デンマーク王室御用達の家具メーカー、カール・ハンセン&サンが、1960年代の名作を復刻。2026年10月より発売予定だ。

スチールの曲線に宿る、デンマーク家具の新たな美意識
カール・ハンセン&サンの名作といえば、ハンス J. ウェグナーの「CH24」、いわゆるYチェアを思い浮かべる人が多いかもしれない。だが、デンマーク家具史を語るうえで、もうひとつ重要な一脚がある。それが「FK64 シミターチェア」だ。ヴィンテージ市場でも人気が高く、海外オークションでは1脚あたり数千ポンド、ペアでは1万ポンドを超えて取引された例もあるという。
本作を手がけたプレーベン・ファブリシャス&ヨルゲン・カストホルムは、デンマークデザインの伝統を受け継ぎながら、スチールやレザーによって新たなモダニズムのかたちを探ったデザイナー。その思想がもっとも鮮やかに表れる「FK64 シミターチェア」は、木製家具の印象が強いデンマークデザインに、シャープで建築的な表情をもたらし、その革新性が確かな評価を得てきた。
着想の源は、1950年代後半のレバノンにある。ラグの上でくつろぐ人々の姿に、カストホルムは新しい座り方の可能性を見た。重心を低くし、身体をゆだねる感覚は、床座に親しんできた日本人にも馴染み深い。
ステンレススチール製のベースは、床面をなぞるようにしなやかな弧を描く。その鋭くも優美なラインこそ、三日月刀を意味する「シミター」の由来。構造としての確かさを備えながら、見た目には重さを感じさせない。その佇まいは、宙に浮かぶ彫刻だ。
今回の復刻では、オリジナルのレザー仕様に加え、新たにテキスタイル仕様も登場。

オブジェのように空間を引き締めながら、腰を下ろせば身体をゆったりと受け止める。60余年を経てもなお、「FK64 シミターチェア」は研ぎ澄まされた美しさを放ち続けている。
ヴィンテージで探し続けてきた人も、今回初めて心を奪われた人も、この復刻は見逃せない機会となるはず。発売に向けて、ぜひチェックしておきたい。
問い合わせ
カール・ハンセン&サン 東京本店/カール・ハンセン&サン 大阪 https://www.carlhansen.com




