TRAVEL

2024.10.17

連載 セレブ御用達・旅コンシェルジュが行く、バグり旅 1泊500万円! 価格高騰のなかでもパリのブルガリホテル“トップスイート”が選ばれる理由とは

セレブリティがこぞって旅のコーディネイトを依頼するのが、富裕層向けコンシェルジュサービス、アルカディアの才津香果(さいつかぐみ。以下かぐみ)さん。これまで自身の旅にかけてきた自腹総額は9億円超え。非日常を求め世界を回り続ける彼女が紹介する、脳がバグる驚きの旅とは。連載第7回目は、パリのトップスイート。今、世界中でその価格が高騰中! それでも、最高級の部屋を富裕層が選ぶ理由とは。

「ブルガリ ホテル パリ」のブルガリペントハウスのリビングルーム
「ブルガリ ホテル パリ」のブルガリペントハウスのリビングルームからエッフェル塔を望む。この客室はホテル最上階の2フロアにまたがり、テラスからはパリの名所を一望できる。都心にいながら、テラスには林檎や梨の木も植えられ、プロヴァンスの緑の中にいるよう。

パリの名所を部屋にいながら独占できる空間

ベッドルームの大きな窓からは、目の前にエッフェル塔を望む。夜のライトアップ、朝焼け、青空の下、それぞれの時間でパリのシンボルを部屋にいながらに独占できる圧倒的な立地。さらにバルコニーに出てみれば、サクレクール寺院、グランパレなど、パリの名所が360度、手を伸ばせば届くかのような距離に浮かび上がる――。

ここはパリの「ブルガリ ホテル」、そのトップスイート、ブルガリ ペントハウス。テラスと庭園600㎡、室内400㎡という広さのこの客室にはふたつのキッチン、専用のバー、プライベートフィットネスルームなどの設備が揃う。

「トップスイートとは、すべてにおいてそのホテルの最上級が提供されるお部屋です。もっとも景観がいい場所に位置し、受けられるサービスも他のお部屋とは圧倒的に違うのです」

一般的にトップスイートには専任バトラーがつき、ありとあらゆるサービスを提供。ゲスト好みに部屋を飾ることから始まり、予約困難なレストランの席を押さえ、時には街のブランドショップでゲストのためにレアな商品を取り置くことも。

「トップスイートは場所にもよりますが、だいたい日本円で1泊500万円程度から。さらに3泊以上の宿泊が必須の場合も多いです。そしてホテルによってはこの客室の存在を公表していないことも。超VIPであるゲストのプライバシーを守るためで、セキュリティの関係から間取りなども外に漏れないようにしているのだそうです」

自宅で客をもてなすようにスイートルームでパーティーを

多くのトップスイートが400㎡ほどの広い部屋に、ベッドルームはひとつ。料理人やバーテンダーを呼びパーティーを開くゲストもいるという。

かぐみさんがコンシェルジュとしてゲストのために、パリのブルガリホテルのトップスイートを手配した際は、「ブルガリのスイーツとパリの老舗パティスリー『ラデュレ』のマカロンでスイーツブュッフェを部屋につくりたい」と依頼。美しく並べられたスイーツにゲストも感激したとか。

バトラーは最上級のサービスで、願いをカタチにすべく最大限の心を尽くす。つまりアイデアしだいで過ごし方は変わってくる。

「ここ最近はホテルの宿泊価格は高騰していますが、なかでもトップスイートの価格はどんどん上がっています。にもかかわらず常にほとんどのトップスイートは埋まっているのですよ」

最上級のサービス、そして空間を目指す。それが世界の富裕層たちの旅のスタイルだ。

「ブルガリ ホテル パリ」のダイニングにセットされたスイーツブュッフェ
ダイニングにセットされたスイーツブュッフェをリビングでシャンパーニュとともに。奥のダイニングには金のシャンデリアが吊るされ、アルタイ共和国のヴィンテージの絨毯が敷かれている。ゲストはこのスイートルームに日中客を招き、自宅でもてなすように過ごしている。

才津香果/Kagumi Saitsu
1982年生まれ。アルカディア代表取締役。国内外の富裕層に向けた、会員制のコンシェルジュサービス会社を運営。ギフトのセレクトから、ラグジュアリーな旅の手配までオーダーメイドで富裕層の要望をかなえる。 ※旅のご相談はhttps://arkadear.comまで。

TEXT=安井桃子

PHOTOGRAPH=笠谷龍(アルカディア)

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