ゲーテでもおなじみ、本田直之さんから佐賀「らかんの湯」にお誘いを受けたのが5月くらいだったか。旅の決行は10月20日。サウナシュランで2019年、2020年にグランプリをとった名サウナである。当日、長崎空港でジョインした本田さんが「最高のタイミングで来たよ。新しいサウナ、薪サウナが先週オープンしたんだ」。やばい、「薪サウナ」という言葉に心が躍った。
薪サウナの裏がガラス張りという衝撃
長崎空港から車で御船山楽園ホテルに向かう。今回は日本各地のサウナに精通しているクリエイティブディレクターの梶原由景さんも同行。いわゆる大人のサウナ旅だ。1時間ほどで現地に着くと、代表の小原嘉久氏が出迎えてくれた。荷物を置き、ホテル内を少し案内していただいた後、みんなですっぽんぽんとなり、いざ「薪サウナ」に突撃した。
サウナーから圧倒的支持を集めている、ほうじ茶ロウリュができるサウナを通り抜け、水風呂の横を通り、外の庭を横切って約25メートルほどだろうか、薪サウナの建物へと向かう。今治タオルに特注したというやや肉厚なタオルマットを一枚とって、中へと入った。
数段ほど、階段があり、その両脇に座るスタイル。奥に行くとサウナ石が見えてきて、先頭まで進むと下に薪が見えてくるのだが……、その見たこともない風景に一瞬頭が混乱した。大量のサウナストーンの裏がガラス張りなのだ。小原さん、割れないの……!?
「はい、割れません(笑)。コロナ禍前に、本田さんと欧州のサウナを視察してきたのですが、その時の旅の経験が生きていると思います。御船山のサウナストーン2.5トンで温めて、地元武雄の間伐材の薪を使い、御船山の地下水でロウリュができる、サステナブルなサウナです」
横から本田さんも言う。
「こんなサウナ、他にはないよ。フィンランドの人にも体験してもらいたいくらい」
まだまだ改善点があるらしく、温度も80度ほど。熱いサウナが好きな人は少し物足りなく感じるかもしれないが、薪の火を見ながら5分も入っていると背中を滝のように汗が流れていく。天井が一部ガラスになっていて、空や雲、星を眺めながら入れるというのも、なかなかできない体験だ。
ロウリュはストーブ中央の煙突めがけて、アンダースローで投げかける。これが意外と難しい。奥のガラスにかかったり、手前に落ちてしまったり。
梶原氏も「これだけ優しく強力なサウナは初めて。ゆっくり入る低温サウナの魅力を存分に味わえました。こんな素晴らしいサウナを経験してしまったら今後どうしたらいいのか、困ってしまうくらい。毎月来たい(笑)。小原さんも、あそこもここも直す、と課題を口にしていた。まさに永遠に完成することのないサグラダ・ファミリアのようなサウナ。小原さんはガウディですね」と絶賛。
「薪サウナは、私のなかのサウナ4部作の中の第3部なんです。露天風呂の屋根の2階部分に、森と星々をのぞむ休憩室がまもなく完成します。それで完結です!」と小原さんは言うのだが、まだまだ改良していくだろうな、と。
サウナを出たら、汗を流して水風呂にドン。源泉をチラーで冷やしているそうで、キレが半端なかった!
福岡空港からもクルマで約70分ほど。御船山楽園ホテル1泊サウナ旅行、お薦めです。(ただし、週末は当分埋まっているらしい! 当然か)
御船山楽園ホテル
住所:佐賀県武雄市武雄町大字武雄4100
TEL:0954-23-3131
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