PERSON

2024.01.06

話題のレストラン経営者が日常使いする、魯山人&人間国宝の酒器

仕事に活力を与え、人生をより豊かにしてくれるこれまでに出合った“人生の最上級”を聞いた。今回紹介するのは、グラナダ代表取締役・下山雄司氏の酒器。【特集 最上級主義2024】

魯山人のぐい呑みと金重陶陽の徳利
ともに2000年頃、渋谷の黒田陶苑で購入。以後、下山氏が器に興味を持つきっかけになった最初の逸品。人間国宝である金重陶陽の徳利は、歪みとザラザラした風合いが気に入った。基本的にこの北大路魯山人のぐい呑みとあわせてセットで使うのが一番しっくりくる組み合わせ。手元に置いておかず、下山氏いきつけの鮨店、門前仲町の「鮨にしち」に預けておくこともある。

「最上級の仕事がなされたものは、時を経てどんどん味が出てくる」

イタリアンから日本食など、数々の話題のレストランを経営するグラナダの下山雄司氏が、飲食業界に足を踏み入れたばかりの2000年頃、手に入れたのが北大路魯山人(きたおおじろさんじん)のぐい呑みと金重陶陽(かねしげとうよう)の徳利だ。

「和食店を出すのに、食器について知らないことが多くあり、まずは自分で使ってよさを知ってみようと、手に入れたんです」

骨董といえど、器は使ってこそ。そう考える下山氏はこの徳利とぐい呑みを日常的に使う。

「20年使って、水と酒が染みこんで、色合いも私好みになってきました。最上級の仕事がなされたものは、経年変化しどんどんよくなっていくんです」

下山氏が集めた器
社長室には骨董から現代の作家のものまで、多くの器が置かれている。飲食店に預けているものを含めれば、器の数は2000点はくだらない。

自宅で使うこともあれば、行きつけの鮨店に預けておくことも。とっておきの酒器だからといって、とっておきの酒しか入れないというわけではなく、デイリーに飲む酒も分け隔てなく魯山人のぐい呑みに注ぐ。

「これを使うと飲み口がよく、楽しい気分になります。日頃から楽しい気持ちでいられるかどうかは仕事に影響しますから。魯山人も金重陶陽も、忙しさを忘れられる、私の機嫌をよくしてくれる日用品。日常使いするものこそ、最上級の仕事がなされたものを使いたいですよね」

下山雄司氏
下山雄司/YUJI SHIMOYAMA
グラナダ代表取締役
1968年群馬県生まれ。2000年にグラナダ設立。数々の話題のレストランを展開し、最近では、グルマンの間で話題の世界的シェフが監修する「MAZ」や「CYCLE」を手がける。

【特集 最上級主義2024】

この記事はGOETHE 2024年2月号「総力特集:最上級主義 2024」に掲載。▶︎▶︎購入はこちら  ▶︎▶︎特集のみ購入(¥499)はこちら

TEXT=安井桃子

PHOTOGRAPH=畑中清孝

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