GOLF

2026.08.15

どうしてもスライスが直らない…切り返しで「首の向き」を変えてみて

スライスを直そうとして、クラブの軌道ばかり意識していないだろうか。実は、切り返しで「首の向き」を少し変えるだけで、クラブをインサイドから下ろしやすくなる。男子ツアー・金子駆大、女子ツアー・入谷響にも見られる動きをもとに、そのポイントを紹介する。

吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン/スライスが直らない人へ。切り返しで「首の向き」を変えるだけで軌道は変わる

スライス改善のカギは「首の向き」。クラブをインサイドから下ろすスペースをつくる

スライスがなかなか直らないゴルファーは、切り返しでクラブがアウトサイドから下りてきているケースが多い。アウトサイドイン軌道になると、右に曲がるスライスだけでなく、左へのプルフックも出やすくなる。飛距離と方向性の両方が安定しないため、アマチュアにとっては改善したい動きの一つだ。

しかし、クラブをインサイドから下ろそうとして、手先で無理に軌道を変えようとすると、かえってスイングが不安定になってしまうこともある。そこで、一度注目してほしいのが、切り返しでの「首の動き」だ。

スライス改善のヒントとして注目したいのが、切り返しで顔を飛球線後方に向けてクラブを下ろしてくる動きだ。実際、男子ツアーの金子駆大や女子ツアーの入谷響にも、こうした特徴が見られる。金子は2026年に欧州ツアー初優勝を果たし、入谷も2026年にツアー通算2勝目を挙げるなど、現在活躍する若手選手だ。

もちろん、2人のスイングをそのまま真似する必要はない。ただ、切り返しで首の向きを意識することで、胸や肩の早い開きを抑え、クラブをインサイドから下ろすためのスペースを作りやすくなる。この動きは、アウトサイドイン軌道に悩むゴルファーにとって、スライス改善の一つのヒントになるはずだ。

そこで、この首の向きを体感するために、切り返しで首を目標とは反対方向へ軽く向けるドリルを試してみてほしい。

首を飛球線後方へ軽く向けることで、胸や肩が目標方向へ早く開く動きを抑えられ、右サイドにクラブを下ろすスペースが生まれる。結果として、クラブをインサイドから下ろしやすくなるのだ。

逆に、切り返しで顔を目標方向へ向けようとすると、胸や肩も一緒に開きやすい。その結果、クラブが外側へ押し出され、アウトサイドイン軌道につながることがある。

実際にトップから首を目標方向へ向けようとすると、胸や肩も一緒に開きやすくなる感覚が分かるはずだ。

反対に、首を目標とは反対方向へ軽く向けると、胸が残り、クラブを下ろすスペースができる。この首の動きを意識することで、クラブを無理にインサイドから下ろそうとしなくても、自然に軌道を整えやすくなるはずだ。

さらに、上半身が早く開くのを抑えられるため、下半身から切り返しやすくなる。手先でクラブの軌道を変えるのではなく、体が動く順番を整えることで、クラブの通り道も自然と変わってくる。

シャドースイングで体感。「首の向き」を覚える簡単ドリル

このドリルは、いきなりボールを打つのではなく、まずシャドースイングから始めてほしい。

クラブを持たずにトップポジションをつくり、切り返しで首を目標と反対方向へ軽く向ける。そして、その状態を保ちながら下半身から動き出し、右サイドにできたスペースへ手元が下りてくる感覚を確認する。

ここでは首を大きく回す必要はなく、あくまで「少し後ろを見る」程度で十分だ。首の向きを変えることで胸や肩の開きが抑えられ、手元が下りてくるスペースを感じることが目的である。

最初はトップから切り返すところだけを繰り返してもいい。トップを作ったら首を軽く後方へ向け、そこから切り返す。この動作を繰り返しながら、首の向きとクラブの通り道の関係を覚えていきたい。

感覚がつかめてきたら、クラブを持って同じ動きを行う。肩の開きが抑えられていることと、クラブがインサイドから下ろせているかを確認しながら、切り返しの動きを繰り返してみよう。その後、通常の素振りへ移行し、首の向き、胸の開き、クラブが下りてくる位置を確認しながら、徐々に通常のスイングへ近づけていく。

このドリルは、ボールを打たなくても素振りだけで十分に感覚を養うことができる。首の動きと胸の開き、クラブが下りてくる位置を確認しながら、まずは動きの感覚を身につけてほしい。もしボールを打つ場合も、フルショットをする必要はなく、クラブがアウトサイドから下りてこないか、切り返しで胸が早く開いていないかを確認する程度でいいだろう。

首を目標と反対方向へ向ける動きは、体の回転とは逆方向に動く拮抗した動きになるため、首や肩に負荷がかかりやすい。あくまでクラブを下ろすスペースを作る感覚を身につけるためのドリルとして取り組んでほしい。首や肩に違和感がある場合は、無理に続けずすぐに中止しよう。

スライスを直そうとして、クラブをインサイドから下ろそうと考えている人は、一度「首の動き」に注目してみてほしい。切り返しで上半身が開くタイミングを少し変えることで、クラブの通り道が変わり、アウトサイドイン軌道の改善につながる可能性がある。

動画で解説|カットスライスを防ぐ首回転ドリル

◼️吉田洋一郎/Hiroichiro Yoshida
1978年北海道生まれ。ゴルフスイングコンサルタント。世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベター氏を2度にわたって日本へ招聘し、一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。『PGAツアー 超一流たちのティーチング革命』など著書多数。

TEXT=吉田洋一郎

PHOTOGRAPH=小林司

COOPERATION=取手桜が丘ゴルフクラブ

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