英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者のお話、第323回。

やんわり人を非難する英語フレーズ「ニンカンプープ」
仕事をしていると嫌なことがたくさんあります。
人間ができていない私は、仕事相手に腹が立って「なんでこの人、こんな無理なことを言うんだ! バカなのか!?」とひとりプリプリしたりします。
しかし他人に対して「バカ」はいくら独り言でも、よくありません。
最近はなるべく汚い言葉は使わないよう、気をつけてはいるのですが、どうしても腹がたった時だけ、こう言うことにしています。
「この、すっとこどっこいが!」
「すっとこどっこい」もそれなりに相手をバカにした言葉ですが、それでもなんだか響きがかわいらしく「バカ」と相手のことを言ってしまうよりはマシな気がするのです。
そして少し調べてみたら、英語でもこの「すっとこどっこい」と同様に、やんわり人を非難するフレーズがあるそうです。
Nincompoop
「ニンカンプープ」。なんだか音も「すっとこどっこい」に似ています。
「まぬけ」という意味で「すっとこどっこい」同様に、強い非難の意味はなく「愛嬌のあるお馬鹿さんね」くらいの感じだそうです。
ちょっと古風な言い方だそうで、そのあたりも「すっとこどっこい」に似ているかもしれません。
使い方としては以下のような例文がありました。
I told you twice already, you nincompoop!
(もう2回も言ったでしょ、このすっとこどっこいが!)
まさに、私も同じ説明をクライアントに何回もしなければいけない場面があり「何回言わせるんだ、このすっとこどっこいが!」となっていたところでした。
Nincompoopの語源を調べてみると、「音がおもしろいから」と書かれているものが多く、言葉そのものには意味がなさそうです。
ちなみに日本語の「すっとこどっこい」は、「すっと抜けていて」「どっこいしょ、な奴」が語源であるという説がありました。意味がわかるような、わからないようなで、やっぱりこちらもおもしろい音を優先して生まれた言葉なのかもしれません。
これから年末にかけてまた忙しくなりますので、イライラすることも増えるでしょう。どうしても人に対してイライラしてしまった時の「この、すっとこどっこいが!」のバリエーションとして“You nincompoop!”も持っておきたいと思いました。
ちなみに自分がミスをしてしまった場合、私は「すっとこどっこいですみません」と謝ることもあります。そういう時は“I am a nincompoop.”と言ってみてもいいかもしれません。たぶん怒られるでしょうけど。