食に対して圧倒的な情熱とこだわりを持つ秋元康、小山薫堂、中田英寿、見城徹が選ぶ、最強にして超最新レストランガイド「ゲーテイスト2025」。人生をアップデートする「特別な美食体験」ができる店から、今回は埼玉・東川口の「割烹 樋山」をご紹介。

秋元「眩暈がするほどに芳しい、松茸づくしのコースに歓喜!」
東川口で40年続く日本料理店『割烹 樋山』。多くの食通が「この世の桃源郷」と言う理由は、松茸をはじめ蟹やふぐなど、とびきりの旬の味覚が満載のコースにある。日本中からこの店に集まる松茸の“禁断の味”を知れば、もう後戻りはできない。
秋元 「西山(知義)のお薦めにハズレなし」というのは僕の持論なのですが、こちらのお店も例外にあらず。最初に連れていってもらった時の衝撃は今でも忘れられないです。
見城 東川口という場所で、すごいことをやっているんだよね。
中田 僕はまだうかがったことがなくて。
秋元 本当にすごいよ。年に何回か予約を入れさせていただいているのだけれど、圧巻はやっぱり松茸。早ければ5月くらいから食べられますが、あっぱれという言葉以外、見つからないほど美味しい。
小山 噂を聞きつけて、全国の医者が高級車で乗りつけていた時代もあったとか。
見城 外観は地元の古びた小料理屋という雰囲気だけれど、そこでとてつもない料理を出すというギャップにしびれるよね。
秋元 僕は意外性というか、予定調和じゃないお店に本当に弱いんです。もうね、こちらの焼き松茸を思い出すだけでも口のなかによだれがわき出てくるほど(笑)。まず表面に浮き出たエキスをじゅっと吸って、それを手で裂きながら食べる。炭火でじっくりと焼かれたかさの部分には旨みエキスが凝縮したスープがたっぷりと溜まっていて、それをくっと飲み干した瞬間、思わず天を仰ぎ見ます(笑)。松茸が大好物という人でなくても、この味には抗えないはず。あと、松茸と牛サーロインのすき焼きも絶品です。
小山 松茸のコースであれば、最後はもちろんお約束の?
秋元 松茸ごはんです。お米とほぼ同量の松茸が入っていてお腹いっぱいだったらお土産にしてもらいます。かなり食べる人でも、最後はお腹がはちきれそうになると思う。
見城 今、新規の予約は受けてないんだよね?
秋元 そのように聞いています。本当に得難い食体験ができる、宝物のようなお店です。
この記事はGOETHE 2025年9月号「特集:陶酔レストラン ゲーテイスト2025」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら