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2023.05.08

【宮本恒靖×槙野智章】激論! サッカーW杯で日本が優勝するために必要なこと

アスリート、文化人、経営者ら各界のトップランナーによる新感覚オンラインライブイベント「Climbers(クライマーズ)」。その第6弾が、2023年4月26日から3日間にわたって開催され、ビジネスパーソンを大いに熱狂させた。今回、元サッカー日本代表の宮本恒靖さんと槙野智章さん、俳優・勝村政信さんによる特別講義を一部抜粋して掲載。すべての講義を聴くことができるアーカイブ配信はこちら。※2023年5月2日〜5月15日18時までの無料限定公開。申し込みは画面内右上もしくは下の「視聴登録はこちら」より

宮本恒靖×槙野智章×勝村政信

W杯優勝を本気で目指す

勝村 JFAは2050年にFIFAワールドカップを日本で開催し、その優勝チームになるという目標を掲げています。W杯で優勝するためには何が必要か? 宮本恒靖さん、槙野智章さんのお二人に聞いてみたいと思います。宮本さんは今年2月、日本サッカー協会(JFA)の専務理事に就任。これは副会長に次ぐ協会内のナンバー3という地位です。

宮本 2011年の現役引退後、指導者を目指してドイツのFIFAマスターに進学。サッカーの歴史や経営学を学ぶうちに、マネジメントビジネスにも興味を持ちました。2013年に帰国し、ガンバ大阪の監督を経て、今はマネジメント業務に挑んでいます。

勝村 JFAではどんな仕事を?

宮本 日本を強くするためには、今まで以上にすべてを強化しなければなりません。未就学児や小学生、若手、シニア層、そして女子も。すべての層に対して、サッカー環境をもっと整えていくことが重要です。選手の育成だけでなく、情報の収集や発信、海外とのコミュニケーションに力を注ぐことも大切ですね。

勝村 海外は日本サッカーをどのように見ていますか。

宮本 カタールW杯でドイツ、スペインに勝ったこともあり、日本の評価は明らかに高まっています。今年3月にFIFAの総会に出席した際に、「日本と親善試合をしたい」との申し出を数多くいただきました。日本のレベルが上がっているのも含めて、長年のJFAの施策が身を結んでいると感じています。

サッカー界の底上げのために

勝村 一方の槙野さんは昨年現役を引退し、品川CCのテクニカルアドバイザーに就任。セカンドチームの品川CCセカンドでは監督としてチームの指揮を執っています。どうして品川CCを選ばれたのでしょう?

槙野 日本のサッカーを強くするためには、Jリーグだけでなく、裾野を広げていかなければなりません。そのために、まずはJリーグの下部組織である社会人リーグの現状を知りたいという思いが大きかったですね。社会人リーグは、平日は他の仕事に就いている兼業プレイヤーが中心。一度はJリーグのチームに入団したものの、1~2年で契約を切られてしまったという選手もいっぱいいるんです。彼らは「もう一度、上に上がりたい」という強い思いでサッカーに打ち込んでいる。そういう選手の思いをかなえる手助けをしたいですね。

勝村 社会人リーグの練習環境はどんな感じ?

槙野 練習はフットサルコートが中心で、サッカーをやるには狭い。クラブハウスにはシャワーもなく、環境がいいとはいえないですね。でも、選手たちは目がキラキラと輝いている。こういうプレイヤーが日本のサッカーを支えていると感じますね。

勝村 監督に必要なものって何でしょうか。

槙野 代表クラスの選手も下部組織でプレーする選手も、厳しい環境に身を置き、努力を続けています。その思いを汲み取り、現場のスタッフや指導者が質を上げていくこと。監督も成長していくことが重要ですね。

勝村 宮本さんは?

宮本 観察力だと思いますね。練習中もプライベートな時間も、24時間、選手を常に見ていること。実際に目で見ていなくても、アンテナを張って選手の動きを絶えず気にしていることが大切だと思いますね。動きが悪い選手、プレーに集中できていない選手がいた時に、その理由がすぐにわかるような力がリーダーには必要でしょう。

勝村 お二人の話を聞くと、日本サッカーの未来は明るいと感じます。2050年のW杯優勝が目標ですが、もっと早く実現できるのではないかと。

宮本 僕が現役の頃は、W杯優勝なんて想像できなかった。それが近づいているという印象はある。目標を実現できるよう、その準備をしっかりと続けていきたいですね。

▶︎▶︎宮本恒靖さんと槙野智章さん、勝村政信さんの講義全文を動画でチェック。
2023年5月2日〜5月15日18時までの無料限定公開。申し込みは画面内右上もしくは下の「視聴登録はこちら」より。※アーカイブ視聴申し込みは5月14日18時まで

 

宮本恒靖/Tsuneyasu Miyamoto
1977年大阪府生まれ。同志社大学卒。1995年ガンバ大阪入団。2007年オーストリア1部レッドブル・ザルツブルクへ移籍、2009年ヴィッセル神戸を経て2011年に現役を引退。2023年より日本サッカー協会(JFA)の専務理事を務めている

槙野智章/Tomoaki Makino
1987年広島県生まれ。2000年にサンフレッチェ広島ジュニアユースに入団し、2006年にはトップチーム昇格。翌年Jリーグデビューを果たす。2010年には初のJリーグベストイレブンに輝き、そのシーズンオフにはドイツ・ブンデスリーガ、1.FCケルンに移籍。2012年に浦和レッズへと移籍。日本代表としても38試合に出場し、2018年のロシアW杯にも出場した。2022年シーズン終了後にヴィッセル神戸で現役を引退。引退後は様々な分野で活躍を広げながらも、2023年には神奈川県社会人1部リーグ・品川CCのテクニカルアドバイザーに就任し、セカンドチームでは初めて監督業にも挑戦する。

勝村政信/Masanobu Katsumura
1963年埼玉県生まれ。高校卒業後、会社員として働くも、その後演劇を志し、演出家・蜷川幸雄の元で修業。鴻上尚史に招かれ、劇団第三舞台に参加し、様々な舞台に出演する。「天才・たけしの元気が出るテレビ」などのバラエティーから、「HERO」や「ドクターX~外科医・大門未知子~」などの名作ドラマ、さらに映画・舞台と幅広く活躍。幼少期からサッカーを続け、現在も時間があれば仲間とサッカーに興じるほど、芸能界きってのサッカー好き。テレビ東京系で2011年4月から放送中の考えるサッカー番組「FOOT×BRAIN」で司会も務めている。

TEXT=川岸徹

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