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2023.05.13

西野亮廣「サービスに差をつけて、高く売る技術を学べ」

アスリート、文化人、経営者ら各界のトップランナーによる新感覚オンラインライブイベント「Climbers(クライマーズ)」。その第6弾が、2023年4月26日から3日間にわたって開催され、ビジネスパーソンを大いに熱狂させた。今回、お笑い芸人/絵本作家の西野亮廣さんによる特別講義を一部抜粋して掲載。すべての講義を聴くことができるアーカイブ配信はこちら。※2023年5月2日〜5月15日18時までの無料限定公開。申し込みは画面内右上もしくは下の「視聴登録はこちら」より

西野亮廣

日本は高く売る技術がない

市川團十郎さんとタッグを組んで新作歌舞伎『プペル~天明の護美人間~』を上演した時に、SS席の「値段が高い」と炎上しました。3万円という価格が、新橋演舞場の他の公演に比べて高いと。でも、SS席を高くした分、A席、B席の値段を下げることができた。結果としてファミリー層に来場してもらうことができ、歌舞伎の高齢化に歯止めをかける役割を少しは担えたのではないかと思っています。

日本はリテラシーが低く、頭が悪い人が文句を言う。チケットを買ってくれる人は、その価格に納得してお金を払ってくれる。新作歌舞伎『プペル~天明の護美人間~』のSS席も即日完売しました。それなのに、チケットを買わない人が「高い」と文句を言うわけです。

日本は「サービスに差をつけて、高く売る技術」が極めて低い。それはどういうことなのか、航空運賃を例に説明します。東京~ニューヨークを就航するボーイング777機。片道料金はエコノミー140席が20万円、プレミアムエコノミー40席が37万円、ビジネスクラス47席が70万円、ファーストクラスが170万円というのがおおよその金額です。

航空券が完売すると、約1億円の売り上げになります。もし、この航空機を日本人の大好きな全席平等、全席エコノミーにするとどうなるでしょうか。全席エコノミーになると、現状244席を約340席に増席することが可能です。でも、エコノミー料金だけでは全体の売り上げが7500万円程度にしかなりません。差額を割り振ると、1人あたりの航空運賃は7万円ほど高くなってしまいます。

つまり、航空運賃はビジネスクラスやファーストクラスを利用するVIPのお客さんが一般乗客の運賃を負担してくれているのです。日本ではVIP向け商品やサービスは妬まれ、嫌われます。そうではなく、日本人はリテラシーを高め、VIPに感謝する気持ちが必要です。

NFTは本当に終わったのか?

ここ数年で話題を集めたNFT。「もう、終わった」という人もいますが、僕は全然終わっていないと思っています。もちろん、投機商品などで終わってしまったものもありますが、依然として可能性はまだまだ高いと感じています。

なぜ、「終わった」と言われるようになったのか。それは客のリテラシーが低いからです。そもそもNFTを理解している人が少ないし、NFTをうまく説明できる人がいないのも原因ですね。

このNFTとはどんなものなのか。ミクロネシア連邦・ヤップ島の石貨を例に説明してみましょう。ヤップ島には直径3~4mにおよぶ巨大な石のお金“石貨”というモノがあり、海辺や公民館、村長の家の庭などに置かれています。お金としての価値はありますが、通常の貨幣のように使われることはなく、冠婚葬祭時の贈答品や、諍いがあった時のお詫びの品などに用いられます。

ヤップ島に住む人々はみんな、その石貨の価値と現在の所有者を把握しています。動かすことはできませんが、石貨の所有権を移動させることで家を購入するなどの消費活動を行うことが可能です。

NFTとは、このヤップ島の石貨のようなものです。2021年、ビープルというアーティストのNFTアート作品「Everydays: The First 5000 Days」がクリスティーズ・オークションにて約75億円で落札されました。デジタル作品で誰もがネット上で鑑賞できる作品。それでも75億円の価値がつき、所有者は「オレが持ち主なんだよね」と所有の喜びを感じることができます。

NFTは使い方によって、まだまだ可能性を秘めています。とくに移動しにくい“巨大なモノ”と相性がいい。そういうところからNFTは浸透していくんじゃないでしょうか。

▶︎▶︎西野亮廣さんの講義全文を動画でチェック。
2023年5月2日〜5月15日18時までの無料限定公開。申し込みは画面内右上もしくは下の「視聴登録はこちら」より。※アーカイブ視聴申し込みは5月14日18時まで

 

西野亮廣/Akihiro Nishino
1980年生まれ。芸人・絵本作家。モノクロのペン1本で描いた絵本に『Dr.インクの星空キネマ』『ジップ&キャンディ ロボットたちのクリスマス』『オルゴールワールド』。完全分業制によるオールカラーの絵本に『えんとつ町のプペル』『ほんやのポンチョ』『チックタック~約束の時計台~』。小説に『グッド・コマーシャル』。ビジネス書に『魔法のコンパス』『革命のファンファーレ』『新世界』『夢と金』。共著として『バカとつき合うな』。製作総指揮を務めた「映画 えんとつ町のプペル」は、映画デビュー作にして動員196万人、興行収入27億円突破、第44回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞受賞という異例の快挙を果たす。そのほか「アヌシー国際アニメーション映画祭2021」の長編映画コンペティション部門にノミネート、ロッテルダム国際映画祭クロージング作品として上映、第24回上海国際映画祭インターナショナル・パノラマ部門へ正式招待されるなど、海外でも注目を集めている。また「えんとつ町のプペル」は、ミュージカルや歌舞伎にもなっている。

TEXT=川岸徹

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