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2023.10.18

「料理が主役になってはいけない!?」令和の時代、ビジネス会食の正しい姿と、本当に使える2店

各界の第一線で活躍する仕事人が実際に通う、発想を豊かにし、仕事も人生も豊かにする“推しメシ”を紹介するリアル・レストランガイド【連載 新エグゼクティブが通う、本当に行きたい店】。ワンメディア・明石ガクトさん、フリーアナウンサー・宇賀なつみさん、GO・三浦崇宏さん。普段からおいしいもの情報を交換し合い、旨いものがあると聞けば東へ西へと足を運ぶという。一食たりともハズしたくない3人に会食におすすめのレストランを聞いた。

連載「新エグゼクティブが通う、本当に行きたい店」/第4回

会食の定義とは。明石ガクトの会食のススメ

仕事相手と会って食事をすることが会食にあらず。会食とはビジネスの一部。その場における会食とその店選び、食事中のマナーについて明石ガクトが熱弁をふるう。

令和の時代にあるべき会食の正しい姿とは?

宇賀 “会食”ってそもそもよくわからないです。

明石 いわゆるビジネス会食ですよね。食事をしながらもしくは食事のあとに、商売の話をする。もしくは仕事の話をした後に、ちょっと、じゃあご飯でも行きますか、みたいなのが会食。まあ、接待と言ってもいいかもしれない。

宇賀 やっぱりそういうのは経験ないかもしれません。仕事相手との食事会とか飲み会とは違うわけですよね。

三浦 僕は同じような感覚かな。

明石 いえ、会食と食事会はまったくの別物、似て非なるものです。会食においては、料理が主役になってはいけない。それだと、ご飯を食べに行くことが目的になってしまうわけです。

「美味しいですね」「これはどこの牛肉ですかね」なんて話が中心になってしまうと、会食として機能しない。料理はあくまでも脇役。仕事をテーマにした会話がメインになるのが会食です。だから店選びも慎重にならざるをえない。

三浦 明石さん、珍しくちゃんとしたこと言いますね(笑)。僕も6年間社長やっていますけど、そんなこと考えてなかった。美味しいものを一緒に食べて仲良くなれたらいいなくらいの感覚。

The Breakthrough Company GO代表、PR・クリエイティブディレクターの三浦崇宏、フリーアナウンサー宇賀なつみ
三浦崇宏/Takahiro Miura(左)
The Breakthrough Company GO代表、PR・クリエイティブディレクター。1983年東京都生まれ。「人生の唯一の楽しみが食。年間450食くらい外食しています」。
宇賀なつみ/Natsumi Uga(右)
フリーアナウンサー。1986年東京都生まれ。「グルメではないけど食い意地は張っています」。

明石 会食には明確なゴールイメージが必要なわけです。契約を一歩進めるとか、次の約束を取り付けるとか、未来の仕事に向けた足がかりを作っておくとか。

宇賀 懇親会ではないわけですね。

明石 明確に違います。懇親会と会食のいちばんの違いは、その場にしか来ないような偉い人が来るということ。そうなるとむしろ懇親どころじゃない。現場の人はおいそれと喋れなくなりますから。

三浦 なるほどー。明石さん、マスターオブ会食だ。

明石 もうひとつ、付け加えるなら、会食において割り勘はありません。必ずどちらかが支払う。

そこで大切なのは、相手が払うときはお礼の手土産を持っていくということ。このお土産は、その相手というより相手の家族に向けたものを選ぶのが理想的です。こんな夜遅くまで付き合わせてすみません的な感じが伝わるものがいい。

宇賀 なんかすごすぎて、いやらしい(笑)。

三浦 で、どんな店が会食に向いているわけですか?

明石 ひとつの基準は名刺交換が似合う店かどうか。肩の力を抜くような店で名刺交換って無粋じゃないですか。

三浦 格式を感じさせる店のほうがいいわけですね。

明石 でも緊張感がありすぎてもいけない。当然、仲良くなることも大切ですから、少しはくだけた雰囲気もないと。その店のバイブスが大事なんです。

三浦 ちょっと面倒になってきた(笑)。それで、明石さんが会食に使う店は?

明石 いろいろな条件を満たしてくれるのが、東京・恵比寿にある「創和堂」です。ここはまず飲み物の種類が豊富に揃っている。日本酒、ワインからレモンサワーまで、相手の好みに応じてなんでも対応可能。あと、店のスタッフが多くて、細かく丁寧に接客してくれる。

宇賀 お料理はどんな感じですか?

明石 そこが最大のポイントです。ここは最後の〆が土鍋ご飯なんです。ひとつ釜の飯を分け合って食べる。そこで連帯感が生まれるわけです。

ちなみに僕はここに1ヵ月に20回行ったことがあって、ガクトスペシャルというメニューまで生まれました。

宇賀 どんなお料理ですか?

明石 明太うどんなんですけど、バターをたっぷり使っています(笑)。

三浦 ようやく明石さんらしいエピソードが出てきた。じゃあ、そろそろ私も一軒。明石さんからみると会食とは言えないかもしれないけど、私が仕事相手との食事につかうのは東京・南青山の「Sudachi」です。

ラ・ボンバンスの系列なので、料理の美味しさは折り紙つき。ここは名前がスダチなので、退職とか転勤する人の送別会に使うことが多いです。でもやっぱりそれだと懇親会だよなあ。手土産とかないし(笑)。

明石 会食は会食。みんなしっかりマナーを守ってほしいなあ。

ワンメディア代表取締役CEO・明石ガクト
明石ガクト/Gakuto Akashi
ワンメディア代表取締役CEO。1982年静岡県生まれ。「僕にとって食は一日を幸せに終えるための装置なんです」。

大事な会食に最適な店2選

1.創和堂
明石's Recommend

2020年にオープンした旬の食材と厳選した酒を楽しむことができる和食割烹。渋谷の人気居酒屋「酒井商会」の姉妹店で、看板のない隠れ家的雰囲気も魅力。

創和堂/Sowado
住所:東京都渋谷区広尾1-12-15 リバーサイドビル1階
TEL:非公開
営業時間:17:00~L.O.22:00
定休日:日曜・不定休
公式インスタグラム:@sowado_ebisu
写真は「黒岩土鶏と炭火焼万願寺の土鍋ごはん」。

2.Sudachi
三浦's Recommend

東京・青山にある「ラ・ボンバンス」の姉妹店。ラ・ボンバンス同様、和食でありながらその常識を超える素材や調理法で、驚きと歓びに満ちた時間を楽しむことができる。

写真は「茄子の牛ロース包み、雲丹乗せ」(月替わりの¥22,000コースの料理の一例)。
Sudachi/スダチ
住所:東京都港区南青山7-12-12 B1F
TEL:03-6433-5386
営業時間:ランチ11:30~L.O.13:00、ディナー18:00~21:00(最終入店)
定休日:第1・3日曜、月曜、火曜のランチ
公式インスタグラム:@sudachi_minamiaoyama
写真は「茄子の牛ロース包み、雲丹乗せ」(月替わりの¥22,000コースの料理の一例)。

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TEXT=川上康介

PHOTOGRAPH=筒井義昭(人物)

HAIR&MAKE-UP=あきやまひとみ(宇賀なつみ)

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