最上ブランドの頂点にして、世界に唯一無二。トップランナーのために仕立て、創造されるスペシャルワンなクルマと時計。走りと時が交差する、超絶美を纏ったマスターピースを追う。今回は、ロールス・ロイスを紹介する。【特集 最幸の贅沢】

ビスポークできないものはない、“走る現代アート”的表現
ロールス・ロイスもまたラグジュアリーブランドの雄として、“原点回帰”を果たしつつある。かつてはエンジンつきシャシーを供給された顧客が、コーチビルダーと呼ばれる専門ボディ架装業者と組んで、ロールス・ロイスを作り上げていた。
生産性を高めるべく基本のボディ形状を定めて自社で生産するようになってからも、内外装のオーダーはビスポークを貫いてきた。今では世界に5ヵ所あるプライベート・オフィス(グッドウッド本社、ドバイ、上海、ニューヨーク、ソウル)にて、選ばれしVIPカスタマーは色や材質の選択といった特別オーダーはもとより、車体すべてをアート表現の媒介として活用する至高のビスポークを行使できる。
ダッシュボードパネルをキャンバスに見立てて著名なアーティストによる芸術的な装飾を施したり、テキスタイルのありとあらゆる手法をシートに適用したり、金やサファイアといった貴金属を随所に散りばめたり、天の川をルーフライナーに流してみたり……。創造力の限界を極めた“走るアート”空間が生まれるというわけだ。そしてブランド側もまたプライベートコレクションを積極的に発表し、顧客の感性を刺激している。
さらに近年ではコーチビルド部門を本格稼働させている。これは黎明期のロールス・ロイスがそうであったように、ボディスタイルまでも顧客の好みに応じて作り上げるという究極のビスポークだ。2017年に発表された「スウェプテイル」がそのきっかけで、2021年には「ボートテイル」を発表している。その価格はなんと30億円以上であった。
特別な顧客のために、趣味と嗜好をクルマで表現するロールス・ロイスのビスポーク。その表現手法はさらに広がり、3D刺繍、3Dインク積層、立体象嵌(ぞうがん)、24金箔、研磨コンクリート、手描きスターライトまで多彩に。オーダー体験そのものも刷新され、グッドウッドに加えドバイ、ソウル、上海、NYのプライベートオフィスが本格稼働。現在、受注は前年比2倍に達しているという。
この記事はGOETHE 2026年4月号「総力特集:人生を変えるモノ&コト 最幸の贅沢」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら







