GOLF

2023.04.01

スイング時の頭の上下動、左右への動きは本当にダメなのか?

今回はスイング中の頭の動きについて。連載【吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン】とは……

PGAツアー選手も頭は上下に動く

スイング中に頭を動かさないように意識している人は多い。今まで「頭を動かさないように」とレッスンを受けたり、知人に注意されたりした経験から、頭を動かさないことを最優先事項として練習に取り組んでいる人も少なくない。

「頭を動かしてはいけない」というレッスンが決して間違っているわけではなく、縦方向の地面反力を使わない垂直軸の回転をメインとしたスイングタイプの人は、頭を動かさないで軸を保ったほうがいい。だが、縦方向の地面反力を利用するスイングであれば、頭が上下動することは全く問題がない。むしろ、地面を踏み込む動作とその反力によって、頭が上下することは自然なことといえる。

PGAツアー選手のスイング中の頭の位置は上下しており、特にダウンスイングで頭の位置が下がる選手は多い。頭半個分程度下がる選手はもちろん、なかには頭1個分ほど沈み込む選手もいる。この動きは意図的に頭を下げているわけではなく、スクワットをするような地面を踏み込む動作によって、自然と頭の位置が下がる。そして、上に向かう縦方向の地面反力によって、ダウンスイング後半からインパクトにかけて頭の位置は上方向に移動する。

このように頭が上下に動くことは問題ないが、左右に動くのはあまり良いことではない。バックスイングでクラブの動きにつられて目標と反対方向に頭が動いたり、ダウンスイングで頭が目標方向に流れたりする動きはミスショットの原因となる。

問題は頭が動くことではなくスイングにある

頭の位置を考えるときに注意してほしいのは、プロゴルファーの多くはスイング中に頭の位置を意図的にコントロールしているわけではないということだ。決して自ら頭を上下させようとしているわけではなく、ダウンスイング時の地面を踏み込む動作で頭が下がり、その反動で上方向に向かう地面反力によって頭が上がる。頭の位置は受動的なものと認識し、意識しないことでスムーズにスイングすることができる。

頭が左右に動いてしまう人のなかには、頭を動かないように意識している人もいるが、無理に頭の位置を固定することでミスショットを誘発することがある。頭の位置が横方向に流れる人は、頭以外の動きが原因で頭が左右に動く現象が起きている場合が多い。

例として、ダウンスイングでクラブフェースを閉じて下ろす傾向のある人は、閉じたフェースをスクウェアに戻そうとして、体を目標方向にスウェーさせ、振り遅れた状態を作ることでフェースをスクエアに戻すケースがある。

その結果、頭が目標方向に突っ込む動きとなってしまう。このような場合、修正すべき点は頭の位置ではなく、フェースの向きや体の使い方を変えれば自然と頭は目標方向に流れなくなる。無理に頭を残そうとするとフェースが閉じた状態でインパクトをすることとなり、左へボールが飛ぶミスショットが出やすくなる。

このように「頭が動いている」と指摘されたからといって、頭を動かさないようにしても問題が解決することは少ない。頭が動くという「現象」に惑わされず、頭が動く「原因」を突き止め、スイングの問題を解決してほしい。効率的なスイングをすれば頭は自然といいポジションに収まる。スイング中に頭の動きは、気にしないようにしよう。

【動画で解説】

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連載【吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン】とは……
世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子によるゴルフレッスン。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。

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TEXT=吉田洋一郎

PHOTOGRAPH=小林司

COOPERATION=取手桜が丘ゴルフクラブ

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