丈の短いレザーアウターは上質な心地よさと風格のある佇まいを同時にかなえるアイテムだ。今回は、春先まで着られる個性派を鋭意厳選。長く付き合えそうな、自分だけの一着をぜひ。レザーアウター・コーディネイト編。スタイリスト・野口強による連載「The character of G」。
1.サンローラン|1980年代なルックスにレザーの表情が粋にマッチ
表面のシボがヴィンテージ風のムードを放つ、ラムスキンのボンバージャケット。ドロップショルダーや立襟のあしらいが1980年代を彷彿(ほうふつ)とさせるも、エッジを利かせたシルエットがモダンなムードに。
2.ロエベ|繊細なグラデーションと美シルエットの合わせ技
スエードのトラッカージャケットと同素材のハイウエストフレアパンツに、卓越の加工で美しいグラデーションを加味。セットアップで着れば、ショート丈のトップスと裾に向かってゆるりと広がるパンツのシルエットの絶妙なマッチングがさらに増大。
3.ケンゾー|旬のニュアンスを添えるクールなロゴのインパクト
モーターサイクルジャケットのフロントと背面に大きくプリントされているのは、アーティストのVERDYが手がけ、この春からブランドの顔となるカスタムグラフィックロゴ。クラシカルなルックスにポップなムードを添え、ヒッコリーストライプのカーゴパンツとも好相性。
4.セリーヌ オム|逆三角形のフォルムが全体のバランスを整える
後ろ裾の両端にコンチョをアタッチしたウエスト丈のジャケットは、肩が張り出した’90年代風シルエット。スタッズボタンやボールチェーンなど、ディテールのあしらいも秀逸。
5.ボッテガ・ヴェネタ|目を凝らさずにいられない贅沢なだまし絵プリント
一見するとカジュアルなスウェットの上下にネルシャツを引っ掛けたスタイルだが、実は極薄のヌバックレザーに特殊なプリント技法で生地の風合いを丁寧にあしらったテクニカルな逸品。ラグジュアリーなユーモアを実現するブランドの底力に感嘆。
6.ルイ・ヴィトン|プレイフルに着映える“スポーティ”の新解釈
ラグビージャージ風のボーダーポロとダミエ・パターンのショーツは、しっとりと柔らかなラムスキン製。アーカイブからピックアップした“MARQUE L.VUITTON DÉPOSÉE”ロゴなど、今季からメンズを手がけるファレル・ウィリアムスのウィットが随所に冴えわたる。