最上ブランドの頂点にして、世界に唯一無二。トップランナーのために仕立て、創造されるスペシャルワンなクルマと時計。走りと時が交差する、超絶美を纏ったマスターピースを追う。今回紹介は、パガーニを紹介する。【特集 最幸の贅沢】

家族付き合いから始まるハイパーカーの世界線
1980年代前半、大志を抱いたアルゼンチンの青年は片道切符とわずかな現金を握りしめ、憧れのイタリアの地にひとり降り立った。彼のキャリアはランボルギーニ工場の床掃除に始まったが、才能はすぐさま開花、あっという間にデザイナーとして認められる。’90年代に入って独立を果たすとカーボンファイバー成型のプロとしてモデナのモーターバレーで頭角を現し、1999年、ついにオリジナルスーパーカーを発表する。
彼の名前は──オラチオ・パガーニ。ゾンダ、ウアイラ、ウトピアと3世代続く彼のハイパーカーシリーズは今やいずれも“片手”億円以上だが引く手あまた。オラチオ氏とその息子たちファミリーに顔を覚えてもらうことが最高の勲章になった。
運よく新車オーダーの権利を得たら、すぐさまパガーニ本社を訪問したい。まずはミュージアムで短いが濃密な歴史を学び、アトリエをファミリーとともに見学。過去の作品や生産中の最新モデルを観察するうちに段々とコンフィグイメージも膨らむはずだ。ボディ色、インテリア、コンビネーション、ディテール。マテリアルについては彼らが厳選した素材=金属とレザーとカーボンファイバーを使うが、そのカラーコーディネイトは自由だ。面白いアイデアならオラチオ氏が率先して“チーム”に加わってくれる。
パガーニ本社はクルマ好きのワンダーランド。そのうちオラチオ氏から広大な自宅兼ガレージに招かれることになる。彼のコレクションを見ながらのディナーはまた格別だ。
自動車界の工芸品と謳われるパガーニ。自社生産拠点では約800点ものマシニング加工部品を投入し、ステアリングは42kgのアルミ塊から1.5kgまで削りだす。アルミに加えチタン加工も行い、最新設備で精度を磨く。約5億円にもおよぶ車両価格にも関わらず、最新機「ウトピア・ロードスター」の160台は完売。
この記事はGOETHE 2026年4月号「総力特集:人生を変えるモノ&コト 最幸の贅沢」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら








