベントです。チケットをお求めの方は、『西野亮廣全国講演会』で検索してみてください。サロンメンバーさんが作ってくださったイイ感じのホームページに飛びますので、そちらから。会場によっては、まだ、チケットを発売してなかったりしますが、そのへんはご容赦ください。