食材王国と言われる北海道で、この土地ならではの美味のストーリーを紡ぐ人々がいる。広大で肥沃な大地の恵みと料理人の叡智が感動をもたらす食空間を、旅の特別な目的地にしたい。今回紹介するのは、札幌の「鮨 草平(そうへい)」。【特集 北海道LOVE!】
グローバルな感性で魅せる、匠の技が光る鮨の新星
オホーツク海、太平洋、日本海に囲まれ、合わせて6つの暖流と寒流が流れている北海道は海産物の聖地。地物の魚介を使った鮨はとりわけ人気が高く、国内外に名を轟(とどろ)かす店も多数あるが、なかでも注目度急上昇中なのが「鮨 草平」だ。
店主の松倉草平さんは学生時代にドイツ・ミュンヘンに暮らし、18歳であこがれの鮨職人を目指すべく築地の店へ。着実に腕を磨き、四谷「すし匠」の中澤圭二さんに師事。「世界の魚を美味しくする」という中澤さんの思いに感銘を受け「すし匠 WAIKIKI」の立ち上げメンバーとしてハワイへ。
その後は香港で「鮨よしたけ」プロデュースの「すし 志魂(しこん)」でも腕を振るい、2022年、奥様の生まれ故郷の北海道に自身の店を構えた。
「江戸前の技法を用いながら、道産食材をできるだけ使っていきたい」と話すように、ニシンや、大助と呼ばれる北海道のキングサーモンとの握りも。
粒立ちがいいハツシモという品種の米を使ったシャリは赤酢と米酢を魚種によって使い分け、前半のつまみから後半の握りまで緩急をつけて楽しませる。
伝統技術とグローバルな視点を持ち合わせる職人の新たな挑戦から目が離せない。
松倉草平/Souhei Matsukura
18歳で築地の鮨店へ。「すし匠」中澤圭二氏に師事し「すし匠 WAIKIKI」の立ち上げを支える。香港「すし志魂」を経て、2022年に自身の店をオープン。
札幌|鮨 草平/Souhei
「お客様に楽しみにしていただけるように」とつまみの写真撮影は原則禁止。予約は電話のほか、OMAKASEで1ヵ月先まで受け付けている。日本酒の種類も豊富。
住所:北海道札幌市中央区南2条西28-1-10
TEL:011-215-7757
営業時間:18:00~、20:30~(一斉スタート)※2023年8月から土・日曜、祝日は17:00~、19:30~
定休日:水曜
座席数:8席
この記事はGOETHE2023年9月号「総力特集:北海道LOVE!」に掲載。▶︎▶︎購入はこちら