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2022.11.04

【西野亮廣】なぜ「20代で生まれた差」は、一生かけても取り戻せないのか?

毎度お騒がせしております。キングコング西野です。今回の記事は、毎朝voicyという音声メディアで配信している「#西野さんの朝礼」でお話したことから、編集して紹介させていただきます。(※今回の記事を音声で楽しみたい方はコチラ

今日は『20代で生まれた差は一生かけても取り返せない』というテーマでお話ししたいと思います。

【連載「革命のファンファーレ2~現代の労働と報酬」】

第67回 20代を“なんとなく”過ごしていたら、30代、40代…その先は「人を妬む人生」しか待っていない

西野亮廣

現実社会では「遅咲き」なんてほぼ存在しない

今日の話は、特に10代20代の方に聞いていただきたいのですが…
たとえば、スーザン・ボイルさんがブレイクしたのが、確か48歳。

『アンパンマン』のテレビ放送がスタートした時の、やなせたかしさんの年齢は69歳。
漫才コンビ「錦鯉」さんがブレイクしたのが50歳。

こんな話を聞くと、将来に対して夢や希望を持てますが、そもそも、「遅咲き」が何故、話題になるかというと、「そんなことは基本的に無いから」です。
「遅咲き」が定期的にあったら、「遅咲き」はニュースになってないんです。

現実社会はどうかというと、「遅咲き」なんてほぼ存在しなくて、「20代で生まれた差」というのは一生かけても取り返せません。

巷では「キミはキミのままでいいんだよ」的な耳馴染みの良い言葉が溢れ、ついついその言葉に吸い寄せられてしまうかもしれません。
あるいは20代を「嘲笑系」に費やしてしまうこともあるでしょう。

今、僕は42歳で、まぁ、幅広い世代の方と、様々なお仕事をさせていただいていますが、残念ながら、20代をのんびり過ごした人や、20代を嘲笑系のポジションで過ごした人は、僕の仕事現場には一人もいません。

今、僕はニューヨークのとあるスタジオでおこなわれているミュージカル『えんとつ町のプペル』のリーディング公演のリハーサルの見学に来ているのですが、ここにいるキャスト&スタッフは皆、20代でバッキバキに挑戦して、毎日死にもの狂いで働いてきた人しかいません。
キャストにいたっては、子供の頃から「訓練」とも呼べる生活を送ってきた人もいる。

「20代をタラタラ過ごして、30代から本気になる」みたいなプランで生きている人は、少なくとも、ここにはいません。

20代で生まれた差が一生かけても取り戻せない理由

なぜ20代で生まれた差が一生かけても取り戻せないのか?

理由は至極シンプルです。
学生さんは、あまりピンとこないかもしれないけど、まず、だいたい30代になってくると、結婚している人が増える。
すると、家族に充てる時間以外で、仕事で結果を出さなきゃいけなくなる。
そうすると、友達は「利害関係」のある友達しか残らなくなるんだよね。

ここでいう「利害関係」というのは金銭だけじゃなくて、「知識」や「気づき」をくれる相手も対象になります。

もう一点。
30代、40代になってくると、頑張っている人は、出世して、それなりのポジションに就く。
自分の決定で、売り上げを作らなきゃいけないポジションに就くんです。
となると、ここでも「利害関係」が成立している人としか関わらなくなる。
「20代をゆっくり過ごしてきて、30歳にもなって、まだ何者にもなれていない人」は、その時点で、付き合う候補から外されちゃうんだよね。

「20代をゆっくり過ごしてきて、30歳にもなって、まだ何者にもなれていない人」に残された友達候補は、「20代をゆっくり過ごしてきて、30歳にもなって、まだ何者にもなれていない人」で、残念ながらその人は「決定権」を持っていない。

あと、会社や社会は、「何者でもない30代」にチャンスは与えないんだよ。
どのみちリスクをとって「何者でもない人」にチャンスを与えるのであれば、「何者でもない20代」に与えた方が、期待値が大きいので。

20代はとにかくガムシャラに働いた方がいい

これは僕の肌感ですが、「大学卒業までに生まれた差」というのは、20代で本気を出せば余裕で巻き返せるのですが、「20代で生まれた差」というのは、一生かけても巻き返せない。
「後で頑張ればいい」と思っても、20代より後は、そもそも打席に立たせてもらえないんです。
待っているのは、成功者を妬み続ける人生です。

ちょっとゾッとしますよね。

なので、世間では耳馴染みの良い言葉が溢れていますが、現場でバキバキにやっている人間から言わせていただくと、あんなのはガン無視した方がいいです。
もちろん身体を壊してしまうと元も子もないので、そこだけは気をつけて。

先ほども申し上げましたが、今、ニューヨークに来ていて、いろんな国から集まったスタッフと一緒にいるのですが、そこにはウチの若手スタッフもいるんですね。
今、24〜5歳だと思います。

まだまだ未熟ですが、しかし、そのシーンの一線で戦っている多くのスタッフが彼に力を貸していて、その理由を聞くと、一番最初に出てくるのが「若いから」なんです。

「若い」というのは、それだけ価値があるんです。
「伸びシロがある」ということは、「投資価値がある」ということなので、皆、若い人間にアレやコレやと教えるし、チャンスを与えるんですね。

だけど、これが30歳になると一気に無くなる。
「30歳で、ここって、ことは、この人はあまり伸びないのね」と判断されて、打席から外されるんです。
なので、20代はとにかくガムシャラに働いた方がいいと思います。

 

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お知らせ!『西野亮廣講演会』全国各地で続々開催決定!

『西野亮廣講演会』のお知らせです。
下記の都道府県で開催が決まっています。
12月4日(日)に福岡、
12月23日(金)に愛媛で、それぞれ『西野亮廣講演会』がございます。
私、西野亮廣がマイク一本で1時間半ほど喋る変なイベントです。
チケットをお求めの方は、『西野亮廣全国講演会』で検索してみてください。
サロンメンバーさんが作ってくださったイイ感じのホームページに飛びますので、そちらから。
会場によっては、まだ、チケットを発売してなかったりしますが、そのへんはご容赦ください。
講演会開催情報

よろしくお願いします。

 

西野亮廣氏ポートレイト

西野亮廣/Akihiro Nishino
1980年生まれ。芸人・絵本作家。モノクロのペン1本で描いた絵本に『Dr.インクの星空キネマ』『ジップ&キャンディ ロボットたちのクリスマス』『オルゴールワールド』。完全分業制によるオールカラーの絵本に『えんとつ町のプペル』『ほんやのポンチョ』『チックタック~約束の時計台~』。小説に『グッド・コマーシャル』。ビジネス書に『魔法のコンパス』『革命のファンファーレ』『新世界』。共著として『バカとつき合うな』。製作総指揮を務めた「映画 えんとつ町のプペル」は、映画デビュー作にして動員196万人、興行収入27億円突破、第44回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞受賞という異例の快挙を果たす。そのほか「アヌシー国際アニメーション映画祭2021」の長編映画コンペティション部門にノミネート、ロッテルダム国際映画祭クロージング作品として上映、第24回上海国際映画祭インターナショナル・パノラマ部門へ正式招待されるなど、海外でも注目を集めている。また「えんとつ町のプペル」は、ミュージカルや歌舞伎にもなっている。

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過去連載記事

TEXT=西野亮廣

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