世界的ワインコレクターのジョルジョ・ピンキオーリ氏に、日本のお酒の進化について話を聞いた。【特集 ニッポンのSAKE】
世界的地位を確立したジャパニーズウイスキー。次に続くのは…
「彼のコレクションにないワインは飲むに値しない」と評される世界的ワインコレクターのジョルジョ・ピンキオーリ氏。1992年に銀座で、2007年に名古屋にリストランテ「エノテーカ ピンキオーリ」を開店以来、日本のお酒の進化を視てきた。
「『ワールド・ウイスキー・アワード』の前身である『ベスト・オブ・ザ・ベスト』という品評会で2001年に日本の『シングルカスク余市10年』(ニッカ)が総合1位、『響21年』(サントリー)が2位を獲得したことを皮切りに、ジャパニーズウイスキーの知名度は世界でどんどん上がり、ここ10年ほどで地位を完全に確立しました。
もともと高い品質だったのですが、品評会で名前が知られるまでは、そのことに多くの人が気づけていなかったのでしょう。しかし、今ではウイスキーの本場とされるスコットランド産と並ぶ人気が、ヨーロッパではあると言っても過言ではありません。私のフィレンツェの店でも日本のウイスキーを数種置いていますが、非常に人気です」
そして、ピンキオーリ氏はウイスキーに続き、日本のワインを欧州に広めたいと考えている。
「今後、私のフィレンツェの店のワインテイスティングのコースに日本産のワインを入れる予定です。今、日本のワインも世界デビューのレベルに到達したと言っていい。ただ、課題はその知名度。日本のウイスキーの名前が世に出てすぐに知れわたった時のように、今度は私が日本のワインを世界に伝えてブレイクさせたいと思っているんです」
日本のウイスキーの進化に、他の酒も追随できるか、それが新たな「日本の酒」の課題なのだ。
この記事はGOETHE 2024年1月号「総力特集: ニッポンのSAKE」に掲載。▶︎▶︎購入はこちら ▶︎▶︎特集のみ購入(¥499)はこちら