22万部を突破した『夢と金』の著者であり、今、ビジネスパーソンが追うべき人物の筆頭である西野亮廣さん。今、ブロードウェイでのミュージカルのために渡米している西野さんだが、海外での挑戦には想像を絶する理不尽が負いかぶさってくる。そこでも挑戦する西野さんの、この言葉は、圧倒的な真実を包括している。今回も、音声メディア「voicy」で配信中の「#西野さんの朝礼」から編集してお届けする。(※今回の記事を音声で楽しみたい方はコチラ)会議のときなどで、自分の正当性を主張する傾向のある人には、耳の痛い話だ!■連載『革命のファンファーレ』から『夢と金』とは
【連載 『革命のファンファーレ』から『夢と金』】
今日は【「論破」するな。弱くなるぞ】というテーマでお話ししたいと思います。
第129回 挑戦とは、「理不尽とどう付き合うか」だ。「私は悪くない!」と自分の正当性を主張する“論破癖”がついてしまっている人は、生産活動からもっとも離れていると自覚せよ。
今、何か挑戦している人は、全員僕のサロンに入ってください
皆様は御存知だと思いますが、僕は「オンラインサロン」なるものをやっておりまして、日々の学びを2000〜3000字にまとめて、毎日更新しているんです。
一時期は、バッシングされまくったオンラインサロンですけども、今となっては、皆あたり前のようにやっていて、素敵なオンラインサロンや、学びになるオンラインサロンはたくさんあると思うのですが、これだけは胸を張って言えるのですが、今、僕のオンラインサロンが一番面白いと思います。
学びになるオンラインサロンは他にもあるかもしれませんが、今の僕のオンラインサロン以上に、桁違いの挑戦の裏側を晒しているオンラインサロンはありません。
今はブロードウェイ戦の裏側を事細かく晒しているのですが、ブロードウェイ戦は日々、状況が変わるので(天国から地獄へ一瞬で落ちるので)、Netflixで『ウォーキング・デッド』を観ているぐらいの食べ応えがあります。
経営者・個人事業主に限らず、今、何か挑戦している人は全員僕のサロンに入ってください。
そして、生死の境でドンパチやっている人間に刮目してください。
「自分もまぁまぁ地獄を歩いていると思ったら、自分よりも深い地獄を裸足で歩いているヤツがいるじゃん」と、きっと、励みになると思います。
論破合戦から生まれたものが、大きな価値を生むことはほとんどない
そんな西野から今日は「論破するな。弱くなるぞ」というお話をしたいと思います。
「お話をしたいと思います」も何も、伝えたいことは、この一言で伝え終えたのですが…この言葉を深掘りしたいと思います。
まず、大前提として「論破」というのは生産活動から最も離れたアプローチであるということ。
ここから話をスタートさせたいと思います。
たとえば、会議で自分が出した意見が通らなかった時に、やらなきゃいけないのは、「反対意見を出す相手を言いくるめること」ではなくて、自分が出した意見が「反論が出てしまう程度の意見であったこと」を受け止めること。
料理を出して、お客さんが唸らなかったら、それで負けなんですね。
そのあと、料理人が出てきて「この料理の何が凄いか?」を説いたところで無駄で、もっと言うと、根本が腐っているアイデアにどれだけ化粧したところで無駄で、正解は「及びませんでした。出直します」の1択です。
下手な会議を見ていると、意見を通すことが目的となり、後半は(企画の説明ではなくて)論破合戦になっていることがあったりするのですが、そんな会議から生まれた何かしらが、大きな価値を生むことはほとんどない。
例外もあるので「ほとんど」と言わせてください。
なので、僕は「論破」を面白がる人間とは距離をとるようにしているのですが、今日は、ここからもう少し進んだ話をしたいと思います。
求められるのは、「理不尽と戦う技術」ではなく「理不尽の中で戦う技術」
冒頭でブロードウェイの話をした理由をここで回収させていただくのですが、日本でもありますが、とくに海外で活動をしていると、ひっくり返るレベルの理不尽が頻繁にやってくるんです。
海外で暮らしている方ならもう何百回も経験されていると思います。
そういう理不尽を無くす為にクソ面倒臭い契約書を片っ端から読んで、サインをしたハズなのに、そんなのを軽々と飛び越えてくる理不尽がある。
ちなみに、僕の知り合いは車に轢かれて訴えられていました(笑)。
特に、「勝てば官軍、勝てば王様」で、日本のような奥ゆかしさなんて無くて、勝っているヤツ(プラットフォーマー)がメチャクチャな要求を突きつけてくることも日常茶飯事。
「いや、それは『やらない』って言う約束だったじゃないですか?」とどれだけ言っても無駄で、「文句があるなら出ていってください」といった感じでオラオラ・オブ・オラオラです。
こういう世界で弱いのは、「論破癖がついてしまっている人」なんです。
「私は悪くない!」と自分の正当性を主張する人です。
こんなことを言ったら元も子もないのですが、オラオラ仕掛けてくる人達も、「私は悪くない」と主張している人が悪いだなんて1ミリも思ってないんです。
たぶん、本当に“私”は悪くないんだと思います。
だけど、そういう話じゃないんです。
そこは善悪で動いている世界じゃなくて、理不尽がまかり通っている世界なので、そこには二種類の人間しかいないんです。
「理不尽と戦う人」か、「理不尽の中で戦う人」です。
後者は「理不尽を受け入れて、戦う人」ともいえますね。
そして、後者しか生き残れない。
これが現実です。
理不尽と戦えるのは、理不尽を仕掛けてくる相手が弱いコミュニティーだけです。
小さな会社の会議や、学校など。
ある一定のレベルを超えると、理不尽の中で戦うしかない。
繰り返しますが、その時に最も邪魔なのが論破癖です。
「私は合ってる!」「カクカクシカジカ、こういう理由で私は悪くない!」という。
競技がまったく違うんです。
「マラソンをやっているのに、ボディービルダーの筋肉つけてきちゃってる」みたいな話です。
「筋肉の大きさなら負けない!」と主張されても、「いやいや、これは筋肉のサイズを競う競技じゃないんだよ」という。
「正当性を主張する競技じゃないんだよ」という。
これは、ブロードウェイという超村社会だから余計に強く感じている部分もあると思いますが、でも、基本は、ある一定のレベルを越えたら求められるのは、「理不尽の中で戦う技術」です。
「理不尽と戦う技術」ではありません。
「論破に興じるのなら勝手にどうぞ」といったところですが、「その筋肉をつけたら、遠くまで走れないぞ」とだけ忠告しておきます。
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お知らせ!『西野亮廣講演会』全国各地で続々開催決定!
『西野亮廣講演会』のお知らせです。
下記の都道府県で開催が決まっています。
2月13日(火)に青森、
2月20日(火)に東京、
2月29日(木)に愛知、
3月06日(水)に愛媛、
3月19日(火)に大分、
3月25日(月)に大阪、
4月17日(水)に兵庫、
4月23日(火)に東京でそれぞれ『西野亮廣講演会』がございます。
私、西野亮廣がマイク一本で1時間半ほど喋る変なイベントです。
チケットをお求めの方は、『西野亮廣全国講演会』で検索してみてください。
サロンメンバーさんが作ってくださったイイ感じのホームページに飛びますので、そちらから。
会場によっては、まだ、チケットを発売してなかったりしますが、そのへんはご容赦ください。
講演会開催情報
よろしくお願いします。
西野亮廣/Akihiro Nishino
1980年生まれ。芸人・絵本作家。モノクロのペン1本で描いた絵本に『Dr.インクの星空キネマ』『ジップ&キャンディ ロボットたちのクリスマス』『オルゴールワールド』。完全分業制によるオールカラーの絵本に『えんとつ町のプペル』『ほんやのポンチョ』『チックタック~約束の時計台~』。小説に『グッド・コマーシャル』。ビジネス書に『魔法のコンパス』『革命のファンファーレ』『新世界』。共著として『バカとつき合うな』。製作総指揮を務めた「映画 えんとつ町のプペル」は、映画デビュー作にして動員196万人、興行収入27億円突破、第44回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞受賞という異例の快挙を果たす。そのほか「アヌシー国際アニメーション映画祭2021」の長編映画コンペティション部門にノミネート、ロッテルダム国際映画祭クロージング作品として上映、第24回上海国際映画祭インターナショナル・パノラマ部門へ正式招待されるなど、海外でも注目を集めている。また「えんとつ町のプペル」は、ミュージカルや歌舞伎にもなっている。
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■連載 『革命のファンファーレ』から『夢と金』とは
猛烈な勢いで仮説・検証・実行・改善を繰り返し、多彩なプロジェクトを成功させてきた西野亮廣さん。ベストセラー『夢と金』の著者でもあり、現代の日本において、ビジネスパーソンがベンチマークすべき人物の筆頭といえる西野さんの“今”をお届けする連載。