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GOLF

2024.08.31

バンカーショットは、”ボールの手前にクラブを打ちこむ”ではうまくいかない

今回はバンカーショットでヘッドを走らせる感覚を養う練習を紹介する。

連載「吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン」/片手バンカーショットでヘッドを走らせる感覚を養う

打ちこむとヘッドが埋まるリスク

バンカーショットは「ボールの手前にクラブを打ちこむ」と教わった人は多いと思う。

だが、砂にクラブを打ち込むワンパターンではバンカーショットはうまくいかない。バンカーはコースによって砂質が異なり、土のように硬い砂やパウダー状の柔らかい砂などさまざまな種類の砂が存在する。

硬い砂ではクラブを打ち込む打ち方が合っている。

特にボールをすくい上げようとしてしまう人は、クラブを打ちこむイメージを持つことでトップやダフリを解消できるはずだ。

しかし、柔らかい砂で同じ打ち方をすると、クラブヘッドが砂に刺さってボールが出ない可能性がある。

砂が柔らかいときはヘッドが深く砂に潜ってしまう恐れがあるので、ヘッドを走らせてバウンスを上手く使う打ち方が正解だ。

バンカーの砂質によって打ち方を変えて対応する必要があるのだが、バウンスを使う打ち方は上から打ち込む方法に比べて難易度が高い。

その理由はクラブヘッドを走らせながらバウンスを滑らせるスキルが必要だからだ。この動きをマスターすることができればあらゆるバンカーに対応できるようになるだけではなく、アプローチのバリエーションも増やすことが可能になる。

手首を柔らかくしてヘッドを走らせる

今回はヘッドを走らせる感覚を養うために、利き手一本でバンカーショットを打つ練習を紹介しよう。

バンカーで利き手一本でスイングをするシンプルな練習だが、両手で打っても苦戦するバンカーショットを片手で打つというのはハードルが高く感じることだろう。だが、器用な利き手を使うことでクラブを走らせる感覚を養うことができる。

この練習はバンカーからボールを上手く出すことが目的ではなく、ヘッドを走らせてバウンスを使う感覚を養うことが目的だ。砂の上でクラブを振ることが難しい人は練習マットで行ってもいい。

利き手一本でクラブを振ることで砂の上でバウンスを滑らせる感覚を養うことができれば、クラブが砂に刺さることなく、ふわりとした高いボールを打てるようになる。

最初は腰から下の範囲の小さな振り幅で行ってみよう。アドレスではクラブフェースを開き、バウンスが砂に接地するように構える。

そして、手元をあまり動かさずにグリップエンドの向きが方向転換するように意識してクラブを振る。グリップエンドを支点と見立て、あまり動かさないようにすることでヘッドの運動量を増やすことができる。

まずは素振りでバウンスを砂の上で滑らせて、「パンッ」と音が聞こえるほど勢いよくスイングをしてみてほしい。インパクトでハンドファーストにならないように、ダウンスイング後半でヘッドが手を追い越していくように練習する。

小さな振り幅に慣れたら、今度は少し大きく振ってみよう。

バックスイングでグリップエンドが地面を向き、同じようにフィニッシュでもグリップエンドが地面を向くように意識をしてスイングをしてみてほしい。

クラブヘッドを走らせるために、手打ちの感覚でスイングしても問題はない。インパクトでハンドレイトになるようなイメージで手首を柔らかく使い、とにかくクラブヘッドの運動量を増やすことを考えてスイングをしてほしい。

注意点としては、クラブを砂に打ち込もうとするのはもちろん、フェイスを閉じたり、ハンドファーストになったりしないようにすること。

ボールの手前を強く打つバンカーショットは硬い砂や初心者向けのやさしい打ち方だ。しかし、状況に合わせた打ち方が求められるレベルになると、それだけでは対応できなくなる。

ヘッドを走らせながらバウンスを滑らせる感覚を片手打ちで身につけてほしい。

動画解説はコチラ

◼️吉田洋一郎/Hiroichiro Yoshida
1978年北海道生まれ。ゴルフスイングコンサルタント。世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベター氏を2度にわたって日本へ招聘し、一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。『PGAツアー 超一流たちのティーチング革命』など著書多数。

TEXT=吉田洋一郎

PHOTOGRAPH=小林司

COOPERATION=取手桜が丘ゴルフクラブ

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