人混みや喧騒と離れ、静かに満開の桜を愛でる――。そんなワンランク上の花見を愉しみたいのなら、行くべきは京都のラグジュアリーホテル。旅が好きすぎて脱サラ、年間のほとんどを世界各地のラグジュアリーホテルで過ごすというトラベル・クリエイターでインフルエンサーのSAORIさんが(@sao_0324)、最上級の花見ができるホテルをセレクト。誰かと行きたい、一人でも行きたい、極上の春のホテル5選!
1:露天風呂から嵐山の絶景を独り占め|翠嵐 ラグジュアリーコレクションホテル 京都
「春の嵐山はお花見客でごった返します。その中心地、渡月橋を見渡すエリアにありながら、静かにゆったりとお花見ができるのが『翠嵐 ラグジュアリーコレクションホテル 京都』です。敷地内にも多くの桜があり、お花を見ながらアフタヌーンティーをいただくのもいいかもしれません」
京都の花見スポットとして有名な亀山公園や桜並木がすぐ近くにあるエリア。「翠嵐 ラグジュアリーコレクションホテル 京都」は渡月橋を望む代表的な春の嵐山の光景を、誰にも邪魔されることなく部屋から眺めることができる最高の立地にある。
「これ以上桜を見るのに適した場所はないと言っても過言ではありません。スイートルームの露天風呂からは、温泉に浸かりながら桜を見ることもできます。またお部屋の種類に限らず宿泊者は全員、夕方のサンセットの時間に1時間、シャンパンのフリーフローがつくんです。シャンパンをいただきながら、夕暮れに染まる桜を眺めるなんて、これで喜ばない女性はいないでしょう」
全39室のうち、17室は嵐山温泉を利用した専用露天風呂付き、さらに無料送迎サービス(片道)も充実していて、京都からはタクシーで、嵐山からなら人力車で迎えてくれるという。
さらにレストラン「京 翠嵐」は、川崎造船所の創業者である川崎正蔵の別荘として建てられた建築で、金砂子を用いた床の間に、シャンデリアや朱の家具が配置され、豪華絢爛な空間になっている。
「こちらでいただく朝食も素晴らしいんです。メインは和か洋から選べますが、前菜はどちらも共通、素材ひとつひとつにこだわっていて、量も多すぎないので女性にも嬉しいですね。もちろんたくさん召し上がりたい方は、気に入ったものをなんどでもお代わりできます」
一方、川辺のテラスに面した「茶寮 八翠」では、漢方の専門店「薬日本堂」が監修するアフタヌーンティーをいただける。3月4月は「春のデトックス・花粉症対策」をテーマに、デトックス作用が期待できる蓬、桜、たけのこや、花粉症の症状を和らげる効果があるといわれる酒粕、茸、鯖などを取り入れたセイボリーやスイーツを、桜を見ながらいただくのもいい。
「アフタヌーンティーをたしなみながら、川辺でお花見も最高です。夏は新緑が、冬は雪景色が、まさに絵に描いたごとくの日本の四季を感じられる場所。それぞれの季節で訪れたくなります。まずは桜のシーズンを存分に楽しんでいただきたいです」
翠嵐 ラグジュアリーコレクションホテル 京都
住所:京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町12
TEL:075-872-0101
料金:¥95,000〜(1室あたり、税・サ・食事別)
2:嵐山・小倉山の桜を船から眺める|星のや京都
「渡月橋のたもとから出る専用船でしか辿り着くことのできない『星のや京都』も最高の桜を楽しめる名宿です。船から嵐山の桜を眺めながら、これから辿り着く場所に想いを馳せるのもいいでしょう。船でしか行き来できず、お部屋も25室と絞られていますので、『星のや京都』には限られた人しかいません。嵐山という超人気お花見スポットにいながら、川のせせらぎと鳥の声だけしか聞こえない、その贅沢さをぜひかみしめてほしいです」
全室リバービューのため満開になればほとんどの部屋から、対岸に咲く桜が見えるのが春の「星のや京都」。3月25日〜4月9日までの期間は、館内でも特にしだれ桜が美しい場所に「花桜テラス」がオープンする。ソメイヨシノやヤマザクラもあたりに咲き誇り、対岸の小倉山の桜まで臨めるこのテラスを、1日1組限定で貸し切ることのできるプランも用意されている。このプランでは桜の木のたもとでオリジナルの和菓子やドリンク、さらに朝食をいただけたり、夕食には特別な春のメニューが味わえるという。
「朝食は、お野菜がたっぷりのお鍋が出るのが、私が『星のや京都』が好きな理由のひとつ。滞在着のまま、外を眺めながらゆっくり時間をかけて、ちょっとレイジーに朝食をいただく。忙しい毎日を送っている方にこそ、体験してもらいたい時間です」
さらに同じく3月25日〜4月9日の間、朝焼けの時間の大堰川に浮かべられた屋形舟から、嵐山の1500本の桜を眺める「朝ぼらけの花見舟」のプランも。こちらも1日1組限定で、屋形船を貸し切って行う早朝の京都の花見とは、なんとも風流だ。
星のや京都
住所:京都府京都市西京区嵐山元録山町11-2
TEL:050-3134-8091(星のや総合予約)
料金 :1泊 ¥136,000~(1室あたり、税・サービス料込、食事別)
3:お花見の後は天然温泉が楽しめるサーマルスプリングへ|ホテル ザ ミツイ キョウト
「『ホテル ザ ミツイ キョウト』は、中庭にある大きな桜がとても印象的です。夜はライトアップされ、池の水面に映る様子もロマンチック!」
二条城を望む立地に、2020年11月に開業した「ホテル ザ ミツイ キョウト」は、その名の通り、250年以上にわたって栄えた三井総領家の邸宅跡地に建つ。300年を超える歴史を持つ「梶井宮門(かじいみやもん)」をくぐるところから、そのステイはスタート。
「ホテル自体はとてもモダンなインテリアや建築ですが、この門はとても歴史を感じさせます。門が大きな窓から見えるお部屋にも一度泊まってみたいのですが、人気でいつも埋まっているんです(笑)」
さらにSAORIさんがオススメするのは温泉。
「といっても普通の温泉ではありません。ホテル ザ ミツイ キョウトは水着で入る男女混浴のサーマルスプリングがある日本では珍しいホテルなんです。カップルでいらしても、温浴施設で一緒に温泉を楽しむことができるんですよ。もちろん貸切りの温泉もありますが、私が好きなのはやっぱりこのサーマルスプリングかな。広々とした空間で、デイベッドなんかもあって、大人の雰囲気でゆったり過ごせます。私もとてもリラックスしてしまい、ふやけるまで入っていました」
目の前の二条城内には多くの桜スポットもあり、こちらをゆっくり楽しんだのち、ホテル内の桜が見えるレストランで食事、そしてサーマルスプリングへ、という春の1日のプランに胸が躍る場所だ。
ホテル ザ ミツイ キョウト
住所:京都市中京区油小路通二条下る二条油小路町284
TEL:075-468-3100
料金:¥139,150〜(1室あたり、税・サ・食事別)
4:エントランスの桜と新緑の森の庭から感じる春の訪れ|アマン京都
「『アマン京都』は、エントランスに桜の木があり、桜に迎えられているような気持ちになるはずです。市の中心部から離れた森の中にありますから、喧騒とはほど遠い、自然だけを感じることができるとても落ち着いた世界観が大好きです。広大な土地に客室はわずか26室ですから、他の宿泊者とすれ違うことも滅多にありません」
約2万4千平方メートルの敷地内に、アライバル棟、リビング棟、レストラン棟、天然温泉を備えるスパ棟、客室棟と2つのパビリオン棟が点在していて、森の中を歩いてそれぞれの棟へと移動するのが「アマン京都」。移動の間がまさに森林浴の時間、桜以外にも春の息吹を森の庭からさまざまに感じられる。
「ここでなにかしよう、とは思えないほどに、ゆったりとした時間が流れています。だから徹底的に脳も心も休めることができる場所。森の中を歩き、温泉に浸かり、美味しいパフェをいただいて、ゆっくりと眠る。本当に贅沢です。
しかも、館内は余計な案内板や文字要素が排除されているんです。例えば『起こさないでください』の『Do not Disturb』の札さえも文字がないんですよ。黒い菊の紋章になっていて、それをドアノブにかけておけばいいというシステム。つくりこまれた世界観に感動しました。日頃たくさんの情報に追われている私たちですが、ここにいる間だけは、情報や文字から離れてみるものもいいでしょう。スマホも見ず、本も読まず、一緒に行った友人と会話が弾み一晩中話していました。お部屋のミニバーにあったオーパスワンにテンションが上がってしまったのも理由かもしれませんが(笑)」
部屋は全室に大きな窓があり、森の庭を臨むことができる。桜に迎えられて、緑の中で癒される、それが春のアマン京都のステイなのだ。
アマン京都
住所:京都市北区大北山鷲峯町1番
TEL:075-496-1333
料金:¥260,000〜(税・サ別)
5:伝統を保ちつつ女心をくすぐる演出|ウェスティン都ホテル京都
「私が大好きな『ウェスティン都ホテル京都』は、桜並木が有名な蹴上インクラインの目の前にあり、レストランからはその桜がとっても綺麗に見えます! 敷地内にも桜があるので、お部屋によっては見えるところもあるんですよ」
東山の高台に建ち、1890年の創業以来、国賓をはじめとして数々のVIPを迎えてきた京都の超老舗「ウェスティン都ホテル京都」。2021年のリニューアルを経て天然温泉施設や、スパを加えた他、クラシカルなイメージは保ちつつ、客室面積を拡大し、よりラグジュアリーなステイが楽しめるようになった。
「スイートルームのアメニティはフランスのスキンケアブランド『SOTHYS(ソティス)』が入っていて、さらにドライヤーはレプロナイザー。細かいところですが、美容好きの女性と行かれるなら絶対喜ばれるはずです。
また本館の螺旋階段のとあるスポットから写真を撮るとハートになるんですよ! 女心をくすぐるしかけがたくさんあるホテルです。レストランはミシュラン一つ星のドミニク・ブシェ監修のフレンチが入っているのも個人的には嬉しいです」
さらにホテルの奥にはモダニズム建築の巨匠と呼ばれる村野藤吾による建築の数寄屋風別館「佳水園」がある。ここでは全部屋に天然温泉が引きこまれている他、1日1組限定で宿泊者の希望を事前に聞き、それぞれオリジナルのメニューが振る舞われる食事プランも用意されている。まさにワンランク上のステイが叶う場所だ。
「私はまだ佳水園には泊まったことがないので、ぜひいつか泊まってみたいです。佳水園のお庭にも桜の木があるようなので、こちらに泊まって独り占めするのもいいですね」
ウェスティン都ホテル京都
住所:京都市東山区粟田口華頂町1(三条けあげ)
TEL:075-771-7111
料金:ジュニアスイート¥130,000〜、佳水園¥220,000〜(ともに1室あたり、税・サ・食事別)
SAORI
トラベルインフルエンサー。会社員時代から、すべての週末と有給・給料を旅に捧げてきた。現在は年間100日以上を海外で過ごしInsatgramを中心にその様子を発信。ホテルや旅のPRを行う。一眼レフのほか、ドローンやアクションカメラなどを使用し写真撮影はセルフィーも含めてすべて一人で行っている。その技術の高さから、Nikonで講演を定期的に行うなど、写真家としても活動。
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