どの撮影現場でも、スタッフや共演者にフランクに話しかけるという坂口健太郎が考えるコミュニケーションの極意とは。インタビュー3本目。 #1本目 #2本目
イメージとは違う!? 坂口健太郎のコミュニケーション能力
「僕ね、コミュニケーション能力が異常に高いんです」
俳優・坂口健太郎はそう言ってケラケラと笑った。数々の作品で演じてきた寡黙で儚げなイメージとは違い、あっけらかんとした明るい笑いだった。
「そう、自分で言っちゃうのもおかしいですよね(笑)。人の話を聞くのも好きだし、自分も話すのが好き。そうやって交流していけば、仕事は絶対にスムーズに行くでしょう?」
辻仁成とコン・ジヨンによる同名の小説が原作の、韓国制作の配信ドラマ『愛のあとにくるもの』の撮影現場では、坂口がその日現場で使うために覚えた韓国語を披露するのが撮影終了時の日課になったのだという。
言語が違っても坂口を中心に撮影現場は盛り上がった。
「海外の撮影はやっぱり緊張します。でも言葉がわからなくてもだんだんコミュニケーションが取れるようになっていく、その過程が楽しかったですね」
“普通”でいたい
常に撮影現場にいる人を楽しませたい、そう考えているという坂口。そのためにもあくまで「普通でいたい」と話す。
「役としての力はカメラが回ってから発揮すればいい。それまではなるべく楽しくいたいじゃないですか。だから撮影開始のギリギリまで喋っていますし、そうやって話しやすい存在でいたほうが周りも安心できると思います。
先日もある大先輩の役者さんに『どうして坂口はそんなに普通なんだ』って言われました(笑)。
嬉しかったですね。僕にとっては褒め言葉です。だって普段どおりの自然体の自分でいないと相手の話もきちんと入ってこないですよね?
以前は違いました。こういう雑誌やWEBの取材での話し方も今と昔で全然違うと思います。昔は、この作品を見てもらうためにちゃんと宣伝しなくちゃ、なにかうまいこと言わなきゃって緊張していた。
でも自然体の自分で話して伝えたほうが伝わるんじゃないかと考えるようになりました」
ストレスを受け流して成長する
俳優デビューから10年、今や韓国でファンミーティングを開催するなど、アジアでも絶大な人気を誇る。これからのビジョンを聞いてみた。
「この仕事を始めた時から、『俺は一生俳優で食っていくぞ』みたいな気合いがないんですよ(笑)。その時その時で、面白いと思えたからやってこられた。
その感覚は大事にしていきたいですね。だってそうやって気がついたら10年経ち、ますますお芝居に興味が出てきている。そういう仕事につけたのはありがたいこと。
常に貪欲だし、毎回がむしゃらで無我夢中だけど、でもうまくいかない時はいかないもの。どんな仕事だってそうですよね。
だからそういう時に『こんなこともあるか』『タイミングじゃなかったんだな』と思って、ストレスを受け流して代謝させていきたい。そうやって積み重ねて成長していけたらいいって思っています」
◼️『愛のあとにくるもの』
男性の視点を辻仁成氏が、女性の視点を韓国の作家コン・ジヨン氏が執筆した小説のドラマ化。主人公は、韓国から日本へ留学に来たチェ・ホン、そして小説家を目指す大学生の潤吾。日本で運命的な恋に落ち、ホンは“潤吾との愛だけは永遠に続く”と信じていたが、別れは突然訪れ、ホンは韓国へ帰ることに…。5年後の韓国、ホンは日本での思い出を全て心に閉じ込めて新たな人生を歩んでいたが、潤吾が韓国に訪れたことで、2人は運命的な再会を果たす——。5年前のあたたかな春の日本、現在の切ない冬の韓国を舞台に終わったはずの愛の行方を描く純愛ラブストーリー。『王になった男』のイ・セヨンと坂口健太郎のW主演。
出演:坂口健太郎、イ・セヨンほか
監督:ムン・ヒョンソン
原作:辻仁成/コン・ジヨン『愛のあとにくるもの』(幻冬舎)
2024年10月11日よりPrime Videoにて見放題独占配信
◼️『さよならのつづき』
事故で最愛の恋人を失ったひとりの女性と、その恋人に命を救われたひとりの男性。運命に翻弄されるふたりの美しくも切ない、“さよなら”から始まるラブストーリー。Netflixの完全オリジナルストーリーである本作の脚本を手掛けるのは、ヒューマンドラマの名手で、映画『8年越しの花嫁 奇跡の実話』、『余命10年』の岡田惠和。監督は、連続テレビ小説『ひよっこ』でも岡田とタッグを組んだ黒崎博が務める。
出演:有村架純、坂口健太郎ほか
脚本:岡田惠和
監督:黒崎博
2024年11月14日よりNetflixにて独占配信
<衣装クレジット>コート¥715,000、シャツ¥149,600、パンツ¥280,500、靴¥176,000、タイ¥37,400 (すべてプラダ/プラダクライアントサービス TEL:0120-45-1913)