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2024.11.07

「コレステロールは下げなくていい」「豆乳より、牛乳」元気に長生きするための6つの真実【医学博士・柴田博×和田秀樹対談まとめ】

『80歳の壁』著者・和田秀樹氏と医学博士・柴田博氏。日本人の生活を根本から変えてしまうかもしれない、実証研究に基づく“目から鱗”の対談をまとめてお届け! ※2024年6月掲載記事を再編。

医学博士・柴田博×和田秀樹

1.「コレステロールは下げなくていい」。医学博士・柴田博×和田秀樹が斬り込む日本医学の闇

柴田博氏と和田秀樹氏

和田 柴田先生は今年87歳になられますが、未だ現役で“医学の闇”に斬りこまれていく。気力も頭の回転も若い頃と変わらない印象を受けます(笑)。

柴田 出会いは30年以上前ですが、以来、僕の本を推薦してくださったりして感謝してます。

和田 いえ、こちらこそです。僕の話は高齢者専門の浴風会病院での経験と、柴田先生の研究を基にすることが多いので。

柴田 浴風会はいい病院です。

和田 本当にそう思いますね。老人ホームが併設されているし、亡くなった方の約半数のご遺体を解剖する。柴田先生のような追跡調査もします。現実を見て実態に即した医療をしているんです。

柴田 実態を知るとさまざまな真実が見えてきますからね。

和田 例えば、高齢者の血圧は130と150の群では生存曲線は変わらない。でも180の群だと悪くなることが追跡調査でわかりました。だから160くらいまでなら問題ないって話になるんです。血糖値も高い群、低い群ともに、生存曲線はまったく変わらない。つまり下げる必要はないということ。ところが、日本では実態調査の研究が無視されてしまうんです。

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2.日本はがん死亡率1位だから、40歳からはコレステロールを下げてはいけない

和田 コレステロール低下薬は出た当時すごい薬価が高かった。これに関しては諸説あります。ある製薬会社が全然効かない抗がん剤を出していて、それをやめさせる代わりに、この薬で儲けることを提案されたとか。

柴田 真相はわからないけど、不必要な薬を飲まされているのは確かです。アメリカは家族性高脂血症の人が多く、その人たちは心筋梗塞になりやすいので、コレステロール低下薬は効果を発揮します。でも日本はがんが死亡率の1位だからコレステロールを下げちゃいけないんです。それは40歳から80歳まで、どの年齢にも言えることです。

和田 日本は低栄養の国で、戦前・戦中は特に酷かった。本当は粗食を改善すべきなのに、未だに“痩せ信仰”です。コレステロールの害を宣伝されたことが大きく影響していますね。

柴田 恐ろしい事実があってね。終戦直後の1996年、日本人の摂取カロリーは1903キロでした。食糧がなくて国民が飢餓状態にあった時の数値です。ところが2010年には1849キロまで落ち込んだ。戦後より減ってるんですよ。

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3.不妊治療に来る人の9割は、若い頃にダイエットをしていた人!?

和田 日本は高齢化率が上がっているのに健康常識はそのまま。この状況を変えなきゃいけないと僕は思っています。

柴田 本当にそうですね。

和田 高齢者だけじゃなく、若い人の意識も変える必要がある。僕の知り合いに「日本一の不妊治療の名医」と言われる人がいて、北九州の病院に全国から人が訪れる。その医師が「不妊治療に来る人の9割は若い頃にダイエットをしていた人だ」と言っています。

柴田 子宮が育たないんです。

和田 そうです。ダイエットは危険なんですよ。

柴田 痩せる必要がないのに痩せようとしている。

和田 先日も朝の情報番組で女性アスリートの生理の話をしていました。摂取カロリーより運動の消費量のほうが高くなると痩せてくる。そのうちに生理が来なくなるんですが「そうなったらアスリートとして一人前だ」と評価されていたらしい。そんなおかしな理論がまかり通っていたんですよ。

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4.メタボ健診は自殺行為! 日本に本物の肥満なんてほとんどいない

和田 2009年に「太めのほうが長生きしている」というデータが表に出ました。ところが、その前の年にメタボ健診が義務付けられたんです。

柴田 そうでしたね。

和田 そのデータは2005年くらいには出てるはずです。

柴田 出てますよ。僕らも「老人ホーム」のデータはもっと早く出してますからね。

和田 データがあっても、結局、逆をやってる。

柴田 いつでもそうですね。

和田 さらに2024年はメタボ健診で女性の腹囲を90㎝から77㎝まで減らせと、めちゃくちゃ言い出した。さすがに厚労省もまだ受け入れていませんが。

柴田 国際的な肥満学会はもっと上の数字を言ってるんです。なのに、無視して勝手に“日本人用”と言って基準を作ってる。それでいつも揉めてるんですよ。

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5.コレステロールが不足すると、認知症にも鬱病にもなりやすい 

和田 健康情報は多いのですがそれが真実とは限らない。偏るのもよくないですね。「○○が体にいい」と言うとそればかり食べる。でもそんな単純ではありません。

柴田 栄養は食品全体から摂りますからね。

和田 僕は精神科なので、セロトニンは増やさないと鬱になりやすいという話をする。するとよく患者さんから「大豆がいいんですか、植物性がいいんですか」と質問される。植物性タンパク質は確かに体にいい。でもコレステロールが欠けているんです。コレステロールが高い人は鬱病になりにくいし、なったとしても治りやすい。

柴田 認知症もそうですね。

和田 つまりセロトニンを増やすだけじゃなくて、コレステロールも増やす。じゃないとセロトニンが脳まで運ばれない。

柴田 コレステロールは細胞膜を作りますからね。タンパク質とリン脂質とコレステロールで作られる。コレステロールが不足すると細胞膜が弱くなるから、がんにもやられるし、感染症にもやられてしまう。

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6.「豆乳より、牛乳」「卵はたくさん食べても問題ない」栄養は食品から摂るべき理由

和田 柴田先生はやはりお肉もたくさん召し上がりますか?

柴田 もちろんです。自分が言った通りにしかやらない。参考までに、総合的な栄養を摂取するために僕が実践している、1日の食の目安を書きますね。

  • 【動物性食品】①卵1個 ②牛乳200ml ③魚介類60~100g ④肉類60~100g
  • 【植物性食品】①豆腐1/3丁(相当する大豆製品でも可) ②野菜350g ③キノコ類15~20g ④海藻10~20g

和田 やはり、いろいろな種類を食べるのが大事ですね。

柴田 僕らは“食の多様性”を推し進めてきましたからね。

和田 栄養は食品から摂る。

柴田 例えば「豆乳か牛乳か」という質問もされるけど、牛乳じゃないとまずいです。豆乳もいいけど、それは豆腐や納豆を食べたらいい。牛乳の脂肪分や他の成分は、豆乳ではカバーできないんです。

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TEXT=ゲーテ編集部

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