第一線を走り続ける仕事人には人知れず、心を鎮める場所がある。今回は、フリーアナウンサー・安東弘樹氏が大切にする「ガレージ」をご紹介。日々の荒波をくぐり抜けるために必要不可欠な趣味部屋の正体とは。【特集 多拠点邸宅】
24時間365日! カーライフを愉しむサステナブルな秘密基地
「自分の尺度でいえばこれで十分。この秘密基地から拡がる仕事と、充足のクルマ道楽に日々満たされています」
謙遜しながら開口一番こう答えたのはフリーアナウンサーとして活躍する傍ら、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員(COTY)も務める安東弘樹氏。これまで40数台の愛車を乗り継ぐ、自他ともに認める無類のクルマ好きだ。
千葉の自宅から都心の仕事場まで往復100㎞超の通勤を毎日続けること10年余。家族用SUVも含めた計3台・12輪生活を謳歌する安東氏にとって『運転している時が、至福の時』。その相棒というべき愛車+αを保管できるガレージは悲願だった。
「局アナからフリーへの転身を決断した50歳の節目。退職金で自宅ローンを完済すると同時にガレージハウスが欲しくなった時でした。COTY選考委員としてさまざまなご縁に恵まれ、さらに最新試乗車を駆ってペンを執る機会も続々と増えた。それら試乗車を安全に駐めるためにも駐車場の確保が必然でした」
12輪生活+αを叶える土地を近場に発見
2021年、家族と過ごす自宅から自転車で5分の距離に安東氏のガレージハウスは建てられた。広さ約50㎡の2階建ては、屋内保管の2台分に加え、屋外には1台分が駐車可能。2階の書斎スペースではひとり時間に没入できる。
「お気に入りはアメリカから取り寄せた電動シャッター。リモコンで稼働させるたび、気分が盛り上がる。まるでサンダーバードの秘密基地です。出発時は仕事へ向けてスイッチを入れる瞬間、“帰還時”は緊張がほぐれ、ただただクルマを“降りたくない”という気持ちです(笑)」
2023年は初めての電気自動車を購入。建築当初から屋根全面に太陽光パネルを設置してオール電化に。自然エネルギーを使い、サステナブルを追求する一面も。
「56歳になり、最近ふとドライバーとしての終活を意識し始めました。運転が少しでも“できない”と感じたら、いつでもキーを置く覚悟です。それは10年後かもしれないし、明日かもしれない。この先悔いのない人生を送ろうと考えた時に、最後の一台を愛で続けるのもカッコいいかなって。クルマ好きの長男がもしMT免許を取得したら、このガレージとともに大好きなロータスを乗り継いでもらえたら」
愛車が紡ぐ親子のクルマ愛が秘密基地を舞台に走りだす。
安東弘樹/Hiroki Ando
1967年神奈川県生まれ。フリーアナウンサー。愛車遍歴47台(ほぼMT車)を誇り、最初の愛車以来一度も自動車ローンが途切れたことがない。最後まで乗る覚悟のロータス エリーゼほか電気自動車プジョー e-208などを愛でる。
この記事はGOETHE 2024年3月号「総力特集:多拠点邸宅」に掲載。▶︎▶︎購入はこちら