全国に約6万7000軒、数多ある歯科医院のなかで食べる、話す、笑う──その土台である歯を託す医師選びは、人生を左右する重要課題だ。歯科医師たちがこぞって頼りにする、ゴッドドクター3人から、今回は「オールオン4クリニック」の橋村吾郎院長を紹介する。【特集 歯こそ最強のビジネス戦略】

4本のインプラントで片顎すべての歯をカバー
わずか4本のインプラントで、片顎12本の歯を支えることができる治療がある。それが「オールオン4」だ。4本のインプラントを埋めこみ、その上に一列につながった人工の歯、歯茎を固定。歯を失った人が、なるべく少ない肉体的負担で歯を構築し直すことができる治療法となる。
その治療に特化した医師が「All-on-4 CLINIC」橋村吾郎院長。これまでに埋入した本数は1万本以上におよぶ。オールオン4の考案者であるポルトガルのパウロ・マロ医師より、その手技と構造を学んだ。2016年に銀座に「All-on-4 CLINIC」を開業以降、年間約150件のオールオン4手術を行っている。
「片顎の歯列全体を固定式の人工歯へ置き換える治療ですが、総入れ歯になった高齢の方以外にも、実は当クリニックには40代50代の患者さんも多くいらっしゃるのです。歯周病で多くの歯がぐらついてしまったり、昔受けた審美治療の歯が傷み、何本も再治療が必要になってしまった方などもこの治療を受けています」
出っ歯やすきっ歯など、歯並びや口元のコンプレックスをきっかけに相談に訪れる人もいる。手術当日から仮歯が入るため、すぐに日常生活に戻れるのも選ばれる理由だ。
「インプラントを正確な位置に入れて長く使える状態にするのは当然のことです。そのうえで私たちが最も大切にしているのが、患者さんの顔に合い、よく噛めて快適に話せる歯を作ることです」
治療は、フェイススキャナーで顔を3Dデータ化するところから始まる。さらに口腔内もスキャンし、顔立ちや唇の動き、骨の状態を踏まえて、その人に合う歯並びを設計。クリニックに隣接する専属の歯科技工所からは治療の初期段階から歯科技工士が参加し、患者の顔の形や希望を直接確認。橋村院長とともに、歯の形や色、人工歯肉の形状、噛み合わせ、発音のしやすさ、磨きやすさまで検討していく。
「口元のコンプレックスが原因で、引きこもるようになった方もこれまで多く診てきました。僕の仕事は、患者さんが歯を見せて笑えるようにすること。歯をつくり、歯茎をつくり、その先の人生をつくる治療だと思っています」
万一術後に調整や仮歯の作り直しが必要になっても、追加料金を取らないというポリシーが橋村氏にはある。それだけ最初の設計が緻密にされているのだ。元来高額な施術であるが、コンプレックスを持っている若い人にも受けられるように日々模索している。
さらに橋村氏は、頬骨を土台とする「ザイゴマインプラント」も行う。重度の歯周病などで上顎の骨が残っていない場合、頬骨を土台にインプラントを埋入させる手術だ。頬骨周辺には重要な組織が多いため、ここに長いインプラントを正確に入れるには、高度な技術と経験が必要になってくる。
「僕自身、経験と体力が重なる今が、外科医としてひとつのピークだと感じています。今のうちに少しでも多くの患者さんを診療し、同時に若い歯科医師へ技術を伝えていきたい。僕ひとりが世界中の患者さんを診ることは到底できません。各地の先生が正しい治療ができるようになれば、それが患者さんのためになりますから」
現在、橋村氏のもとには多くの若い歯科医師が訪れ、その技術を学んでいる。妥協せず、ひとりの患者にとっての口元の完成形を追い続ける。そして、その知識を次の世代へ手渡す。
他院でインプラントを断られた患者がすがる最後の希望。患者の人生を背負う覚悟が、橋村氏にはある。

医療法人ODC理事長。All-on-4 CLINIC院長。2001年よりインプラント治療を、2009年よりオールオン4治療を開始。インプラント講師として国内外で講演を開催。ノーベルバイオケア公認インストラクターとして活動中。
All-on-4 CLINIC/オールオン4クリニック
住所:東京都中央区銀座2-8-12 クローバー銀座ビル3F
TEL:0120-845-556(完全予約制)
定休日:日曜、祝日
料金:オールオン4スタンダード片顎4本¥2,990,000〜 ※診察料、局所麻酔、オペ代、最終補綴(ハイブリッドレジン)含む
この記事はGOETHE 2026年9月号「総力特集:歯こそ最強のビジネス戦略」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら




