バラエティ番組、CM出演やファッション誌専属モデルなど、各方面からオファーが押し寄せる元NMB48・渋谷凪咲のインタビューをまとめてお届け! ※2024年7、8月掲載記事を再編。
1.渋谷凪咲、笑顔を封印して臨んだ“新たな挑戦”とは
夏休みの学校で行われた補習授業、男女5人の生徒が参加するはずが、教室にはもうひとり、“あのコ”がいた。不気味な歌声に誘われるように起こる不可解な死、そして、次々と起こる怪奇な現象。
『呪怨』シリーズや『ミンナのウタ』などを手がけたジャパニーズホラーの名手、清水崇監督の最新作『あのコはだぁれ?』。主演を務める渋谷凪咲が演じるのは、補習授業を担当する臨時教師、君島ほのかだ。
連続ドラマ出演などはあるものの、本格的に映画に出演するのは初めて。しかも主役だ。オファーを受けた際、プレッシャーはなかったのだろうか。
「もっと演技の仕事をしたいと思ってNMB48の卒業を決めたので、夢のようなお話でした。プレッシャーを感じる暇すらないくらい、1日1日、周りの方と自分を信じ、全力を尽くすことだけを目的に駆け抜けた気がします。
撮影は1ヵ月ちょっとでしたが、作品に関わったみんなで一緒に、いろんなことを乗り越えて、ひとつのものを作り上げた時間は、青春がいっぱい詰まっていて。
人生で何度も青春を感じられるなんて、このお仕事は本当に素敵だと改めて思いましたし、ずっとワクワクが止まらなかったです」
2.渋谷凪咲、人生で一番大切にしていること「“純粋さ”と“信じる”」
2012年にNMB48第4期生としてデビューし、2014年3月リリースのシングル「高嶺の林檎」で初選抜。2019年にはチームMキャプテンに就任するなど、11年間中心メンバーとして走り続けてきた渋谷凪咲。
もっとも本人は、「最初は歌もダンスもポンコツで、コンプレックスの塊でした」と振り返る。そして、スキルを磨き、経験を重ねた今も「まだまだ自信がありません」と。
「グループにいた11年間、いろんな目標を掲げ、ありがたいことに叶った目標もたくさんありました。でも、そこがゴールかと思ったら、また次の課題が出てくるし、上には上がいると思い知らされる。自分はまだまだだなと、常に思わされ続けています。
でも、いろんなジャンルですごい才能を持った人がたくさんいる世界で、周りと比べてばかりいたら、自分が壊れてしまうというか……。だから、得意なことを見つけて、そこで自分ができる最大限のことをやるしかないのかなって。
それに、自信が持てないのは、きっと私の性格なんだと思います。自信をもって突き進んでいる方を見ると、かっこいいなと思うけれど、たぶん私にはできない。
ただ、自信がないからこそ、周りの方の意見を素直に受け入れられたり、努力し続けられたりするのかなという気もしていて。だから、“自信がない自分”をちゃんと認めて、それを原動力に前に進んでいきたいと思います」
3.渋谷凪咲「いろんなタイプがいるから、グループとして面白くなる」個性が集うNMB48で学んだ“多様性”の受け止め方
夏休みの学校を舞台にした映画『あのコはだぁれ?』には、早瀬憩や山時聡真、荒木飛羽ら、期待の若手俳優たちが出演している。
主役=座長として、どう現場をリードしていったのかとたずねると、「主役だからみんなを引っ張っていかなくちゃという気持ちはあまりなくて。でも、みなさんのおかげで、明るくて和やか、楽しい現場でした」と、渋谷凪咲は笑う。
11年間在籍した大阪・難波を拠点とするアイドルグループ・NMB48では、2018年にグループMのリーダーに就任していた。
だが、もともと人に意見をすることが苦手で、当時は「寄り添うタイプのリーダーでした。メンバーのいいところを見つけて、『ここ良かったね』って、ひとりずつ、コソコソっと伝える感じで(笑)」と、振り返る。
「でも、だんだん渋谷凪咲、個人としてお仕事をいただくようになって、先輩たちが卒業して自分がグループを引っ張る立場になった時に、言うべきことはちゃんと言わなくちゃと思うようになりました。
先輩たちがそうやって引っ張っていってくれたように、今度は私が、グループが良くなるために、みんなのために、(厳しいことも)言わないといけない。
今そういうことを言えるのは自分なんじゃないかって。なので、グループ卒業前は、けっこう意見を言わせてもらっていたと思います」