2025年2月14日に開幕したJリーグだが、浦和レッズはスタートダッシュに失敗。リーグ制覇に向けて苦しい立ち上がりとなった。10年過ごしたドイツから古巣の浦和にカムバックした元日本代表の原口元気は、「僕にとって今年が本当に勝負。駄目だったらレッズにいる価値がないと思っている」と覚悟を口にする。

国内屈指のビッグクラブであるがゆえの物足りなさ
浦和レッズを再び日本一のクラブにする。
2024年9月にMF原口元気が10年ぶりに古巣復帰を決断した理由は明確だ。
「Jリーグが発足して1度しか(リーグ戦で)優勝していないのが現実。そこを選手は考えないといけない。今後、浦和レッズが日本一のクラブになるためにリーグ制覇は避けては通れない。今年2回目の優勝をして、これから浦和が真の日本一のクラブになるための1年にしたい」
浦和レッズはナビスコ杯(現ルヴァン杯)で2回(2003、2016年)、天皇杯で4回(2005、2006、2018、2021年)、アジアチャンピオンズリーグで3回(2007、2017、2022年)の優勝を誇るが、Jリーグ制覇は1回(2006年)だけで、18年も頂点から遠ざかっている。
最多8回の優勝を誇る鹿島アントラーズには遠く及ばず、5回の横浜マリノス、4回の川崎フロンターレ、3回のサンフレッチェ広島、2回のヴィッセル神戸などにも遅れをとる。
浦和レッズは日本一熱狂的と言われるサポーターに支えられ、2024年シーズンも観客動員数はリーグ1位。国内有数のビッグクラブであることに疑いの余地はないが、原口がジュニアユース時代から所属する愛着あるクラブの現在地に物足りなさを感じているのも無理はない。
もう一度Jリーグの頂点へ
リーグ制覇を果たした全盛期はGK都築龍太、DF田中マルクス闘莉王、三都主アレサンドロ、MF小野伸二、鈴木啓太、長谷部誠、FW永井雄一郎ら日本代表クラスをずらりとそろえ、外国人もMFポンテ、FWワシントンと破壊力抜群だった。
潤沢な資金で巨大戦力を誇った当時とは違い、近年は原口が以前に在籍していた2008~2014年とはJリーグの勢力図も変わった。2023、2024年を連覇したヴィッセル神戸を筆頭に、2024年にJ1昇格1年目で優勝争いを演じたFC町田ゼルビアなども台頭している。
原口は「もう浦和は戦力的に1番充実しているクラブではない。神戸や町田が(選手獲得競争の)マネーゲームで勝つことも多い」と現状を受け入れ、「クラブがどうやったら強くなるか、というのは常に考えている。いい選手を補強するのも勝負のうえで大事なことだと理解しているが、今いる選手たちがどれだけ成長できるか」とポイントを挙げる。
19年ぶりのリーグ制覇を目指す2025シーズンは、下部組織出身のMF関根貴大が主将に就任。原口はGK西川周作、DFマリウス・ホイブラーテン、MFマテウス・サヴィオ、MF渡邊凌磨とともにキャプテンを補佐する5人の“キャプテングループ”の一員に任命された。
2024年夏の移籍市場が開いた直後は欧州でのプレー続行にこだわっていた。10年過ごしたドイツでのクラブ探しが難航すると、同じドイツ語圏のスイスやオーストリアでのプレーも模索。そんな折、浦和レッズから熱烈オファーを受け「何が最もワクワクするチャレンジか」を考えて、古巣復帰を決断した。
シーズン途中で加入した2024年は10試合の出場で、1得点に低迷。背水の覚悟で2月14日に開幕した2025年シーズンを戦っている。
「僕にとって今年が本当に勝負。駄目だったらレッズにいる価値がないと思っている。成功するも成功しないも、今年が重要。最後の1年というくらいの気持ちで取り組んでいる」
MFマテウス・サヴィオ、松本泰志らとの激しい定位置争いもあり、開幕から途中出場が続くが、限られた時間で見せる戦う姿はチームを引っ張る覚悟に満ちている。