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2025.04.12

茶道宗和流、懐石から始まる正式な茶会“茶事”を楽しめる日本料理店、南青山「即今」

東銀座の「木挽町 㐂一」と南青山の「即今」はどちらも当代気鋭の茶人がプロデュースする日本料理店。美意識に満ちた空間で旬の美味を味わい、季節を堪能したい。今回は、「即今」を紹介する。

「即今」の料理
折敷の中は炊き立ての白飯、蒸豆腐と海苔の味噌汁、ミル貝と防風の辛子酢味噌和え。焼物は筍醤油ダレ 花鰹。飛騨高山の舩坂酒造店の日本酒「真人白水」つき。

茶室を移動ながら楽しむ“茶事”体験

主人の宇田川宗光宗匠は、金森宗和を祖とする茶道宗和流の18代目。「さまざまな人に茶道本来の楽しさを体験をしてほしい」という思いから2019年に開いた「即今」は、懐石から始まる正式な茶会“茶事”を楽しめる店だ。

茶事には主人が趣向を凝らした設(しつら)えや懐石料理、濃茶、薄茶など、茶の湯の魅力が凝縮されているが、慣れない人には長時間の正座や作法がネックになるもの。「即今」ではそういったハードルの高い要素を除き、誰でも茶事を楽しめるようにアレンジしたコースが3種用意されている。

店内には足をおろせるように造られた茶室が3つあり、コースの進行に伴い茶室を移動することで場面が切り替わるのが特徴。例えば最も短いコースは、最初に広間で香煎(こうせん)と主菓子、次に小間でスタッフの点前による薄茶をいただき、再び広間で懐石料理を楽しむ構成だ。

月替わりの献立は明治大正時代の茶会記が記録された「東都茶会記」を取り入れ、季節感を細やかに表現。板長の岩谷博一氏は、雅びな道具を好むことから「姫宗和」と呼ばれる宗和流の特徴を意識して盛りつけているという。雅びな趣と茶事の楽しさを満喫したい。

即今/Sokkon
住所:東京都港区南青山5-12-4 全菓連ビルB1
TEL:03-6427-7787 
営業時間:11:30~L.O.13:00、17:00~L.O.20:00 
定休日:無休
座席数:15席、個室3室
料金:ランチコース¥4,800~、ディナコース¥15,000~

TEXT=小松めぐみ

PHOTOGRAPH=田村浩章

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