地元の人が通う札幌の旨い店。カウンターに座れば、北海道への思いが溢れてくる。今回はゲーテ編集部が聞きこみ調査した札幌人の偏愛9品を紹介する。【特集 北海道LOVE!】
1. スープカレーを超える名物サラサラカレー
カリーハウスコロンボ
サラサラのカレールーに、ラード100%の油で揚げたサクサクのカツがのったカツカレーを求めて昼時は札幌人が殺到するこのカレーハウス。1973年開業、札幌初のカレー専門店として母娘2代にわたり営んでいる。水曜日限定の「煮込みハンバーグカレー」も人気で、札幌人の間ではカツ派かハンバーグ派かで分かれるのだという。ルーはお代わり自由というのもニクい。
2. ガッツリ系からスイーツ系まで、行列ができるサンドウィッチ
札幌サンドリア本店
サンドウィッチが常時30種類以上、365日24時間営業で、札幌人の心とお腹を満たしてくれるのが、創業45年の老舗のサンドウィッチ店。一番人気は、卵がつまったダブルエッグサンド。ガッツリいきたければカツサンド、甘いものならフルーツサンドと気分に合わせて選べる。
札幌サンドリア本店
住所:北海道札幌市中央区南8条西9-758-14
TEL:011-512-5993
営業時間:24時間
定休日:無休
3. 名店の味を進化させた激旨味噌ラーメン
麺屋 彩未
豚の骨、しいたけ、昆布、にぼし、鶏の足などからとったスープに味噌の風味が濃厚な味噌ラーメン。札幌の人気店「すみれ」の数少ない公認店で、その味を継承しつつ、独自のスープで進化を遂げる。コマ肉のチャーシューがゴロゴロ入っていて、さらに麺にはひき肉がからみつく。ラーメン激戦区の札幌で「彩未派」といえば、札幌人から一目おかれるというほど、道民誰もが支持する味。
4. 三度揚げにこだわった絶品ザンギ
中国料理 布袋 本店
しっかりした濃い味をつけて揚げられる唐揚げ「ザンギ」は道民のソウルフードのひとつ。なかでも創業25年の町中華「布袋」の「ザンギ定食」は、連日長蛇の列ができる人気の一品。それぞれ温度を違えた油で3度も揚げ、カラッと感が追求されたこの巨大なザンギが4つ。ピリ辛の麻婆豆腐とザンギで白飯を交互にかきこむ体験は、食事というよりもはやエンタテインメントだ。
5. 北海道神宮内限定の「判官(はんがん)さま」とは!?
六花亭 神宮茶屋店
北海道土産定番スイーツの六花亭が、北海道神宮内の茶屋のみで販売しているのが、この「判官さま」。外はパリッと焼き上げられた蕎麦粉を含んだモチモチの餅の中に、上品な甘さのあんこが。北海道の開拓使判官「島義勇(しまよしたけ)」にあやかって、「判官さま」と呼ばれている。参拝の折に、焼き立てをその場でほおばるのが、札幌人の神宮での流儀だとか!?
六花亭 神宮茶屋店
住所:北海道札幌市中央区宮が丘474-48
TEL:0120-126-666
営業時間:9:00~17:00
定休日:無休
6. 30余年愛される店の新定番牛タン炒飯
北福仁
創業36年、開業当時札幌では珍しかった牛タン専門店。親子2代で営まれるこの店で今、人気のランチが「牛タン炒飯」。スープとセット¥900で、細切れの牛タンがたっぷり。これが炒めた飯に合わないはずがない。牛タンの歯応えを感じながら、炒飯をほおばり、テールスープで流しこめば、札幌人の昼の充電は完了。もちろん夜は単品でも用意があるので酒のツマミにもオツだ。
7. 伝説のバーテンの意志を受け継ぎしカクテル
BARやまざき
札幌初のオーセンティックバーを築き、バーテンダーとして数々のタイトルを獲得、95歳までカウンターに立った伝説のバーテンダー山崎達郎さんの店。シグネチャーカクテルはウォッカベースの「サッポロ」。ジュネーブで山崎さんが大賞を勝ち取った1杯だ。好みを伝えればメニューにない特別オーダーも可能。札幌人たちはこのバーを経て、大人の嗜みを身につけるのだとか。
8. 居酒屋でかぶりつく北海道生まれの骨付鶏
骨付肉専門 徳太郎
札幌で長年営まれてきた酒屋、「鈴木徳太郎商店」が8年前に始めたのがこの居酒屋。ここでは道産の雛鳥の半身を鶏油でパリッと焼き上げた「骨付鶏」が人気だ。塩こしょうとガーリックのシンプルな味つけが、鶏そのものの旨みを引きだし、酒が進む。平日でも早い時間からこの鶏と酒を求めて多くの札幌人が訪れ、深夜まで空席を見つけるのが難しい人気店。
9. 炭火で焼き上げる香り高きジンギスカン
炭火焼倶楽部
アイスランド産の羊「サフォーク」を、炭火で焼いていただくジンギスカン。この店では1頭から、ほんの少ししか取れない羊のヒレ肉も味わうことができる。海辺で育った羊の肉は、海風を浴びて柔らかく、それを炭火で香りをつけながら焼いていく。北海道にいながら、同じ北国アイスランドを思うひと品。ジンギスカンを食べて育ってきた舌の肥えた札幌人たちが、日頃食べているのが、この味だ。
この記事はGOETHE2023年9月号「総力特集:北海道LOVE!」に掲載。▶︎▶︎購入はこちら