気鋭のインディペンデントブランド、オールドジョーが岡山でデニムを制作するのはなぜか? そのこだわりを聞いた。【特集 日本のハイブランド】

「岡山」でしか、作れないもの
縫製仕様や細部まで作りこんだデザインで、普遍的で価値の本質を求める洋服好きに支持されるクロージングブランド、オールドジョー。
そのデニムはブランドオリジナルのレシピと企画で岡山県・井原にて織りあげられる。ほかにはないバルキータッチでラスティックなネップにムラ感の強い糸を用い、毛焼きを行わず仕上げているので、粗野で起毛感の強いプリミティブな表情が目を引く。
黒味の強いインディゴカラーは、油や汗などで経年変化によって濃くなった佇まいを表現している。また特殊なレシピで防縮加工を施している為、キバタ(織りあがった状態)デニムならではの柔らかな肌触りと強い経年変化を楽しめる。デザイナー・髙木雄介氏の表現したいものを忠実に作りあげてくれるのが岡山の機場(はたば)であり、岡山の縫製所なのだという。
「岡山には古く明治頃から制服の生産が盛んで、そこからデニムも作られるように。ですから歴史ある機場や縫製所が多く、僕が憧れたブランドの数々もまた岡山で生地製作、縫製を行ってきました。オリジナルデニムを作ることは長年の夢でしたので、やるならうちも絶対に岡山、ほかを検討する余地もなく、15年前から一緒に作らせていただいています」
古いミシンで柔らかい風合いに
オールドジョーのデニムは細かな糸運びで縫製されているほか、パンツの内側にシャンブレーの生地があてられているなど、ディテールデザイン指示も複雑で細かい。そのようなこだわりをかなえてくれるのも、長い縫製の歴史を持つ岡山だからだろう。
「岡山は機場、縫製場、仕上げ場などがすべて近場にあるのでもの作りの環境としてはとても魅力的で、完璧だと思います。また現場の職人の方々も皆さん経験値が高く、理想的な仕上がりを実現させてくださっています」
染め物に適した美しい水が流れ、長く服作りの歴史が続く地、井原。こだわり抜いたオリジナルデニムを作るというデザイナーの夢はここでかなえられた。

OLD JOEデザイナー。1979年香川県生まれ。2008年に設立したオールドジョーは国籍や年代を問わず、古きよき文化との邂逅によりデザイン、製作される。自社での生産工程にこだわり、希少性の高いもの作りを貫く。
この記事はGOETHE 2026年3月号「総力特集:日本のハイブランド」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら

