先が見えない今の時代、頼りになるのは蓄積されてきた知識や智恵、心の糧。本を読むということは、正にそれらを学び、得ることなのである。そこで、ゲーテでは各界の最前線で活躍するエクセレントカンパニーのビジネスリーダーたちに座右の書を教えてもらう大アンケートを実施。壁にぶつかったとき、プレッシャーにおしつぶされそうになったとき、大きな決断に迫られたとき……、彼らの仕事に、人生に大きな影響を与えた、とっておきの本を公開する。※GOETHE2009年7月号掲載記事を再編。掲載されている情報等は雑誌発売当時の内容。
資生堂 代表取締役社長 前田新造の座右の書3選
1.人生の指針となった座右の書
『卜部亮吾侍従日記』卜部亮吾
昭和天皇の最後の側近として仕えた卜部亮吾が、昭和から平成に変わりゆく様子をつづっていった日記。天皇崩御という歴史的事実に立ち会いながら、彼の忠誠、献身、冷静を淡々と描写していく。
2.仕事に大きな影響を与えた本
『転進 瀬島龍三の「遺言」』新井喜美夫
軍幹部、政官界に関わっていた大本営参謀の瀬島龍三氏を通して、昭和史をひも解いていく一冊。その中でときに時代のリーダーの質に鋭く切り込みを入れていく、瀬島氏の熟慮に触れることができる。
3.不況の今だからこそ読んでおきたい、部下に読ませたい本
『幸之助論』ジョン・P. コッター
松下幸之助が打ち立てた普遍的な経営観が書かれている。その人生を通して、多くの逆境を克服していった松下幸之助自身の経営マイ ンドに心を打たれる。まさに今の時代にぴったりの一冊だと感じる。