連載「ヴィンテージウォッチ再考」の第66回は、ロレックス「サブマリーナー Ref.5513 コメックス」を取り上げる。

特別な技術を搭載したレアモデル
ロレックスと深い信頼関係を持つ、フランス・マルセイユに拠点を置く世界有数の潜水専門会社コメックス。
コメックスと共同開発したモデルはどれも人気が高く、プレ値で取引されているものも多い。今回紹介する1971年製の「サブマリーナー Ref.5513」ファーストモデルも、それに該当する希少モデルだ。
このモデルは250本製造され、コメックスの社員に支給されたと言われており、裏蓋下部には小さく支給ナンバー(通称スモールナンバー)が刻まれている。
なお、こちらはバネ棒がハメ殺しになっているタイプで、初期製造の250本中に何本かのみ確認されている。
さらに、通常のモデルである「サブマリーナー Ref.5513」との決定的な違いは、飽和潜水の浮上時にヘリウムガスを自動排出する「ヘリウムエスケープバブル」を9時位置に装備している点。これはロレックスとコメックスが開発した独自の技術だ。
また、文字盤に「COMEX」のネームが入らない初期のコラボレーションモデルは、謎の多いコメックスのWネームモデルのなかでも傑出した存在である。
定番では物足りない人へ、うってつけともいえる逸品だ。
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