各地での古着屋パトロールを怠らない編集M。今回は、愛するアメカジの掘り出し物を求め、ロコの若者に人気と噂の古着屋を半日かけてクルージング。果たしてその成果は⁉
1軒目:ハワイならではの掘り出しモノが見つかる「グッドウィル」
SDGsの影響もあってか、近年世界各地で大きな盛り上がりを見せているリサイクルショップ。とくにアメリカでは、服や家電、生活雑貨などを寄付という形で集めて再販し、収益を慈善活動などにあてる“スリフトショップ”という業態が普及。格安価格で掘り出し物が手に入るうえに、人の役にも立てるというのだから、利用しない手はない。
そこで編集Mがまず向かったのが、カカアコ地区の北、ベネタニア通りに位置する「グッドウィル」。1959年創業と、古い歴史を持つスリフトショップだ。一見倉庫のような大きく、そっけないほどシンプルな建物内に足を踏み入れると、そこは一面の服、服、服! 期待に胸躍らせる編集M。
何百着、いや何千着もの商品が並んでいるものの、エントランス正面は「メンズ」、右手は「レディス」のようにきっちりとゾーニングされ、さらに「Tシャツ」「パンツ」「アウター」など、アイテム別に整然と分けられているので、“お目当て”を探しやすい。
しかも、Tシャツは$5.99、パンツは$7.99、デニムは$9.99、アロハシャツ$14.99と一律価格。気になった商品の値札をいちいちチェックする必要がないのもありがたい。
編集Mが狙っているのは、ずばり、カレッジアイテム。このショップ、近辺に学校が多いため、学生たちが不要になったアイテムを寄付しているのではないか…と読んでのこと。予想は的中、早速ハワイ大学のロゴ入りウインドブレーカーを発見。目立つ汚れはなく、良好な状態で$10.99なのだから、これはもう買うしかない! 同じくハワイ大学×ニューエラのキャップも見つけ、こちらもGET。
2軒目:地元の学生から支持率大な「プラトーズ・クローゼット」
続いて訪れたのは、「グッドウィル」の隣のブロックに位置する「プラトー・クローゼット」。「グッドウィル」に比べるとかなりコンパクトな店構えだが、若い世代に人気のブランドが集結していることで知られている。ナイキ、チャンピオン、コンバースなどストリート寄りのアイテムが並んでいた。
ここはリサイクルショップではなく、古着屋なので、全体的に洒落たアイテムが多い。カジュアル系がメインで、価格も$10~$20とリーズナブル。ヴィンテージ感のあるアロハシャツが目に止まった。品よく合わせられるかと思ったけれど、意外と小さくてサイズ感が合わず断念。
3軒目:質高く&サービス品もあり「ハーバーズ・ヴィンテージ」
店内はこれまでの2軒とは打って変わって、ゆったりとした雰囲気。壁にはキャップやスニーカーがきちんと納められたシェルフが備えつけられ、通路も十分なゆとりがあり、まるでセレクト・ショップのような佇まいだ。
並んでいる商品も、コンディションやデザイン、希少性などにこだわっていることが伺えるラインナップ。お目当てのカレッジアイテムにしても、1990年代や1980年代、なかには1970年代につくられた、ヴィンテージが中心で、気分は上がりまくり!
もっとも状態良好なヴィンテージとなれば、当然プレミアがついて高額になる。1990年代製のハワイ大学のレインボーキャップは、なんと$200! 希少価値を考えれば妥当な値段なのだろうが、「グッドウィル」で手に入れたキャップの50倍とは……。心は揺らいだが、ぐっとガマン。そして、出合ったのが、1970年代のボウリングシャツ、お値段$70。サイズ感もよく、ゲット。
もう一つ、どストライクだったのが、70年代のチャンピオンのトップス。胸にハワイ大学の刺繍が入っていて、1点モノの匂いがする。色褪せ具合もいい雰囲気だったが、こちらもサイズ感が合わず、泣く泣く諦めることに。
他にも、1960年代のヴィンテージ・アロハがあったりと、全体的に好みの感じ。しかも、価格設定も日本より安い印象。なんでもオーナーは、趣味が高じてハワイ大学マノア校在籍中に、この店を立ち上げたとか。服への愛が、至る所に感じられるのは、そんなバックグランドがあるからだろう。
どのアイテムもそそられるが、お小遣いのことを考えるとそんなに手が出せない。半ばあきらめかけていたところ、スタッフが、「店の奥にお買い得コーナーがあるよ」と、声をかけてくれ(そんなに悲し気な顔をしていたのか⁉)。のぞいてみると、「50%オフ」や「アンダー$20」という表示が!
ありました、ありました。お手頃価格のカレッジアイテム。年代は比較的新しそうではあるけれど、ロゴTシャツが$10~20、キャップが$10~15と手を出しやすい値段。なかには、表示価格からさらに50%というモノもあり、俄然やる気に! 本気モードで物色しているうちに、はたと気づいたのがディズニー商品の多さ。それも、「東京ディズニーランド」で購入したと思われるものが少なくない。
ちなみに、ロイヤル・ハワイアン・ショッピングセンター内にある「ハーバーズ・ヴィンテージ」2号店ものぞいてみたが、こちらはハイソな店構え。オリジナルアイテムやストリート系ブランドモノが並んでいて、$100以下を見つけるのは難しい価格感。エア・ジョーダンなどのほぼ新品スニーカーなどを扱っていた。「個人的には、ベレトニア通りのこっちの店の方が断然好み」。
4軒目:バザー感覚で地元の日常品まで楽しめる「セイバーズ」
古着通りともいうべきベレトニア通りを後に、今度はウーバーで少し移動し、モイリイリ地区にある「セイバーズ」へ。こちらはサンフランシスコで1959年に創業され、オアフ島で3店舗を展開。モイリイリ地区のショップは2022年にオープンと、比較的新しいうえにワイキキに近いため、観光客も立ち寄りやすい。
サウス・キング通り沿いというロケーションで、大型駐車場を完備しているこの店舗、とにかくデカい! 最初に訪れた「グッドウィル」の4~5倍の広さはあるのではないだろうか。扱っている品物も、服に靴、食器に家電、おもちゃにアート、本、アクセサリー、さらには誰かがもらったであろうメダルやトロフィーまで売られていて、食品以外は何でもアリといった状況。
ジーンズ、アロハシャツ、Tシャツ…など、カテゴリー別に並んでいるが、価格は各商品についているタグをチェックするというスタイル。寄付されたものを格安で販売しているので、もちろん激安価格だが、あらかじめ買いたいものを絞り、ピンポイントでチェックするのがおすすめ。でないと、いくら時間があっても足りないだろう。
超大型スリフトショップだけあって、並んでいる品物は、正直言って玉石混合。イメージはバザー。現地の家庭で使われていた衣服から雑貨まで、さまざまなモノが置いてある。訪れている客も、地元の一般人といった感じで、ワクワクする。狙い目は現地のサッカーや野球などのゲームシャツやユニフォーム的なものだが、この日は時間が限られていて、探しきれず断念。別日でじっくりと掘り出し物を探したい。
ちなみに、この「セイバーズ」前の道路を挟んで向かい側には、お薦めのヴィーガンレストラン「ピース・カフェ」がある。
半日かけて5店舗回り、アウターとキャップ、アロハシャツを手に入れた。お目当ての品を手に入れたのはもちろん、ハワイの古着屋事情にも触れることができ、大満足のクルージングに。
「ワイキキの中心地にはいくつか古着屋さんがありましたが、オリジナル品が多く、またヴィンテージのアロハシャツなどは価格設定が高めで、観光客狙いの印象です。アツいのはベレタニア通り。セレクト感、価格感ともに好みでした。この辺りには、他にもこの日休みで入れなかった古着屋がいくつかあるそうで、次回ハワイに来た時には、じっくりと巡ります」