先が見えない今の時代、頼りになるのは蓄積されてきた知識や智恵、心の糧。本を読むということは、正にそれらを学び、得ることなのである。そこで、ゲーテでは各界の最前線で活躍するエクセレントカンパニーのビジネスリーダーたちに座右の書を教えてもらう大アンケートを実施。壁にぶつかったとき、プレッシャーにおしつぶされそうになったとき、大きな決断に迫られたとき……、彼らの仕事に、人生に大きな影響を与えた、とっておきの本を公開する。※GOETHE2009年7月号掲載記事を再編。掲載されている情報等は雑誌発売当時の内容。
SBIホールディングス 代表取締役社長 北尾吉孝の座右の書3選
1.人生の指針となった座右の書
『論語』
短い言葉の中に、物事の真理が隠されているのが『論語』の魅力。何か問題に直面しているときや決断をしなければいけないときなどに捲ると、目の前がパッと開けてくるようなヒントを与えてくれる。
2.仕事に大きな影響を与えた本
『修身教授録』森 信三
本書を最初に読んだときの感動は今でも忘れられない。本書には「二度ない人生をいかに生くべきか」という人生の根本問題が書かれている。自分の信念が揺らぐときに本書を読めば、さまざまな煩悩から離脱できる。
3.不況の今だからこそ読んでおきたい、部下に読ませたい本
『菜根譚』洪自誠、今井宇三郎訳注
中国古典の一つ『菜根譚』は、儒教・道教・仏教の思想を融合させた洪自誠の傑作の書であると思っている。処世訓を著したもので、人生のさまざまな局面に関してのアドバイスを提示してくれる。