アンカリング・イノベーション代表取締役の大平信孝氏と、F6 Design代表取締役の山本大平氏。ビジネス書でつながったふたりのエピソードを紹介。
「短くやる」か「すぐやる」か
山本 始めたばかりのVoicyチャンネルのゲストにおいでいただいたのが、2023年の春。
大平 ご著書をよく書店でお見かけしていて、気になる著者の方でしたから光栄でした。
山本 30分のZoomの予定が、2時間以上になってしまって。
大平 途中から、僕のVoicyチャンネルの収録に切り替わったんですよね(笑)。
山本 お招きしたのは、ご著書からお人柄が滲みでていると強く感じたから。画面越しでしたが、すぐに親近感が持てました。
大平 僕はなんたって山本さんのお名前だけでも親近感を持てましたから。びっくりでした。
山本 それからランチをご一緒したら、また3時間以上になり。
大平 本の話で本当に盛り上がりましたよね。
山本 はい、ちょうどベストセラーとなった私の『トヨタの会議は30分』の次作に、大平さんの推している「すぐやる」という言葉を引用しようと思っていた時期でした。
大平 その本に対抗したとしか思えない、「すぐやる」よりはかどる! 時短のコツ42、とキャッチコピーのついた『仕事を「短くやる」習慣』というタイトルでしたね(笑)。
山本 直接、本人にお会いすることになって、いやもう編集者は、なんというタイトルをつけてくれたのか、と(笑)。
大平 でも、中身はまったく違いました。切り口が違うから、バッティングはしない。
山本 そうなんです。それで本を手にしたふたりの写真を編集者に送ったら、これを使わせてくれ、と。書店でコラボレーションをやるから、と。
大平 あれはよかったですね。2冊並べて置いてもらって、しっかりPOPも作って。
山本 まさか、カフェの店員さんに撮ってもらった写真が、あんなに大きく拡大されて使われるとは思いませんでした(笑)。
大平 私もラッキーでした(笑)。
山本 それから、いろいろ相談に乗ってもらうようになって。意外だったのは、ある企画について、ちょっと待ったほうがいい、と言われて。あ、「すぐやる」んじゃないんだ、と(笑)。
大平 すぐにやらないほうがいいこともあるんです。勝負どころをしっかり定めたほうがいい。
山本 大平さんは自己ブランディングのために本を出していない人。書くことが本当に好きだし、本気で本に向き合っている。
大平 僕も本好きですけど、山本さんも本好きですよね。それはご著書からわかります。
山本 本って死んでも残るじゃないですか。国会図書館に必ず。だから、書いてみたかった。
大平 僕も学生時代から、いつかは出したいと思っていました。ただ、何度も売り込んだりしましたけど、なかなかうまくいきませんでした。
山本 僕は運で生きているところがあって。最初の本『トヨタの会議は30分』は、たまたま編集者を紹介してもらったら、そのままタイミング良く出せることになったんです。
大平 しかも、いきなり10万部超えましたよね。
山本 ありがたいことでした。そしてまたこうして、大平さんのような方に出会えて、やっぱり運がいい(笑)。
大平 こちらこそです。
山本 大平さんはコーチの仕事が本業ですが、実はいろんな話をすることで、こっそり学ばせてもらっているんです。
大平 それはうれしいです。
山本 コミュニケーションしていると、あたかもコーチングを受けているみたいに思えて。このスキルは使わせてもらおうと。
大平 山本さんは自然体で、プライベートも充実していて、人生全体で楽しまれていますよね。
山本 めちゃ見られてる(笑)。
大平 戦略コンサルタントですから、思考力や俯瞰力があって、理路整然と語られる。私も学ばせてもらっているんです。
山本 コンサルタントって、コーチ力がいるんですよ。
大平 コーチには、コンサルタント力がいるんです。
山本 これ、2人で何かコラボレーションできそうですね。いつか共著ができるのでは。
大平 すると、大平という文字が著書名に2つ入るんですね。
山本 またカフェに写真を撮ってもらいに行かないと(笑)。