1兆円企業を一代で築いた男、前澤友作が目指す「国民総株主」とは一体どんな世界なのか。前澤氏初の著書となる『国民総株主』の一部を抜粋・再編集して紹介する。【その他の記事はこちら】

ZOZOが上場したときも株を配った
株を配りたいという思いは、ZOZOにいたときからありました。
ZOZO社は創業時から外部の資金を入れてこなかったこともあり、ずっと僕が100%株主でした。
ただ上場するにあたっては、それなりに株式の流動性を高めて「みんなの会社」にしていかなければいけません。
そのとき「じゃあ、どんな人に株主になってもらうのがうちの会社にとっていいんだろう?」と考えて、真っ先に思い浮かんだのが「社員とそのご家族に持ってもらおう」ということでした。
そして、次に考えたのが「お客さまにも株を持ってもらいたい」ということ。
そこで「ZOZOを名もなき頃から応援してくれていたすべてのお客さまたちに、株を配りたいんだけどどうしたらいい?」と財務部とか管理本部に相談して実現に向けて動きました。
これはあまり有名な話ではないのですが、本当にそのとき、お客さまに株を配りました。ただし、残念ながら僕が希望していたお客さま全員に、とはならず、1500人ほどのお客さまに株をお配りすることになりました。
株を配るお客さまはランダムに選ばせていただき、封書を郵送で送りご連絡をしました。中にはこんな内容の手紙を入れました。
「前澤です。いつも応援してくれてありがとうございます。おかげさまで上場できました。よかったら会社の魂でもある株をお譲りしますので受け取ってもらえないでしょうか?」
こうして上場直後に、1500人ほどのお客さまに当時1株9万円ほどの株を無償でプレゼントしたのです。そこから株価はかなり上がり、9万円が500万円(分割などを考慮後)くらいになったはずです。
今でもその株を持ち続けてくれている人はいるでしょうか。
思い返すと、これが僕の最初のお金配りだともいえますね(笑)。
会社があるのは誰のおかげ?
会社は誰のおかげで成り立っているのかと聞かれたら、僕は間違いなく従業員とお客さまのおかげだと答えます。
でも、一般的には今の問いに対する模範回答は「株主」です。なぜなら、会社は株主のものだからです。
当時から、これには違和感がありました。
特にうちは外部からの資金調達をしていなかったので、「株主のおかげ」みたいな発言をする経営者を見るたびに「なんかダサいな」と思っていました。
そんな思いが根底にあるものだから、僕は「いちばん株主になってもらいたいのは誰か?」と聞かれたら「従業員とその家族、そしてお客さまだ」と断言していました。僕の中ではごくごくあたりまえのことでした。
本来は、選んだ1500人とかではなく、当時の何十万人といたZOZOの会員さん、全員に配りたかったんですが、諸事情で配れなかった。その後悔が実はずっと消えずにいます。
そしてその後悔の念を今回のカブアンドで晴らしたい。今度こそはと思っています。
今回も外部からの資金調達はゼロです。今のところ(2024年12月4日時点)僕が100%の株主ですから、最初からお客さま全員に株をお渡しして、一緒になってカブアンド社を大きく育てていきたい。そして願わくば上場させて、さらに株主を増やして、今までになかった新しいタイプの会社にしていきたいんです。
もちろん自分が株をいっぱい持っていたほうが単純に儲かるのですが、僕はみんなで喜び合いたい。「偽善者」と言われるかもしれないけど、それが昔から持っている考え方です。
たとえ自分の持ち分がどんどん減ったって、結局最後にドーンと大きい上場ができたり、企業価値が上がっていけば、持ち分の減少なんて大した話ではありません。些細なことです。誤差です。
自分の持ち分比率をせこせこ気にするのではなくて、もっとデカい夢をみんなで一緒に達成して、みんなでうまみを分け合って、みんなで歓喜できたほうがよっぽど気持ちがいい。
前澤ばかり儲けやがって、ってよく言われますし、今回のカブアンドもうまくいけば僕も大きく儲かります。けど、ぶっちゃけもう、儲かるってこと自体に興味はないんです。変な話、一生生きていけるだけのお金はありますし、お金より大事なことがあります。
これはたとえ話ですが、仲間たちとみんなで船に乗って釣りに出かけたとします。
そして、たまたま運よく僕の釣り竿にマグロがかかって、僕しか釣れなかったとする。そのときに、じゃあそのマグロを独り占めしますか? って話です。もちろん釣った僕が少し多めに頂くにせよ、みんなでおいしく食べたほうが楽しいですよね。
なんかそれに近い感覚です。
ちなみに個人的に好きで買っているアートもみんなで見られるようにしたいとい つも思っています。そういうシェアしたがる思いは、お金持ちになったからってことでもなく、昔から変わっていません。小さい頃から「みんなで」ってやっていました。
たとえば、僕の時代はファミコンとかでしたけど、新しいゲームソフトを買ったらみんな呼んでみんなでやるし、エロ本を見つけたら(当時は少年にとって貴重な ものでした[笑])、みんなで回し読みしていたし、とにかく独り占めするタイプで はなかったです。
大人になった今は、それがアートやワイン、車やヨットといったものに変わったというだけで、シェアしたがりは昔から変わりません。独り占めして、しかも資産を隠して、みたいなのは僕の性に合いません。株もみんなでシェアして、みんなで楽しく盛り上がりたい、という超単純思考です。
結局、人は1人で生きていけませんからね。
「前澤杯 MAEZAWA CUP 2025」 参加チケット販売中
開催日:2025年4月14日(月)~23日(水)
コース:MZ GOLF CLUB(千葉県長生郡睦沢町佐貫4900)
競技方法:18ホールストロークプレー/スクランブル形式(予定)
スタート:開始予定時刻 6:00~
チケット:¥1,000,000~(1組最大3名)
※3名以下での参加、また見学者も最大3名まで帯同が可能。オークション形式で選手を指名できる。プロアマ参加者は24日(木)~27日(日)開催の本戦も観戦可能