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2024.05.20

ここはまさに猫天国! ハワイ、ラナイ島で暮らす幸せなニャンコと、日本人女性

セレブたちがお忍びで通うリゾート地、ハワイ諸島ラナイ島。彼らがこっそり訪れて、猫を愛でているという!? 保護猫施設に潜入。快適すぎる猫たちの暮らしと、そこで働く日本人女性に密着した。

いすの上の猫

人口3000人に対して、保護猫の数808匹!? アメリカ全土が注目する保護猫施設

ハワイ諸島の中で1番小さな島、ラナイ島。人口約3000人のその島で、現在850匹もの猫が保護されている施設がある。それが世界中の猫好きが憧れる、猫の聖地「キャットサンクチュアリ」だ。

丘の上に建つその施設は、広々とした草原を柵でしきり、そのなかにはいくつかの小さな小屋が点在する。柵の中には隠れやすい茂みや、爪を研いだり木登りをしたりする大きな木もあり、猫たちはそこで日々のびのびと過ごす。

「ラナイ島には1年で卵を1つしか生まない、ハワイシロハラミズナギドリという希少な鳥が生息しています。その鳥と卵を狙うたくさんの野良猫が以前から問題になっていて、かつては鳥の保護のために猫を駆除していた例もあるそうです。その猫をここで保護すれば、鳥も猫も同時に守ることができると2009年にこの施設が設立されました。現在は、昨年のマウイ島の火事から保護された子たちも220匹やってきて、合計808匹という数にまで増えたんです」

と、キャットサンクチュアリのスタッフである優・バトゥーンさん。その足元にはたくさんの猫が集まってきて、ニャーニャーと鳴いている。

ここでは猫にストレスを与えないことを徹底、人慣れした猫とそうでない猫、さらに老猫と若い猫など、性格や属性によって猫の暮らすエリアを分けている。

好きな場所で自由に過ごす猫
広場に大きな木があったり、茂みがあったり、夜を過ごす小屋があったり。猫たちは好きな場所で自由に過ごす。

「人に慣れていない子のエリアには猫たちが隠れられるスペースを用意し、逆に人間に慣れている子たちのエリアではお客さんたちにたくさん撫でてもらう。人間嫌いな子でも周りを歩く人の気配は感じますから、そこから徐々に慣れてもらおうという狙いです。老猫エリアは、自分で毛繕いができなくなってきた子もいるため、ブラシを置いて訪れたお客さんにブラッシングしてもらっています。猫たちもとっても気持ちよさそうですよ」

そう優・バトゥーンさんが言うように、ここキャットサンクチュアリは誰でも訪れてOK、いつでも猫と触れ合うことができる。活発な若い猫と一緒に遊んだり、老猫のブランシングをしたり。1日中猫と過ごしたってかまわない。だからこそ世界中から猫好きが多くこのラナイ島に訪れ、さらに猫好きの間では「死ぬまでに一度は訪れたい聖域」と言われているほどだ。また猫を飼いたいと思っている人たちは、アメリカ全土から訪れているという。

ブラッシングされている猫
10歳以上の老猫エリアで、毛繕いをあまりしなくなった猫たちにブラッシング。

広々とした草原の上、海から噴き上げる風が心地よく、猫ならずともリラックスしてしまうその場所で暮らす猫たち。訪れた人のなかから「この子を引き取りたい」という申し出があれば、キャットサンクチュアリは審査を経て猫を譲渡、これまで1000匹以上が新たな家を見つけているという。

木の上の猫
木の上にも猫たちが。

沖縄からラナイ島へ見つけた天職

この「猫の聖地」で働く優・バトゥーンさんは、沖縄県出身で、キャットサンクチュアリ唯一の日本人スタッフだ。なぜ沖縄からこの小さな島に移住し保護猫たちと生活しているのだろう。

「移住を決めたのは本当に偶然のこと。そもそも、ラナイ島という島があることすら知らなかったんです」

と笑う優・バトゥーンさんは、ラナイ島出身の夫とともに6年前にラナイ島に移住。学生時代はハワイの大学で環境学を学び、その後は故郷・沖縄のヤンバルクイナの展示施設で、その生態を学びながら解説員として働いていた。

「もともと生き物が好きで、生き物に関わる仕事を続けたいと思っていました。ラナイ島は島民のほとんどが島内のフォーシーズンズホテルでの仕事に従事しているため、もうそれは難しいのだろうと移住の際に諦めていたんです。けれど島の人に『キャットサンクチュアリがぴったりだ』と勧められて。前職では鳥について学んでいましたし、鳥と猫を守るためのこの仕事は、まさに私にぴったりでした」

ゲストと猫
ゲストたちも、木の下で猫と1日を過ごす。

普段は施設の運営や、猫たちに薬を与えるメディカルスタッフとして働いている。ラナイ島には獣医がいないため、優・バトゥーンさんのようなスタッフが常に猫たちのコンディションを見て、体調の悪い猫を見つければ定期的にオアフ島から訪れる獣医に報告・相談するのだという。

偶然にもラナイ島に住むことになった優・バトゥーンさんだけれどキャリアを極めていればどこにいてもそれはひらけていくのだろう。今はまさにキャットサンクチュアリの仕事が天職だと感じているという。

「ここには、季節になるとどんどん新しい猫が保護されてきます。人間と暮らしたことのない猫ばかりですから、最初はすごく拒絶されるんですよ。けれどだんだんと慣れてきて、スタッフやお客さんにも身体を触らせてくれるようになる。そういう姿を見ていると、やはり仕事にやりがいを感じます。メディカルスタッフはいつも苦い薬を飲ませる嫌な人間だと猫たちには思われているでしょうから、少し寂しいですが(笑)」

さび猫一家に囲まれるYuさん
さび猫一家に囲まれる優・バトゥーンさん。
カメラに向かって突進してくる、積極的なミケ。このミケは現在はアメリカ本土の新しい飼い主のもとで幸せに暮らしている。

このキャットサンクチュアリは非営利団体が運営、訪れる人の寄付によってなりたっている。オンライン上からも寄付できるほか、amazonのWish Listも公開。アメリカのamazonアカウントがあれば、猫たちのごはんやおもちゃなど、施設が今必要としているものを代わりに購入することもできる。

ラナイ島は、オアフ島から飛行機でおよそ30分。ハワイ旅行の際にはちょっと足を伸ばしてラナイ島へ、猫たちに会いに行ってみてほしい。

TEXT=安井桃子

PHOTOGRAPH=熊谷晃

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