23万部のロングセラー『夢と金』の著者であり、今、ビジネスパーソンが追うべき人物の筆頭である西野亮廣さん。リアルなイベントも数々こなし、成功させてきている西野さんは、さまざまなクリエイターとの付き合いがあるが、「クリエイティブの才能がある人=優秀なクリエイター」とは言い切れない!という。その真意とは? 音声メディア「voicy」で配信中の「#西野さんの朝礼」から編集してお届けする。(※今回の記事を音声で楽しみたい方はコチラ)
今日は【「優秀なクリエイター」の定義】というテーマでお話ししたいと思います。
第192回
「優秀なクリエイター」は、クリエイティブの才能と、経営感覚の両方を持ってなきゃいけない
「優秀なクリエイター」は、クリエイティブの才能と、経営感覚の両方を持ってなきゃいけない

主催者の財布のことを本気で考えたか?
今、後輩が『夢幻鉄道』というイベントを作っていて、その仕事の進め方から学ぶことがたくさんあったので、共有させていただきたいと思います。
『夢幻鉄道』というのは、どんなイベントかというと、僕の地元・兵庫県川西市の足である能勢電鉄を丸々貸し切って「スナック」にしてしまおうというもの。
「川西能勢口」という駅から、終点の「妙見口」まで30分ほど、電車に揺られながらお酒を飲んで、妙見口で1時間半ほど飯を食って、また30分ほどかけて帰ってくる「スナック列車ツアー」です。
これは、僕が先々、出そうと思っている『夢幻鉄道』という絵本の世界観がベースになっていて、CHIMNEY TOWNのインターン生である「ニワ」という男が演出で入っています。
音楽にこだわったり、照明をこだわったり、スモークを焚いたり‥そういう作業って、すごく楽しいと思うんです。
自分が作った世界に皆が来てくれるわけだから。
一方で気になったのが「今度、照明テストを兼ねて、現地の視察に行って来ます」という話を2〜3回耳にしたんです。
そこでまず僕が引っかかったのは、「一つのイベントの為に、東京から川西まで3回も視察に行っちゃうの? 交通費、宿泊費、大丈夫?」ということ。
聞けば、「仕事で関西に行く時に、ついでに行ってますんで。交通費は浮かしています」ということだったので、ちょっとは安心したのですが、それにしても「3回も行くのか」とは思いました。
というのも、『夢幻鉄道』というのは万人規模のイベントではなくて、40〜50人限定のイベントなので、潤沢に予算があるわけじゃない。
次に、このイベントを主催する「モリゴン」という男にも話を聞いてみたんです。
この「モリゴン」という男も、元々CHIMNEY TOWNのインターン生で、踏み込んだ話ができる間柄なので、「わずか40〜50人のイベントなのに、準備にずいぶんな工数をかけているけれど、ちゃんと利益が出ているのか?」と聞いてみたら、「いやぁ、そんなに‥」という反応でした。
「せっかくだから、すごいものをお客さんに見せたい」ということで、準備に時間とお金をかけちゃっているんですね。
まぁ、よくある話です。
「『お任せします』と言われたから、好きにやったんです」は三流の仕事
ここで、「優秀なクリエイター」について、定義・整理してみたいと思います。
世間一般的には、「クリエイティブの才能がある人=優秀なクリエイター」と考えられていますが、それだと少し解像度が粗いんですね。
まず、作品って「お金をかけたからといって、必ず良いものができる」とは限らない。
これは絶対にそう。
だけど、「お金をかける」ことで、良いものができる可能性はグンと上がる。
高い人や、高い機材を使えるので。
要するに、お金ってクオリティの“上限値”を押し上げてくれるんです。
ということは結果的に、お金を引っ張ってこれるクリエイターも「優秀なクリエイター」にカウントされることがある。
もっというと「人を引っ張ってこれるクリエイター」も「優秀なクリエイター」にカウントされることがある。
作品に必要なお金を集めて、仲間を集めて、体制を整えることができる人。
そういう人は、もうそれだけで“いい作品が生まれる環境”を作ってるんですよね。
一方で、「クライアントが用意してくれたお金で『俺は、すごいもの作りました!』と胸を張るクリエイター」もいる。
もちろん、それは立派な仕事なのですが、この時、クライアントの財布事情を全く考えないクリエイターがいる。
僕は、こういう人を「優秀なクリエイター」とは呼びません。
理由はシンプルで、「クライアントの財布を悪戯に痛めてしまうと次が無いから」です。
クライアントのお金で「自分のポートフォリオを充実させる」タイプのクリエイターもいますが、これも結局は信用を削る行為です。
クライアントは、自分の課題を解決することを目的としてお金を払ってるわけで、その予算を使って、クリエイター本位の作品づくりをして、「どう? オシャレでしょ?」「これで賞取れそうでしょ?」って言われても、クライアントの本音は「いや、頼んだのはオマエの作品展じゃないんだけど」ってことなんです。
これが「草間彌生」とかになってくると話は別ですよ?
そこまでネームバリューがあるとクライアントのお金で「オマエの作品展」をやってくれた方が、お客さんが集まって、結果的にクライアントも潤うので。
今回、インターン生のニワに「大丈夫?」と言ったのは、「キミはまだ好きに作らせてもらえる段階にないぞ」ということと、「主催者の財布のことを本気で考えたか?」ということ。
そして主催者のモリゴンに「大丈夫?」と言ったのは、「お前の会社はニワを気持ちよくさせることが最優先事項じゃないぞ」ということ。
で、これ、メチャクチャあるあるなんですけど、素人に毛が生えたような主催者(経営者)は「お客さんに喜んでもらいたい」というのと、「クリエイティブのことがよく分からない」というのとで、クリエイターに対して「お任せします」とやっちゃうんですよね。
でも、一流のクリエイターになりたいのならば、その主催者の背景も読み取らなきゃいけない。
「『お任せします』と言われたから、好きにやったんです」は三流の仕事です。
なぜなら、繰り返しますが、クライアントが疲弊すると次が無いからです。
なので、そういう時はクリエイターの方から「本音を言うと、ここはこだわりたいですが、これをやっちゃうと、御社が疲弊してしまうので、ここはやめておきましょう」と提案しなきゃいけないんです。
そういう判断ができるから、「あ、このクリエイターに10億円のプロジェクトを任せよう」となるんです。
「優秀なクリエイター」は、クリエイティブの才能と、経営感覚の両方を持ってなきゃいけないよ、という話でした。
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