マクラーレン「750S」の姿形は、従来型の「720S」と大きく変わらないように見える。しかしV8ツインターボ・エンジンを回し、ハンドルを切り、ブレーキを踏むと、運動性能が格段の進歩を遂げ、ドライバーとの意思疎通も濃密になっていた。「THE MAGARIGAWA CLUB」で行われた試乗会で、その魅力を存分に味わった。連載「NAVIGOETHE」とは……
「ザ・マガリガワ・クラブ」が似合う、ハイパワーかつ安心なクルマ
千葉県・南房総の「ザ・マガリガワ・クラブ」は、ゴルフクラブのような会員制のドライビングリゾートだ。会員とその友人はサーキット設計の大家、ヘルマン・ティルケ氏が携わったロードコースを堪能できる。
スパやドッグランが充実しているから家族で楽しめるし、雰囲気のいいレストランの料理は絶品だ。ちなみに、2020年に2500万円で売りだされた会員権は、3年後には3,600万円にまで価値を上げた。そして現在も会員を募集している。
ここを利用するのにふさわしいクルマは何か? 熟練メカニックが常駐するガレージには古今東西の名車が収められているという。マクラーレン「750S」の試乗会でこのコースを走ると、間違いなくこのクルマも似つかわしい1台だと実感した。
数多のF1規格のコースを設計したティルケ氏が関わっただけあって、コースレイアウトはテクニカル。1周3.5㎞のコースの登りの最大傾斜が20%、ストレートも800mあるから、V8ツインターボの怒涛のパワーを満喫できる。
そしてストレートエンドと最大傾斜16%の下り坂では、路面に吸いつきながら減速するブレーキが絶大な安心感をもたらす。待ち受ける22のコーナーを軽やかにクリアするアジリティの高さは特筆もので、ここではエンジンの電光石火のレスポンスも堪能可能だ。
F1の過酷なバトルで得た技術と経験を注ぎこんだマクラーレン750Sだからこそ、この難コースを楽しめるのだ。派手に飾り立てる“高級”ではなく、運動性能の本質を極めるというマクラーレンの哲学が、このコースでは明らかになる。
「ザ・マガリガワ・クラブ」にはもうひとつの顔があり、オーナー同士の交流の場になりつつあるという。いわば、英国のジェントルマンズ・クラブのようなコミュニティである。
パフォーマンスはもちろん、デザインや上質さなど、紳士の愛車としての品格を備えているという意味でも、この場所にマクラーレン750Sはふさわしい。
MCLAREN 750S
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マクラーレン・オートモーティブ https://cars.mclaren.com/jp-ja
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