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2023.03.14

祝・ギネス新記録認定! 日本人は、なぜランボルギーニが好きなのか?

2023年、スーパーカーの代名詞ともいうべきランボルギーニが、創業60周年を迎えた。これを祝うイベント「60th Anniversary Lamborghini Day」が鈴鹿サーキットで行われ、約280台のランボルギーニが集結した。連載「クルマの最旬学」とは……

「60th Anniversary Lamborghini Day」

日本人とランボルギーニは相思相愛

見慣れているはずの鈴鹿サーキットの駐車場が、非日常の空間になっていた。ランボルギーニの創業60周年を祝うイベント「60th Anniversary Lamborghini Day」に参加するために、日本中のオーナーたちが駆けつけたのだ。

さすがにスーパーSUVのウルスやウラカンなど、最近のモデルが多いけれど、1960年代の名車ミウラや、1970年代のスーパーカーブームの立役者であるカウンタックなど、歴史的なモデルもちらほらお見受けする。

「60th Anniversary Lamborghini Day」

この日、鈴鹿サーキットに集まったランボルギーニは約280台。そのなかには、写真でしか見たことがない、貴重なモデルも含まれていた。

ランボルギーニの2022年の国別販売台数を見ると、日本はアメリカ、中国(香港とマカオを含む)、ドイツ、英国に次ぐ第5位。しかも日本市場は対前年比でプラス22%と、ほかの市場に比べて伸び率が高い。

ランボルギーニは本年1月にイタリアで創業60周年記念イベントを開催しているけれど、本国以外の国で開催するのは日本が初となる。このブランドが、いかに日本市場を重視しているのかがわかる。日本のクルマ好きとランボルギーニは、相思相愛の関係にあるのだ。

「60th Anniversary Lamborghini Day」

こうして見ると、鮮やかなカラーリングを選ぶオーナーが多いことがわかる。ランボルギーニというブランドのキャラクターがよく表れている。

では、日本人はなぜこんなにもランボルギーニのことが好きなのだろうか。

ひとつに、スーパーカーブームの影響があることは間違いない。現在の40代から50代はランボルギーニ・カウンタックが世界で一番カッコいいと刷り込まれており、しかもランボルギーニは最新モデルにもきちんとカウンタックのモチーフを散りばめている。成功した大人が、子どもの頃の夢を“大人買い”できるのがランボルギーニなのだ。

けれども、それだけではないと感じたのは、鈴鹿サーキットの本コースで250台以上の新旧ランボルギーニがギネス記録を狙って行ったパレードランを見た時だ。パレードが、「Largest parade of Lamborghini cars」(ランボルギーニ車による最大のパレード)というギネス記録に認定されるには、以下の条件を満たす必要がある。

参加台数が100台以上、走行距離が3.2km以上、パレードの車間距離は2台分以内。はたして251台のランボルギーニがパレードを行い、見事にギネス記録に認定された。

「60th Anniversary Lamborghini Day」

「60th Anniversary Lamborghini Day」

1960年代、70年代のモデルも順調に走行して、ミッション達成! 鈴鹿サーキットに乾いた美爆音が響いた。

1960年代から現代に至るまで、さまざまなランボルギーニで共通しているのは、「ルック・アット・ミー!」とか、「エンジンのサウンドを聞いて!」というメッセージを発していることだ。「実るほど頭を垂れる稲穂かな」という文化で育ってきたわれわれ日本人にとって、成功した人が成功の証を堂々とお披露目するのは新鮮だ。しかもランボルギーニはスタイリングも音も陽気で突き抜けているから、見ているこちらも幸せな気持ちになり、「成功してよかったね!」と素直に声をかけたくなる。

お金持ちがお金を持っていることを隠したり、成功した人を妬むような、そんな日本のジメジメとした雰囲気の真逆にあるから、日本人はランボルギーニを好きになるのではないだろうか。

もうひとつ、ランボルギーニの歴史も日本人の心に刺さるような気がする。ご存知のように、トラクター会社の社長だったフェルッチオ・ランボルギーニは、愛車フェラーリの改善点をエンツォ・フェラーリに提言したところ、冷たい態度であしらわれた。「だったら自分で作ってやる」というのがこのブランドの出発点で、この物語が日本人の判官贔屓の心情に訴えるのかもしれない。

「60th Anniversary Lamborghini Day」

「60th Anniversary Lamborghini Day」

アウトモビリ・ランボルギーニのチェアマン兼CEOのステファン・ヴィンケルマンがギネス記録の認定証を受け取った。

周囲の人まで幸せにするクルマ

見事にギネス記録を更新したランボルギーニのうち、約50台は3日かけて鈴鹿サーキットから京都、奈良へとツーリングする「Lamborghini GIRO Japan 2023」に参加した。筆者も、最新のSUVのウルスと、見るからにスーパースポーツらしいスーパースポーツのウラカンのハンドルを握り、取材者としてGIRO(イタリア語で旅の意)に同行した。

「60th Anniversary Lamborghini Day」

平安神宮周辺を行くランボルギーニの集団に、観光客は一斉にスマホを向けた。

ランボルギーニを運転して古都を走りながら、こんなにスマホを向けられるクルマはほかにないと実感した。みなさん、笑顔でスマホを向ける。ちょっとアクセルペダルを踏み込んで、「フォン!」という音を響かせると、笑顔がさらに弾ける。
ドライブしている人間だけでなく、周囲も楽しい気持ちにさせる能力は、ランボルギーニが世界一だ。

京都や奈良の狭い道で感じたのは、意外にも運転がしやすいことだった。車幅があることは充分に気をつける必要があるけれど、ハンドルやアクセルの微妙な操作に対して、繊細に反応してくれる。機械としての出来がいい。これも、近年のランボルギーニが順調に業績を拡大している理由だろう。
SUVのウルスだったら荷物は載るし、乗り心地は快適だし、普通にファミリーカーとして使える。

ただし、ドライブモードで「CORSA」(レースの意)をセレクトすると、爆音と噛み付くようなエンジンのレスポンスで、あっち側の世界に連れて行かれそうになる。整理整頓された日常と、夢のような非日常を行ったり来たりできるのもランボルギーニの魅力で、これを一度味わうとフツーのスポーツカーには戻れなくなる。

創業60周年を迎えたランボルギーニは、今年いよいよ初のハイブリッドモデルを発表する。電動化や自動運転の時代に、ランボルギーニはどんなアイデアで私たちを驚かせてくれるのだろうか。

「60th Anniversary Lamborghini Day」

「Lamborghini GIRO 2023」のひとこま。古都を走り、史跡を訪ねる行程を、オーナーたちは心から楽しんでいた。

Takeshi Sato
1966年生まれ。自動車文化誌『NAVI』で副編集長を務めた後に独立。現在はフリーランスのライター、編集者として活動している。

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TEXT=サトータケシ

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