クルマ生活を豊かにしてくれるセカンドカーを考える不定期企画。今回は、子どもとシェアするセカンドカーとして、レクサスLBXにスポットをあてた。
世界の名車を知る人が納得するモデル
セカンドカーがあると、クルマ生活はもっと豊かになる。1台が2台に増えるわけだから、2倍楽しくなる計算だ。けれども、実際に“2台持ち”生活を実践している方を見ると、2の2乗で4倍はエンジョイなさっているように感じる。
というのも、きちんとしたセカンドカーがあると、ファーストカーは荷物の載らないスポーツカーでも信頼性に不安のあるヒストリックカーでも、自由自在に選ぶことができるからだ。自身のクルマ趣味を思い切り深めることができる。というわけで、本連載では不定期にセカンドカーについて考えてみたい。
セカンドカー導入にあたって一番の壁となるのは、「無駄ではないか?」という心理ではないだろうか。通勤や通学にクルマを使っている方以外は、多くの方の愛車が1週間のうち5日はガレージで惰眠を貪っているはず。そこにもう1台加わるのはもったいないと、だれもが考える。
この壁を乗り越える方法のひとつとして、家族とシェアすることを提案したい。自分ひとりのためのクルマではなく、家族も楽しく使ってくれるわけだから、いいお金の使い方だ。今回は、息子でも娘でも、自分の子どもとシェアするクルマとして、レクサスで最もコンパクトなSUV、レクサスLBXを推したい。
まず自分が乗ることを考えると、内外装の質感が低いことは許せない。運転して退屈なクルマにわざわざお金を払うことは、それこそもったいないから、気持ちよく走れるモデルであってほしい。
子どもが乗ることを考えると、まだ運転経験の浅い彼や彼女には、コンパクトなサイズが好ましいだろう。同時に、自動ブレーキやペダル踏み間違え防止機能など、安全装備が充実したクルマを選びたい。
こうした要素をすべて満たす最適解のひとつがレクサスLBX。そもそもこのクルマは、トヨタ自動車の豊田章男会長がお気に入りの高級スニーカーを指さして、「このスニーカーのようなクルマを作ってほしい」という鶴の一声で開発が始まったという経緯がある。そもそものコンセプトが、世界の名車を知る人が普段使いするためのクルマ、というものなのだ。
スーパーカーから乗り換えても寂しくならない
というわけで、ノーマルのレクサスLBXでも充分にセカンドカーのニーズを満たしてくれるけれど、さらに運転を楽しみたいという方には、ぜひレクサスLBX MORIZO RRを薦めたい。モリゾウとは豊田章男会長のサーキットネーム、RRとはモリゾウ選手が所属(所有?)するレーシングチーム、ルーキーレーシングの略だ。
このネーミングからもわかるように、レクサスLBX MORIZO RRはモリゾウ選手と彼が信頼するレーシングドライバーとともに開発したスポーツモデル。サーキットで行われた試乗会では、その完成度の高さとパフォーマンスに心打たれた。
排気量1.6ℓ直列3気筒ターボエンジンは、乾いた快音とともに回転を上げ、めくるめくような加速を味わわせてくれる。後で取材したところ、スピーカーの音響効果もこの快音をアシストしているとのことで、さすがにクルマ好きのツボをよくご存知だ。
高性能車の場合、いまや2ペダルのATのほうが速くて燃費もいいということが常識になっていて、このクルマの8段ATもシフトの速さといい、滑らかさといい、文句のつけようがない。いっぽう、「やっぱり運転はマニュアル(トランスミッション)で覚えたほうがいいぞ」とご子息をたぶらかして(?)、6MTを選ぶのもアリだ。6MTは、シフトしたときの手応えのよさなど、細部まで丁寧に作り込まれている。
パワートレインと同じくらいか、それ以上に感銘を受けたのが、ハンドリング性能の高さだ。とにかく、思ったとおりに、理想のコーナリングラインをトレースすることができる。どんなクルマでもサーキットのコーナーを曲がることはできるけれど、感動しながらコーナリングできるクルマは少ない。それほど、ハンドル操作に対する反応が正確なのだ。
普段スーパースポーツにお乗りの方が、今日はゴルフで荷物が多いからこのクルマで行こう、ということになっても、遅いとか走りが退屈だからという理由でがっかりすることはないだろう。
あと、このクルマはフルタイム4駆だから、タイヤさえ適切なものを用意すればスキーやスノボ、あるいは東北の雪見温泉旅行などでも活躍が期待できる。
MORIZO RRに限らず、レクサスLBXの大きな魅力は、“Bespoke Build”が設定されていることで、内外装を自分の好みで仕立てることができる。子どもたちとワイワイガヤガヤ、喧々諤々、内装の色で議論するのも楽しいだろう。
クルマを仕立てる楽しみ、デザインを愛でる楽しみ、そしてファン・トゥ・ドライブと、レクサスLBXはクルマを楽しむ術をトータルで提供してくれる。このクルマにふれた子どもたちは、きっとクルマ好きになるはずだ。
レクサスのオフィシャルホームページには“Bespoke Build”の3Dシミュレーションが用意されていて、これを始めるとあっという間に時が過ぎてしまう“時間泥棒”だ。お子さんと仕様を決める際には、充分に注意されたい。
問い合わせ
レクサスインフォメーションデスク TEL:0800-500-5577
サトータケシ/Takeshi Sato
1966年生まれ。自動車文化誌『NAVI』で副編集長を務めた後に独立。現在はフリーランスのライター、編集者として活動している。