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2024.03.08

バレエ界にも起きている「夢と金」問題。「やりがい搾取」が当たり前になっている業界慣習の蓋を西野亮廣が開いた!――ロングセラー本『夢と金』必読の理由

23万部を突破した『夢と金』の著者であり、今、ビジネスパーソンが追うべき人物の筆頭である西野亮廣さん。本のタイトルにもなっている「夢と金」問題は、実際に至るところで起きていて、目を逸らすことはできない! 今回は、お金がかかるイメージの強いバレエを取り上げて解説。今回も、音声メディア「voicy」で配信中の「#西野さんの朝礼」から編集してお届けする。(※今回の記事を音声で楽しみたい方はコチラ■連載『革命のファンファーレ』から『夢と金』とは

【連載  『革命のファンファーレ』から『夢と金』】

今日は【バレエ団に起きている『夢と金』問題】です。

第135回 結構な額の助成金を貰っておいて、なんで経営に困ることがあるの? 「お金がないので、給料は払いません」という、やりがい搾取で運営しているバレエ団が日本には多すぎる!

西野亮廣

谷桃子バレエ団のYouTubeの見せ方が本当に最高

『毎週キングコング』でもお話しさせていただきましたが、最近、谷桃子バレエ団のYouTubeにハマっています。

見せ方が本当に最高で、「バレエに興味がない人にバレエに興味を持ってもらうにはどうすればいいか? 公演を観に来てもらうにはどうすればいいか?」を本当に丁寧に考えられていて、おそらく、これまでバレエ関係者が隠してきた裏側のドロ臭い部分も、全部、曝け出しているんです。
「バレエはこんなに美しいものなんですよ〜」という押し付け宣伝じゃなくて、「ここで、泥臭く頑張っている人達がいます!」という物語を見せていくスタイルです。

このYouTubeチャンネルを仕掛けたスタッフさんも最高だし、それを受け入れた谷桃子バレエ団さんも本当に最高です。
お時間あれば、是非、観てください。

バレエ団に起きている『夢と金』問題

さて。
その谷桃子バレエ団のYouTubeチャンネルですが、これまで週2で配信されてきたのですが、バレエ団の懐事情的に「週2配信が厳しい(週2配信分の予算を払うのは無理)」という状況に今、陥っていて、まさに『夢と金』問題が起きているんですね。

これに関しては、「やっぱりバレエを作るにはお金がかかるんだなぁ〜」という感想を持たれる方もいらっしゃるだろうし、実際お金はかかるんですけども、ただ、これは谷桃子バレエ団さんに限った話じゃなくて、日本の多くのバレエ団が「お金」と「ビジネス」に関して知識が無さすぎる(勉強してなさすぎる)という身も蓋もない問題は確実にあって、ここに関しては『大人バレエアカデミーのイノくん』というYouTubeチャンネルで最近アップされた「バレエの世界はなぜお金に困るのか?」という動画をご覧いただきたいのですが、そこで、「東京シティ・バレエ団」という公益財団法人のお金まわりを分かりやすく紹介してくださっています。

公益財団法人なので「収支報告書」を公開しているのですが、それが驚きの内容で、年間の事業収益が「3億3417万7600円」のうち、「助成金収入」というお国からいただいているお金があって、それが「1億7875万6000円」もあるんです。

半分が助成金なんです。
これ、ちょっとビックリしますよね。

これはあくまで「東京シティ・バレエ団」さんの収支報告書であって、他のバレエ団さんの収支報告書ではないのですが、だけれど、基本、バレエ団って、公演する度に、かなり多くの助成金を貰っているんです。

くれぐれも「助成金を貰うのが悪」と言いたいわけじゃないですよ。
そういう制度があって、キチンと申請を出して、判子を貰ってやられているわけですから、「助成金」を受け取ることは何も悪くない。

問題は、「それだけ助成金を貰っておいて、なんで経営に困ることがあるの?」というところ。

引き合いに出して申し訳ないですが、僕らが主催で武道館で公演をする時や、幕張メッセで公演をする時、あるいは演劇やミュージカルを作る時は、日本のバレエ団さんよりも大きな予算がかかっていると思いますが、「助成金」は1円もいただいていませんし、その上で役者さん達がアルバイトしなくても済むように「稽古代」をキチンとお支払いしています。

この記事をお読みのバレエ関係者さんからすると、かなり耳の痛い内容になっていると思いますが、僕らは「チケットとグッズ以外で、どう売り上げを作っていくか?」ということと、ひたすら向き合っています。

理由はシンプルで、作品と文化とキャストとスタッフとスタッフのご家族を守る為です。

西野が「夢を追い続ける為には、お金の問題と向き合わなきゃいけないし、その勉強は大切だ。今なら、こういう方法がある」と発信する度に、いろんなところから「詐欺師だ! 金の亡者だ!」という声が飛んできて、その勢いで芸術・エンタメ関係からもそんな声が飛んできたりするわけだけれど、そんなこと言ってくる連中のほとんどが、「お金ないので、給料は払いません」とか言って、やりがい搾取でカンパニーを運営しているのが現状で、「ガタガタ言ってないで、プロなら、お前を信じてついてきてくれたキャストとスタッフとスタッフの家族を守る為のお金の勉強ぐらいしとけよ」というのが僕の本音です。

これに関しては先日のオンラインサロンと3月2日のプレミア放送で、もっとエグい話をしているので、そちらをチェックしてみてください。

すべての芸術・エンタメ関係者が健康的に活動していけることを願う

最後に。
そういったカンパニーを応援しているファンの方に向けて言わせていただくと、お金の問題と向き合う人間に対して「銭ゲバだ〜」と揶揄してしまった先に、何が待っているか? をもう少し想像した方がいい。

その先に待っているのは「あなたが応援しているカンパニーが、お金の問題と正しく向き合えない未来」で、「あなたが応援しているカンパニーが、キャストとスタッフにまともな給料を払えない未来」で、つまるところ、「あなたが応援している人の生活を苦しめているのは、あなた」という現実。

このことは知っておいた方がいいと思います。

谷桃子バレエ団は一歩前に進んでいて、キチンと「お金」の問題もファンの方と共有しているから、YouTubeのコメント欄を見ると、YouTubeのメンバーシップをすることを前向きに捉えていて、カンパニーもファンも、バレエを、バレエダンサーを本当の意味で守る為に意識を向けられていて、最高だと思いました。他のカンパニーも参考にされた方がいいと思います。

すべての芸術・エンタメ関係者が健康的に活動していけることを願っています。

 

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西野亮廣「夢と金」
撮影:鞍留清隆

  

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お知らせ!『西野亮廣講演会』全国各地で続々開催決定!

『西野亮廣講演会』のお知らせです。
下記の都道府県で開催が決まっています。
3月19日(火)に大分、
3月25日(月)に大阪、
4月17日(水)に兵庫、
4月18日(木)に大阪、
4月23日(火)に東京、
5月11日(土)に香川、
5月16日(木)に宮城、
8月12日(火)に関東近郊でそれぞれ『西野亮廣講演会』がございます。
私、西野亮廣がマイク一本で1時間半ほど喋る変なイベントです。
チケットをお求めの方は、『西野亮廣全国講演会』で検索してみてください。
サロンメンバーさんが作ってくださったイイ感じのホームページに飛びますので、そちらから。
会場によっては、まだ、チケットを発売してなかったりしますが、そのへんはご容赦ください。
講演会開催情報

よろしくお願いします。

 

西野亮廣氏ポートレイト

西野亮廣Akihiro Nishino
1980年生まれ。芸人・絵本作家。モノクロのペン1本で描いた絵本に『Dr.インクの星空キネマ』『ジップ&キャンディ ロボットたちのクリスマス』『オルゴールワールド』。完全分業制によるオールカラーの絵本に『えんとつ町のプペル』『ほんやのポンチョ』『チックタック~約束の時計台~』。小説に『グッド・コマーシャル』。ビジネス書に『魔法のコンパス』『革命のファンファーレ』『新世界』。共著として『バカとつき合うな』。製作総指揮を務めた「映画 えんとつ町のプペル」は、映画デビュー作にして動員196万人、興行収入27億円突破、第44回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞受賞という異例の快挙を果たす。そのほか「アヌシー国際アニメーション映画祭2021」の長編映画コンペティション部門にノミネート、ロッテルダム国際映画祭クロージング作品として上映、第24回上海国際映画祭インターナショナル・パノラマ部門へ正式招待されるなど、海外でも注目を集めている。また「えんとつ町のプペル」は、ミュージカルや歌舞伎にもなっている。

●国内最大となる、約4万人の会員数を誇る有料会員制コミュニティー(オンラインサロン)「西野亮廣エンタメ研究所」はこちら
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■連載 『革命のファンファーレ』から『夢と金』とは
猛烈な勢いで仮説・検証・実行・改善を繰り返し、多彩なプロジェクトを成功させてきた西野亮廣さん。ベストセラー『夢と金』の著者でもあり、現代の日本において、ビジネスパーソンがベンチマークすべき人物の筆頭といえる西野さんの“今”をお届けする連載。

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連載
『革命のファンファーレ』から『夢と金』

猛烈な勢いで仮説・検証・実行・改善を繰り返し、多彩なプロジェクトを成功させてきた西野亮廣さん。ベストセラー『夢と金』の著者でもあり、現代の日本において、ビジネスパーソンがベンチマークすべき人物の筆頭といえる西野さんの“今”をお届けする連載。

TEXT=西野亮廣

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