日本の蒸留酒の歴史が始まって、約500年。伝統をつなげていくためにその価値を追求し続ける造り手が、新たな蒸留酒文化を開花させている。今回は、いいちこ日田蒸留所・三和酒類 代表取締役社長の西和紀氏に話を聞いた。【特集 弩級のSAKE】

麹文化で世界のスピリッツシーンに挑んでいく
麦焼酎メーカーとして圧倒的なシェアを誇る「いいちこ」を有する三和酒類。本格焼酎の市場を広げるべく、1986年に輸出を開始、2013年からは本格的な開拓へと舵を切った。駐在員を米国に置き、市場開拓に励むが、そこで知るのは飲酒文化の圧倒的な違いだ。
その状況を攻略すべく三和酒類の進撃が始まる。米国トップバーテンダーとともに開発した高度数の本格麦焼酎は、天(世界)に新しい彩りを加える商品として「iichiko彩天」と名づけられた。軽やかで飲みやすい従来品とは一転し、麹の蒸留酒である本格焼酎の個性を最大限に生かした個性ある風味を持つ。
どの洋酒にも持ちえない旨味を、麹で表現できるユニークさが受け、2019年の米国での先行発売後、品評会で数多くの賞を受賞。今年(2025年)、逆輸入で入ってきた新たな焼酎に、バーテンダーからの熱い視線が注がれている。
「本格焼酎も、俯瞰すれば世界にある蒸留酒の仲間。ジン、テキーラ、ウイスキーなどと並んで焼酎の場所をつくりたいと考えています」(西社長)
味わいは世界水準に合わせ、日本銘柄としての精神性は奥に秘めて。本格焼酎を世界に広める挑戦は、今が正念場だ。

1971年東京都生まれ。三和酒類代表取締役社長。2001年三和酒類入社。製造、営業を経て、2009年代表取締役営業部長となり海外事業も担当。代表取締役常務、代表取締役専務、代表取締役副社長を経て、2023年より現職。
いいちこ日田蒸留所/iichiko Hita Distillery
住所:大分県日田市西有田810-1
TEL:0973-25-5600
この記事はGOETHE 2026年2月号「総力特集:その一滴が人生を豊かにする、弩級のSAKE」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら







