GOURMET

2025.04.11

気鋭の茶人が手がけた、東銀座の日本料理店「木挽町 㐂一」

東銀座の「木挽町 㐂一」と南青山の「即今」はどちらも当代気鋭の茶人がプロデュースする日本料理店。美意識に満ちた空間で旬の美味を味わい、季節を堪能したい。今回は、「木挽町 㐂一」を紹介する。

「木挽町 㐂一」の筍 姿焼
旬の筍を丸ごとじっくり炭火で焼き、とうもろこしのような甘味を引きだした「筍 姿焼」。器は古染付網手中皿。日本酒は1合¥1,650~。徳利と盃は李朝堅手。

季節の美味を盛りこんだ温故知新の懐石料理

東銀座の小道に面した「木挽町 㐂一」は、茶道指導の傍ら執筆活動や展覧会などのコーディネートなども手がける茶道家、木村宗慎氏が監修する日本料理店。カウンターで腕を振るう料理長の島田一馬氏は、さまざまな名店で活躍したベテランで、木村氏に師事しお茶も学んでいる。

月替わりの懐石は、先付2品から煮物、造り、焼物、合肴、強肴、食事、水菓子、菓子と抹茶までの10品構成。走り・旬・名残の素材を巧みに取り交ぜた懐石には、美味しさだけでなく「季節の取り合わせや趣向を伝える」ことも意識し、歳時記や節句にちなんだ料理も組みこまれる。

例えば4月の煮物椀は、旬の盛りの真鯛を2種の方法で調理した「鯛の源平仕立て」。源平仕立てとは、源氏(白)と平家(赤)の旗の色に由来し、赤と白の二色を取り入れた料理のこと。幽庵焼きにした鯛の白い身と酒蒸しにした鯛の皮目の赤さを生かした椀種は、古典的な趣と旬の旨みが調和した、端正な味わい。鯛の骨からとった出汁の澄んだ旨みも絶妙だ。

奥行きのあるカウンターの奥には骨董の酒器なども並び、茶人の美意識に触れる喜びも味わえる。

木挽町 㐂一/Kobikicho Kiichi
住所:東京都中央区銀座7-15-7 クオリア銀座 やま祢ビル 1F・B1
TEL:03-6264-1907
営業時間:11:30~L.O.13:00、17:00~L.O.21:00 
定休日:日曜、祝日、その他不定休あり
座席数:カウンター8席、個室2室 
料金:コース¥27,500~
※完全予約制

TEXT=小松めぐみ

PHOTOGRAPH=田村浩章

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