筋肉美をもつ女神シリーズ49人目は、チョン・ボヨン。
ラブコメディが似合う健康美人
韓国では映画やドラマのジャンルのひとつである「ロマンチックコメディ」を略して“ロコ”と呼ぶのだが、今回紹介するチョン・ボヨンは”フィットネス界のロコ・クイーン(=ロマンチックコメディの女王)”とも称されている。
カメラの前や舞台に立つ役者業を生業にしているわけではない。ピラティス・インストラクター歴4年目の30歳だ。
だが、韓国のフィットネス雑誌『MAXQ』のグラビアに登場すると、一躍人気者に。明るい笑顔でウェイトトレーニングに励む姿がいかにも健康美人らしく、「役者だったらラブコメディが似合いそうだ」として“フィットネス界のロコ・クイーン”と呼ばれるようになった。
「ピラティス・トレーナーをしていますが、学生の頃は運動とはまったく縁がありませんでした。虚弱体質で体を動かすこと自体が苦手でしたし、カラダも細かったので運動するとさらに痩せ細ってしまうとスポーツ全般を避けていたほどでした」
筋肉痛は成長痛
そんな彼女がなぜ、フィットネスの世界に飛び込んだのか。キッカケは“朝の通勤ラッシュ”だった。
「大学で観光学を専攻し、卒業後は旅行会社に務めました。自宅から会社までの通勤時間は地下鉄で片道1時間ほど。行きも帰りも毎日のように満員電車に揺られ、息苦しさもあって、何度か通勤途中に倒れてしまいそうなことがあったんです。“これではいけない、体力をつけなければ”と始めたのがジム通いでした。そこから本格的にトレーニングを始めました」
もっとも、最初は慣れないことばかりの連続だったという。
「最初の頃に最も苦労したのは、筋肉痛でした。体を鍛えにジムに来たのに、翌日に体が痛くて些細な動きでも筋肉が敏感に反応して痛むのですから(笑)。“これでいいのかしら?”と不安になったぐらいです。ただ、不思議なもので慣れてくると筋肉痛がトレーニングの効果であり成果だと考えるようになり、筋肉痛がないとむしろ物足りなさを感じるようになりました」
筋肉痛は、今よりももっと強くて逞しい自分になるための成長痛。そう考えると痛さも辛さも受け入れることができて、美ボデメイクにのめり込んでいったという。
「運動を始める前までは、私の人生は無難な感じでした。悪くはなかったけど良くもない無色のような日々でしたが、運動を始めてからはジムに行くたびに気持ちがカラフルになりました。練習後には達成感や喜びで胸が膨らみ、毎日が楽しくなりました」
ただ、その一方で、世の中では新型コロナウィルス感染症が流行して行動制限が当たり前となり、勤めていた旅行会社が傾き始めた。そこで心機一転、転職を決心して選んだのがピラティス・トレーナーの道だった。
「体を動かすことで私が得た達成感や喜びを、今度は多くの人々に分け与えられるような存在になりたい。そういう思いからピラティス・トレーナーに転身したんです」
弾力あるメリハリボディよりも手に入れた価値あるもの
今年で4年目。指導する立場だが、もちろん、今でも自分のためのトレーニングは欠かさない。トレーニングを始める前は42キロだった体重も48キロになった。やせ細ったカラダではなく、弾力感のあるメリハリボディになった。
「最も変わったのは肉体的なことではなく、精神的なこと。強い忍耐力と根気が身についたと思います。というのも、いくら仕事とはいえ、ときにはトレーニングが面倒くさかったり、疲れていて苦しかったりするときもあるんですよ。ただ、それを乗り越え、自分に課したトレーニングをやり遂げたときの達成感は最高です」
日々の中で育まれていく忍耐力、根気、そして自信が最高の財産になる。“フィットネス界のロコ・クイーン”は、これからも自分を磨き続けていく。