一般に、ロールス・ロイスというとショーファーカーだと思われがちだ。しかし、排気量6.75ℓのV型12気筒エンジンを搭載するゴーストは、ドライバーズカーとしても圧倒的なパフォーマンスを発揮する。2025年2月26日、生まれ変わったゴーストが「シリーズⅡ」として発表された。それは美の表現を目的とした姿形を纏い、最先端のデジタルテクノロジーを満載する1台に進化した。

目の肥えた人々の心を捉えるクルマ
現在、ロールス・ロイスのオーナーの平均年齢は43歳だという。同じグループのBMWよりも若いだけでなく、MINIよりも平均年齢が低いという事実に驚かされる。2010年は56歳だったというから、この十数年で13歳も若返ったことになる。
理由のひとつとして、SUV「カリナン」のヒットが挙げられる。ただし、それだけでは説明がつかない。なぜならロールス・ロイスと同様に、世界中のプレミアム・カーブランドも魅力的なSUVを用意しているからだ。
なぜ、ロールス・ロイスは若い富裕層から支持されるのか?
その理由は2025年2月より日本市場への導入が始まった「ゴーストⅡ」で理解できる。「ゴーストⅡ」は2020年に発表された「ゴースト」をリファインしたもの。デザインだけでなく、テクノロジーも大きく進化している。
まずエクステリアデザインの特徴は、押しだしを強くするために盛るのではなく、削ぎ落とすことで本質的なプロポーションの美しさを表現していることだ。無駄な装飾を排除するアプローチは現代的だ。一方で、パンテオン神殿をモチーフにしたフロントグリルやスピリット・オブ・エクスタシーのマスコットが、このブランドの正統性を伝える。
インテリアも同様に、革新と伝統が融合。デジタル技術を最大限に発揮する最新のインターフェイスと、伝統のクラフツマンシップが見事に融合している。つまり、造形も技術も最先端だから若い層から支持される。同時に、これまで積み上げてきた歴史に裏づけされた新しさだから、目の肥えた人々の心を捉えるのだ。
残念ながらまだ試乗はできていない。しかし、改良前ですら6.75ℓ V型12気筒エンジンは、摩擦というものが存在しないかのように大柄なボディを加速させ、乗り心地は魔法の絨毯か筋斗雲のようだった。
平日は後席に座り、週末は自らハンドルを握り家族や仲間と豊かな時間を楽しむ。そんな43歳の姿が目に浮かぶ。
ROLLS-ROYCE GHOST SERIES Ⅱ

エンジン:6750cc V型12気筒
ボディサイズ:全長5545×全幅1998(ミラー含まず)×全高1573mm
最高出力:420kW/571PS@5000-6000rpm
最大トルク:850Nm@1600-4250rpm
車両重量:2490kg
価格:¥38,754,040〜
問い合わせ
ロールス・ロイス・モーター・カーズ TEL:03-4580-9101