MAGAZINE &
SALON MEMBERMAGAZINE &
SALON MEMBER
仕事が楽しければ
人生も愉しい

PERSON

2023.05.19

【西野亮廣】赤字が続く徳島「阿波踊り」に“VIP席”登場で炎上!? これぞ、日本人の「お金の知識不足」が招いた歪み。

毎度お騒がせしております。キングコング西野です。今回の記事は、毎朝voicyという音声メディアで配信している「#西野さんの朝礼」でお話ししたことから、編集して紹介させていただきます。(※今回の記事を音声で楽しみたい方はコチラ

今日は『阿波踊りの1万5000円のVIP席が物議。大丈夫?』というテーマでお話ししたいと思います。

【連載  『革命のファンファーレ』から『夢と金』】

第94回 VIP席を作ることで、お金がまわり、救われる人がたくさんいることが、なぜわからない? 徳島の阿波踊りの価値を、なぜわからない?

西野亮廣

VIP席「1万5000円」は安すぎるにも程がある

最新刊『夢と金』の深堀りをしようと思ったのですが…「何してんだよっ!」と思う出来事があったので、そちらの話題を取り上げたいと思います。
『夢と金』にも大きく関係のある話題です。

すでにニュースになっているのでキャッチアップされている方もたくさんいると思いますが…その記事は、「徳島の阿波踊りが、コロナ禍も相まって経営的にあまりよろしい状況じゃない」というところから始まってるんです。

で、今回の記事にはその部分が書かれていませんでしたが、阿波踊りって、コロナとか関係無しに、コロナ前から万年赤字体質だったんです。
主催者が銀行の借り入れによって埋め合わせてきたとか何とかで、たしか、2017年頃には累積赤字が4億円を超えていたと思います。
コロナ前は70万人ぐらいを動員する一大イベントだったのに、だけど、ずっと赤字で、去年、経費削減しまくって、ようやく300万円の黒字とかそんな感じです。

阿波踊りの運営の歪さに関しては話すとメチャクチャ長くなるので、今回は割愛させていただきますが、とにかく「お金が上手く回ってない」んです。

つまり、阿波踊りをする度に、誰かが泣いてるんです。
それがず〜っと続いていた。

これは「どげんかせんといかん!(by東国原)」ということで、今年から思い切って、有料観覧席に限定100席のVIP席を作ることにしたそうです。
ちなみに、過去の有料観覧席の一番高い席は6000円です。

そんな中、「今年は限定100席のVIP席を出す!」という大ナタを振るったそうで、その「限定100席のVIP席」の値段が、1万5000円!

イチマンゴセンエンです。
1万5000円は決して安くないですよ?
ですが、「阿波踊り」は世界中から70万人を動員するイベントで、そのVIP席です。
しかも限定100席。
これが「1万5000円」というのは、安すぎるにも程がある。

まず、このことにビックリしたんですけども、話はここからです。
この「1万5000円」に地元民から「高すぎる!」という物言いがついたんです。

その記事では、「高額チケットを地元の人が買うわけがない。県外の観光客に見せるだけの興行路線を突き進んでいる」という批判の声が取り上げてありました。

待て待て待て待て。
「阿波踊り」には県外の観光客がいるじゃん。
ずっと前から、県外どころか、国外の観光客がいるじゃん!
で、何も「全席1万5000円にする!」と言っているわけじゃないんです。
「たくさんある席のうちの100席を1万5000円にする」と言っているんです。

こういう声もありました。
65歳の女性の声です。
「今や阿波踊りは東京や大阪など全国各地で開催されている。高額なチケットを買ってまで徳島に見に来たいと思う観光客がいるのだろうか?」

お婆ちゃん、一言言わせてください。
「いる!」
で、もし、いなかったら、その席をバラしたらええ。
海外から来る人からすると、ちゃんと設計されたVIP席なら、10万円でも買います。
こないだニューヨークで「Six」というミュージカルを観ましたが一番イイ席は10万円でした。

無知な人間の正義感によって、弱い人が苦しめられる「日本」

どこまでいっても、閲覧数稼ぎの記事だから、ちょっと燃えるようなコメントを選んでいるんだと思います。
多くの方は「ニーズがあるんだったら、1万5000円の席があってもイイんじゃないの?」という考えだと思います。
というか、そう信じたい。
だけど、少なくとも「1万5000円、高い!」という反対の声はある。

これ、まさに『夢と金』で書いたことです。

VIP席でまとまった売り上げを作れたら、他を安くできるわけじゃない?
それより何より、万年赤字体質で、万年誰かを泣かし続けてきた流れに終止符を打てるわけじゃない?

「全員VIP席を買え」なんて誰も言ってないですよ。
買いたい人に買っていただいて、そのお金が、いろんなところにまわって、いろんな人を助けるんだから、それが一番イイじゃない?

だけど、“VIP席を買わない人達”は「高い!」「反対!」と声を上げて、それによってイベントを苦しめて、それによって、関係者を苦しめている。
そのくせ「阿波踊りは残せ〜」とか言っている。

この記事は子供達にも届くかな?
これが「日本」なんです。
で、キミたちは、こういう大人に育てられるんだよ。

無知な人間の正義感によって、弱い人が苦しめられる…こんな世界、ちっとも優しくないからな。

『夢と金』に書きました。
VIP席(VIP商品)を出そうと思ったら、その前に、お客さんのリテラシーを上げなきゃいけないんです。
「お金の流れ」を説明しなきゃいけないです。
経営者は全員分かってますが、学校でお金のことを1秒も学ばないまま大人になってしまった人のほとんどは分からないんだよ。

自分が買わない商品。
VIPに向けられて出された商品に対して「高い!」と言っちゃうの。
その結果、「本当はVIP席は5万円にしたいけど、批判されるから、1万5000円にしよう」という判断になってしまう。
その結果、誰も救われない。

この国は、こんなバカなことをいつまでやるつもりだよ。

今度、徳島に行った時に、ニュースにコメントをした65歳のお婆ちゃんを探し出して、「ちょっと勉強しな。あんたの為じゃない。子供達、孫達の為にだ」と言って『夢と金』を渡してきます。

どうか皆さんの大切な人、守りたい人、そして子供達に『夢と金』を贈って、一緒に勉強してください。
日本が好きです。

 

お知らせ! 西野亮廣のビジネス書最新刊『夢と金』が大好評で15万部突破! ビジネス書累計が100万部突破!

※Amazonランキング書籍総合1位にも! コチラから

西野亮廣「夢と金」

撮影:鞍留清隆

 

お知らせ! バンドザウルスについて

【バンドザウルスのインタビュー 第1回】
全てが謎に包まれた絶滅系アイドル『バンドザウルス』。ラストシングル『隕石、ダメ、ゼッタイ!』に込めた想いとは?
【バンドザウルスのインタビュー 第2回】
デビュー前に販売した5000円のライブタオルが即完! 未だ楽曲を発表しない絶滅系アイドル『バンドザウルス』の葛藤とは!?
【毎日更新! バンドザウルスのインスタグラム】
【バンドザウルスのNFTの購入サイト】
【バンドザウルスのアパレル『Plus Sustaina』のインスタグラム】

 

お知らせ! こどもたちに絵本を贈るプロジェクト「『CHIMNEY TOWN GIFT』のNFT」が話題に!

※これは「子供施設に絵本を支援したことを証明してくれるNFT」で、NFTの売り上げで絵本を購入して子供施設にプレゼントします。

 

お知らせ!『西野亮廣講演会』全国各地で続々開催決定!

『西野亮廣講演会』のお知らせです。
下記の都道府県で開催が決まっています。
5月20日(土)に兵庫、
5月21日(日)に愛知、
5月28日(日)に宮崎、
6月02日(金)に大分、
6月03日(土)に大阪、
6月18日(日)に京都、
6月24日(土)に東京、
6月25日(日)に愛知、
7月02日(日)に東京、
7月05日(水)に福井、
7月07日(金)に広島、
7月10日(月)に愛知、
8月02日(水)に静岡、
8月03日(木)に大阪、
8月07日(月)に福岡、
8月13日(日)に愛知、
8月16日(水)に北海道、
8月23日(水)に秋田でそれぞれ『西野亮廣講演会』がございます。
私、西野亮廣がマイク一本で1時間半ほど喋る変なイベントです。
チケットをお求めの方は、『西野亮廣全国講演会』で検索してみてください。
サロンメンバーさんが作ってくださったイイ感じのホームページに飛びますので、そちらから。
会場によっては、まだ、チケットを発売してなかったりしますが、そのへんはご容赦ください。
講演会開催情報

よろしくお願いします。

西野亮廣氏ポートレイト

西野亮廣/Akihiro Nishino
1980年生まれ。芸人・絵本作家。モノクロのペン1本で描いた絵本に『Dr.インクの星空キネマ』『ジップ&キャンディ ロボットたちのクリスマス』『オルゴールワールド』。完全分業制によるオールカラーの絵本に『えんとつ町のプペル』『ほんやのポンチョ』『チックタック~約束の時計台~』。小説に『グッド・コマーシャル』。ビジネス書に『魔法のコンパス』『革命のファンファーレ』『新世界』。共著として『バカとつき合うな』。製作総指揮を務めた「映画 えんとつ町のプペル」は、映画デビュー作にして動員196万人、興行収入27億円突破、第44回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞受賞という異例の快挙を果たす。そのほか「アヌシー国際アニメーション映画祭2021」の長編映画コンペティション部門にノミネート、ロッテルダム国際映画祭クロージング作品として上映、第24回上海国際映画祭インターナショナル・パノラマ部門へ正式招待されるなど、海外でも注目を集めている。また「えんとつ町のプペル」は、ミュージカルや歌舞伎にもなっている。

●国内最大となる、約4万人の会員数を誇る有料会員制コミュニティー(オンラインサロン)「西野亮廣エンタメ研究所」はこちら
●70万部の絵本『えんとつ町のプペル』のご購入はこちら
●最新絵本『みにくいマルコ~えんとつ町に咲いた花~』のご購入はこちら

過去連載記事

この連載をもっと読む

連載
『革命のファンファーレ』から『夢と金』

猛烈な勢いで仮説・検証・実行・改善を繰り返し、多彩なプロジェクトを成功させてきた西野亮廣さん。ベストセラー『夢と金』の著者でもあり、現代の日本において、ビジネスパーソンがベンチマークすべき人物の筆頭といえる西野さんの“今”をお届けする連載。

TEXT=西野亮廣

PICK UP

STORY 連載

MAGAZINE 最新号

2024年6月号

ボルテージが上がる! 魂のハワイ

2024年6月号表紙

最新号を見る

定期購読はこちら

MAGAZINE 最新号

2024年6月号

ボルテージが上がる! 魂のハワイ

仕事に遊びに一切妥協できない男たちが、人生を謳歌するためのライフスタイル誌『ゲーテ6月号』が4月25日に発売となる。今回のテーマは、安息と刺激が共存するハワイ。オアフ島に加え、ハワイ島、ラナイ島と3島にわたるアイランド・ホッピングを総力特集! 知る人ぞ知る、超プライベートリゾートから、新しくオープン&リニューアルしたホテル情報、最旬グルメ、死ぬまでに一度はみたい絶景、最新ゴルフ場事情など、今知りたいハワイを完全網羅する。 表紙は、ソロアーティストとして新たな道を突き進む、三宅健と北山宏光のふたりが登場。

最新号を購入する

電子版も発売中!

定期購読はこちら

SALON MEMBER ゲーテサロン

会員登録をすると、エクスクルーシブなイベントの数々や、スペシャルなプレゼント情報へアクセスが可能に。会員の皆様に、非日常な体験ができる機会をご提供します。

SALON MEMBERになる