健康維持、なまった身体を鍛え直す…。トレーニングをスタートしようと決意したとき、悩ましいのがジム選び。多忙なビジネスパーソンにふさわしいジムはどこなのか。骨格評論家・バズーカ岡田としてテレビやYouTubeなどで活躍する、日本体育大学教授の岡田隆氏にジム選びのポイントを聞いた。

1980年愛知県生まれ。日本体育大学 教授。博士(体育科学)。理学療法士。骨格評論家・バズーカ岡田としても活動。学術研究から得られた知見を実践できる場としてパーソナルジム「STUDIO BAZOOKA」やボディケアサロン「ACTIVE RESET」を展開。公式YouTube「新・バズーカ岡田チャンネル」。新刊として7/24に『究極の筋トレ休息法』
(ポプラ社)、8/7に『運動0でお腹が凹む! 「脂肪燃焼」食』(講談社)が発売される。
継続なくして結果は得られない
「目的が筋肥大にせよ、脂肪燃焼にせよ、基礎体力の向上にせよ、トレーニングで成果を出すために最も重要なのは、継続することです。継続なくして結果は得られません」
そう話すのは日本体育大学で教授を務める岡田隆氏。2012年から2021年まで柔道全日本男子チーム体力強化部門長を務め、2016年リオ五輪の柔道男子全階級メダル制覇、2021年東京五輪の史上最多5個の金メダル獲得などに貢献した。
数々のアスリートを指導する一方で、自らも身体作りの究極の実践者としてボディビル競技に挑戦。2023年にはWNBF世界選手権のプロマスターズボディビルで優勝を果たしている。

そんな身体のプロフェッショナルである岡田氏は、ジム選びの鍵は筋トレの継続を妨げる要素をいかに排除していくかに尽きる、と解く。
「ジムに通おうとしたときに、どんなことをストレスだと感じるのか。それを自分に問うことがファーストステップになります。移動時間がもったいないと感じる人であれば、いくら設備が良くトレーナーの質が高いジムだったとしても、そのジムが遠方にある場合、継続は難しくなるでしょう。多忙なスケジュールの合間を縫って自分の好きなタイミングでトレーニングしたいという人は、予約制のパーソナルジムは不向きと言えます」
身体を鍛えるためにある程度の予算を割けるのであれば、トレーニングする場所の選択肢を複数持つことが、継続の確率を高めることに繋がるという。
「最近、職場にジムを作りたいという相談を受けることが増えてきたのですが、特に外資系企業では会社にジムがあるという場合も多いでしょう。また、自宅マンションにジムがあるという人もいるのではないでしょうか。まずはそこを確保して、プラスアルファでジムに入会すれば、トレーニング場所に困ることは少ないはずです。そういった場所にジムがない場合は、近所のジムを探しましょう。出張が多い方ならば、地方にも数多く展開しているジムの会員になるか、ビジター利用できるジムを調べて宿泊先をその近くにすれば、トレーニングを中断しなくて済みます。
私の場合は研究室に最低限のトレーニングギアが置いてありますし、今日はこの後都心で仕事があるので帰りにゴールドジムに寄る予定です。それに加えて、自分が運営しているジムもあるので、日々のスケジュールに合わせてトレーニング時間を確保しやすいんです」
パーソナルトレーナーをつけて怪我のリスクを回避
正しいフォームはトレーニングの効率を最大化するためにも、不要な怪我を防ぐためにも重要なポイント。トレーニング経験がないと自分に適した負荷設定も難しい。だからこそ、最初はしっかりとパーソナルトレーナーについてもらうのがベターだ。

「怪我はトレーニングの継続を妨げる大きな要因ですから、なるべくそのリスクは小さくするべき。最初は自分の強い部分、弱い部分、柔軟性が足りない部分などもわからないですから、プロに任せたほうが安心です。パーソナルトレーニング専用のジムではなく、ゴールドジムのような総合型のジムでもパーソナルトレーナーをつけることができますし、最近は自宅やマンションのジムに来てくれる出張型のサービスもあります。最初のうちは週に1、2回パーソナルを受け、ある程度自分でできるようになったら、月に1回程度フォームなどをチェックしてもらうような利用の仕方もオススメですね」
筋トレ初心者こそゴールドジムが最適な理由

岡田氏がジムの第一選択として推奨するのがゴールドジムだ。いわゆる“筋トレガチ勢”が多く、初心者には敷居が高いと感じている人が多いかもしれないが、実はビギナーにも優しいところだという。
「ゴールドジムはマシンもスタッフも一流。研修システムがしっかりしていて、若いトレーナー陣もレベルが高いんです。国内に100店舗以上あるので、出張時に困ることもありません。筋トレ初心者にとってマッチョが多いゴールドジムに行くのは気が引けるという話を聞くのですが、真のマッチョは自分のトレーニングに精一杯。周囲の人の身体を気にしていないので問題ありません(笑)」
繰り返しになるが、まずはトレーニングの継続を妨げる要素を排除するのがジム選びの鉄則。そのうえで、自分がジムに何を求めるのかも熟慮したい。
「プールで泳ぎたい、サウナを利用したい、スタジオフィットネスも楽しみたい、ゴルフレンジがほしいなど、ジムに求めるものは人それぞれでしょう。ジム通いのモチベーションを高めてくれる設備があることも、トレーニングの継続を助けてくれるはずです。可能であれば複数の体験に行き、そのうえでジムをチョイスしましょう。特にパーソナルはトレーナーとの相性もありますから、焦らずにじっくり検討してください」